ひとつの言語を極めるべきか、複数を学ぶべきか

ひとつの言語を極めるべきか、複数を学ぶべきか

記事
IT・テクノロジー
プログラミングを学んでいると、一度はこんな疑問を持つと思います。

「ひとつの言語を極めたほうがいいのか」
「それとも、いろいろな言語を学んだほうがいいのか」

JavaScriptを勉強している途中でPythonが気になったり、PHPを学んでいるとReactやTypeScriptにも興味が出てきたりします。

新しい言語を見ると、今の言語より便利そうに感じることもあります。

結論から言うと、最初はひとつの言語を軸にして学び、その後に必要な言語を増やしていくのがおすすめです。

いきなり複数の言語を同時に学ぶと、知識が広がる一方で、どれも使いこなせない状態になりやすいからです。

今回は、ひとつの言語を深く学ぶメリットと、複数の言語を学ぶメリットを整理しながら、どのように学習を進めればよいのか考えていきます。

言語をたくさん知っていることが、実力ではない

プログラミング初心者のうちは、知っている言語の数を増やしたくなることがあります。

HTML、CSS、JavaScript、PHP、Python、Java、C#など、学びたい言語を並べると、自分が成長しているように感じるからです。

しかし、言語名を知っていることと、実際に使えることは別です。

基本的な文法を少し触っただけでは、仕事で使えるレベルにはなりません。

たとえば、JavaScriptの変数や条件分岐を理解していても、それだけでWebサイトに機能を追加できるとは限りません。

実際の開発では、次のような力も必要になります。

エラーの原因を調べる
処理を組み合わせる
他人のコードを読む
要件に合わせて設計する
コードを修正しやすい形に整える
ライブラリやフレームワークを使う

こうした力は、ひとつの言語で何度もコードを書き、失敗と修正を繰り返すことで身につきます。

言語をたくさん触るだけでは、なかなか深い部分まで到達できません。

最初はひとつの言語を軸にする

初心者のうちは、まずひとつの言語を軸にしたほうが学習しやすいです。

ここで重要なのは、「一生ひとつの言語しか学ばない」という意味ではないことです。

最初に土台を作る言語を決める、ということです。

Web制作をしたいのであれば、HTML・CSSを学んだあとにJavaScriptを軸にする方法があります。

WordPress制作をしたいのであれば、HTML・CSS・JavaScriptに加えてPHPを学ぶ必要があります。

アプリ開発をしたいのであれば、SwiftやKotlin、C#などが候補になります。

データ分析や業務自動化をしたいのであれば、Pythonが向いているでしょう。

大切なのは、人気がある言語を選ぶことではありません。

自分が作りたいものや、やりたい仕事に必要な言語を選ぶことです。

ひとつの言語を深く学ぶメリット

ひとつの言語を深く学ぶ最大のメリットは、プログラミングの考え方そのものが身につくことです。

プログラミング言語が変わっても、共通している考え方はたくさんあります。

たとえば、次のようなものです。

変数
条件分岐
繰り返し
関数
配列
オブジェクト
クラス
データの受け渡し
エラー処理

ひとつの言語でこれらを理解できれば、別の言語を学ぶときにも応用できます。

最初の言語では、文法だけでなくプログラミングの考え方も同時に学ぶため、時間がかかります。

しかし、2つ目以降の言語では、

「この言語では、関数をこう書くのか」
「配列の扱い方が少し違うだけだな」

というように、違いを比較しながら学べるようになります。

つまり、ひとつの言語を深く学ぶことは、他の言語を学ぶための土台にもなります。

「極める」という言葉には注意が必要

ただし、「ひとつの言語を極めてから次に進む」という考え方にも注意が必要です。

プログラミング言語を完全に極めることは、ほとんど不可能です。

言語の機能は多く、周辺のフレームワークやライブラリも更新され続けます。

経験豊富なエンジニアでも、すべての仕様を暗記しているわけではありません。

そのため、

「JavaScriptを完璧に理解するまで、他の技術には触れない」

と考える必要はありません。

完璧を目指しすぎると、いつまでも次に進めなくなります。

重要なのは、その言語を使って、自分で何かを作れる状態になることです。

たとえば、次のような状態になれば、別の言語や技術を学び始めてもよいでしょう。

基本文法を理解している
エラーを検索しながら解決できる
小さな作品を自力で作れる
他人のコードをある程度読める
コードを修正して機能を追加できる

「すべて知っている状態」ではなく、「使いながら学べる状態」を目指すことが大切です。

複数の言語を学ぶメリット

ある程度ひとつの言語を使えるようになったら、複数の言語を学ぶメリットも大きくなります。

言語によって、得意な分野が違うからです。

