「AIを使えば、動画が自動でできる」——そう思っていた。
実際に7本作ってみて気づいた。
一番しんどかったのは、AIじゃなくてフレームの計算だった。
仕組みを作った。その後の話
以前、YouTube Shortsを自動生成する仕組みを1から作った話を書いた。
あの記事を書いた時点では、仕組みが「動いた」ところまでだった。
スクリプトを渡せばAIが音声を生成して、映像クリップを並べて、YouTubeにアップロードするところまで全部つながった。動いた瞬間は、正直かなり気持ちよかった。
でも実際に使い続けてみると、作った時点では見えていなかったことが出てきた。
今日はその話を書く。
実際に何をやっているか、3分で説明する
仕組みはざっくりこうだ。
台本(セリフ)を書く
AIが音声を生成する(Fish Audioというサービスを使っている)
映像クリップ(フリー素材)と音声を合わせて1本の動画にする
タイトルを生成して、YouTubeに公開する
人間がやるのは「台本を書くこと」と「確認すること」だけ——のはずだった。
一番しんどかったのは、ここだった
音声を修正するたびに、映像がズレる。
「意志力」という言葉の読み方が「いしりょく」ではなく別の読み方をされてしまったとき、音声を修正した。たった1行、0.3秒の違い。
でもその0.3秒のせいで、後ろに続く映像クリップ全部のタイミングがずれる。
動画というのは「何フレーム目から何フレーム目まで、この映像を流す」という情報で成り立っている。音声の長さが変わると、そのフレーム数を全部計算し直す必要がある。
AIは音声を生成してくれる。でも「さっき生成した音声より0.3秒長くなったから、映像のタイミングをここからここまで全部ずらして」という判断は、自動ではやってくれない。
私が数字を見て、計算して、ファイルを書き直す。
1本目はこの作業だけで半日かかった。「自動化したはずなのに何をやっているんだ」と思いながら、フレームの数字を1行ずつ直した。
そこで見えてきたこと
7本作って、ようやく構造が見えた。
AIが得意なこと:スクリプトの生成、音声の出力、映像の合成、アップロード
人間がやらないといけないこと:「なんか違う」という感知と、修正の指示
「意志力の読み方が違う」と気づいたのは私だ。
「この映像、ここで切り替わるのが早すぎる」と感じたのも私だ。
「BGMがこのシーンに合っていない」と判断したのも私だ。
Claudeはその判断を受け取って、実行してくれる。ファイルを書き換えて、音声を生成し直して、映像を組み直す。
でも「なんか違う」は、私が最初に感じないとClaudeには届かない。
AIは完成した動画を見て「これでよかったですか?」とは聞いてこない。ただ出力する。
そのズレに気づくのは、いつも人間の側だ。
7本作った今
最初は1本に3日かかっていた。
今は仕組みが手になじんで、1日で回せるようになった。
ただ、毎回変わらないことが一つある。
「なんか違う」の判断は、毎回私がやっている。
Claudeと作業していると、これが「AIに飲み込まれない」ということかもしれないと思い始めた。実行はAIに渡していい。でもズレを感知する側は、人間が手放しちゃいけない。
自動化が進むほど、「これでいいのか」という問いを持ち続ける人間の役割が、じわじわ大事になっていく気がしている。
おわりに
私は「初速制作室」という屋号で、AIを使いながら仕組みを作る活動をしている。
アプリを作ったり、動画を自動生成したり、営業を自動化したりしているが、どれも根っこにあるのは同じことだ。「なんか違う」を感知して、AIに渡す。それだけ。
もし「AIをもっとうまく使いたいけど、何から始めればいいかわからない」という方がいれば、お気軽にのぞいていってください。