たとえば、Webサイトの見た目を作るならHTML・CSSが必要です。

ブラウザ上で動く機能を作るならJavaScriptを使います。

WordPressのテーマやプラグインを修正するならPHPが必要です。

データ処理や自動化ならPythonが使われることがあります。

複数の言語を使えるようになると、対応できる仕事の範囲が広がります。

また、違う言語に触れることで、今まで使っていた言語への理解が深まることもあります。

たとえば、JavaScriptだけを使っていると当たり前だと思っていた書き方が、別の言語ではまったく異なることがあります。

その違いを知ることで、

「なぜこの言語は、この設計になっているのか」

を考えられるようになります。

複数の言語を学ぶことは、単に知識を増やすだけではありません。

考え方の選択肢を増やすことにもつながります。

同時に学びすぎると混乱しやすい

複数の言語を学ぶ場合でも、同時に増やしすぎるのはおすすめできません。

初心者のうちにJavaScript、Python、PHP、Javaを並行して学ぶと、文法が混ざりやすくなります。

「この言語では変数をどう書くんだっけ」
「関数の書き方はどれだったっけ」

という状態になり、学習効率が落ちてしまいます。

さらに問題なのは、学習した気分にはなるものの、作品が完成しないことです。

教材の最初だけを繰り返し、どの言語でも基礎文法の途中で止まってしまう人は少なくありません。

新しい言語を始めること自体が目的になってしまうと、実務で使える力は身につきにくくなります。

言語を増やす前に、今学んでいる言語でひとつ作品を完成させることをおすすめします。

言語ではなく、作りたいものから逆算する

学ぶ言語を決めるときは、言語そのものを目的にしないことが重要です。

「Pythonを学びたい」
「Reactを勉強したい」

という目標だけでは、途中で何を作ればよいのか分からなくなります。

それよりも、

「お問い合わせフォームを作りたい」
「WordPressのオリジナルテーマを作りたい」
「作業を自動化するツールを作りたい」
「スマホアプリを公開したい」

というように、作りたいものを先に決めたほうが学習内容が明確になります。

必要な技術は、作りたいものによって自然に決まります。

WordPressサイトを作るのであれば、PHPを完全に極める必要はありません。

まずは、テンプレートファイルを理解し、投稿を表示し、条件分岐を書き、必要な修正ができれば仕事につながります。

必要以上に広く学ぶよりも、目的に必要な範囲を深く学ぶほうが効率的です。

おすすめの学習順序

迷っている人は、次の順序で進めるとよいでしょう。

まず、自分が作りたいものを決めます。

次に、それを作るために中心となる言語をひとつ選びます。

そして、基礎文法を学んだら、すぐに小さな作品を作ります。

教材をすべて終わらせてから作るのではなく、学んだ内容を使いながら制作を進めることが重要です。

作品を作っていると、分からない部分や不足している知識が見えてきます。

そこで必要になった技術を追加で学びます。

この流れであれば、目的もなく言語を増やすことはありません。

必要になったタイミングで新しい言語を学ぶため、知識を実際の制作に結びつけやすくなります。

仕事では複数の技術を使うことが多い

実際の仕事では、ひとつの言語だけで完結するケースは多くありません。

Web制作であれば、HTML、CSS、JavaScript、PHPなどを組み合わせることがあります。

Reactを使う場合でも、JavaScriptやTypeScriptだけでなく、HTMLやCSS、API、データベースなどの知識が必要になります。

ただし、すべての技術を同じ深さで理解する必要はありません。

中心となる技術と、補助的に使う技術があります。

たとえば、WordPress制作を中心にするのであれば、HTML・CSSは深く理解し、JavaScriptやPHPは案件に必要な範囲から伸ばしていく方法もあります。

重要なのは、すべてを均等に学ぶことではありません。

自分の仕事に必要な技術へ、優先順位をつけることです。

まとめ

ひとつの言語を極めるべきか、複数を学ぶべきか。

この問いに対しては、どちらか一方を選ぶ必要はありません。

最初はひとつの言語を軸にして、プログラミングの考え方と、作品を完成させる力を身につける。

その後、作りたいものや仕事に必要な技術を追加していく。

この順番が最も現実的です。

複数の言語を知っていることよりも、ひとつの言語を使って問題を解決できることのほうが重要です。

そして、ひとつの言語を使えるようになれば、次の言語を学ぶハードルは下がります。

言語の数を増やすことを目標にするのではなく、作れるものと、解決できる問題を増やしていきましょう。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す