お昼は仕事の合間に、おにぎりを一つ。
夕方にはお腹がぺこぺこで、帰宅すると夕食の準備をしながらつまみ食い。食後も、何か食べたくなる。
「昼は控えられたのに、夜になると続かない」
そんな日が重なると、自分の意志の弱さを疑いたくなりますよね。
こんにちは。トレーナーの渡辺です。
今回は、夜の食事をさらに減らす前に、昼の食事を振り返ってみよう、というお話です。
おにぎりが悪いわけではありません。忙しいときにも食べやすく、主食として役立つ食品です。
見直したいのは、「おにぎりだけで、自分に必要な食事が足りているだろうか」という点です。
夜の食欲は、その日の昼から考えてみる
食欲には、体が必要とするエネルギーだけでなく、食べ物のおいしさ、気分、睡眠、生活のリズムなど、いくつもの要素が関わります。
昼食が少ないうえに夕食まで長く空くなら、夜に強い空腹を感じる背景として、日中の食事不足も考えられます。
ただし、「夜に食べすぎる人は全員、昼食不足」と決めつけることはできません。
前回の睡眠の記事では、夜のおやつが気になるときに、眠りや休息も見直すことをお伝えしました。
今回は、その中で少し触れた「昼食のとり方」を具体的に考えます。
まずは、自分を責めずに三つだけ振り返ってみてください。
・昼食は何を、どのくらい食べたか。
・昼食から夕食まで、どのくらい時間が空いたか。
・夕食前は、落ち着いて食べられる空腹だったか。
これは病気の診断や、食事の点数づけをするチェックではありません。
変えられそうなところを見つけるためのメモです。
研究から分かること、まだ言えないこと
食べる時間帯や、一日の中での食事量の配分は、体重管理との関係が研究されています。
2022年の研究では、過体重または肥満の成人30人が、朝に多く配分する食事と、夜に多く配分する食事を、それぞれ4週間経験しました。
一日の摂取エネルギーをそろえた条件では、体重減少やエネルギー消費に差はありませんでしたが、朝に多く食べる条件で空腹感が低くなりました。
これは「昼におかずを足せば夜の食べすぎが治る」と証明した研究ではありません。
それでも、食事の配分を考える意味が、消費カロリーだけでなく、空腹への対応にもあることを示しています。
2024年に29件のランダム化比較試験をまとめた研究では、食事時間などを変える方法と、体重の小さな減少との関連が示されました。
ただし、根拠の確実性は低く、長期間の効果には不明な点が残ります
さらに、2025年の成人197人を対象にした12週間の試験では、地中海食の教育に「食べる時間を8時間に限る方法」を加えても、主要な評価項目である内臓脂肪の変化に、教育のみの場合との差は確認されませんでした
研究ごとに方法も、調べている結果も違います。
「何時に食べるか」だけで、体重や健康が決まるわけではないのです。
ここから先は、公的な食事の考え方を、忙しい生活に取り入れるための提案です。特定の献立で痩せることが証明されている、という意味ではありません。
基本は「主食・主菜・副菜」を組み合わせる
農林水産省の食事バランスガイドでは、食事を主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の五つのグループで考えます。食事バランスガイド
昼食を選ぶときは、まず次の三つを思い浮かべると整理しやすくなります。
・主食:ご飯、パン、麺など。主に炭水化物の供給源です。
・主菜:魚、肉、卵、大豆製品などを使うおかず。主にたんぱく質の供給源です。
・副菜:野菜、きのこ、海藻などを使うおかず。ビタミン、ミネラル、食物繊維を補います。
毎食、別々のお皿を三つ並べる必要はありません。
具の入った丼や麺でも、組み合わせは考えられます。
乳製品や果物も含め、一日全体で整えていきましょう。
また、「三つそろったから量は問わない」わけでもありません。
必要な量は体格や活動量などで変わります。
小さなおかずを一つ足すことは出発点であり、それだけで全員に十分とは限りません。
忙しい日の昼食は、こんなふうに組み立てる
1.おにぎりにおかずを組み合わせる
たとえば、おにぎりに、ゆで卵や豆腐などの主菜と、野菜のおかずを組み合わせます。
おにぎりの数やおかずの量は、活動量や空腹に合わせて調整してください。
いきなり全部をそろえるのが難しければ、「いつものおにぎりに、まず主菜を一つ」からでも構いません。
買う場所を増やす必要はなく、同じ店で選べるものを決めておくと手間が減ります。
サラダだけを足しても、食事全体が少なすぎることはあります。
「野菜を足したのに夕方つらい」なら、主食や主菜の量も含めて見直しましょう。
2.麺の日は、具と小鉢を見てみる
かけうどんだけなら、卵や肉、豆腐などを使った具や小鉢を組み合わせ、野菜も補う。
冷たい麺なら、卵や鶏肉、野菜が入ったものを選ぶ、といった方法です。
暑い日や忙しい日は、食べやすさも大切です。
無理に定食へ変えなくても、いつもの食事に何を組み合わせるかを考えれば大丈夫です。
なお、具だくさんの汁物を使うときも、汁を全部飲む必要はありません。
加工食品や総菜は、栄養成分表示の食塩相当量も見ながら選びましょう。
3.「調理しない組み合わせ」も用意する
冷凍ご飯、納豆や豆腐、冷凍野菜。
こうした食品を置いておけば、一から料理をしなくても組み合わせられます。
たとえば、ご飯に納豆、温めた野菜。
余裕がある日は卵や魚のおかずも使う。
毎回違う献立にせず、自分が食べやすい組み合わせを二つほど決めておくのも方法です。
商品に書かれた保存方法と加熱方法は守ってください。
特に暑い時期、卵や乳製品など冷蔵が必要な食品を長時間持ち歩くのは避けましょう。
夕食が遅い日は、空腹を限界まで我慢しない
昼食を整えても、仕事や家の都合で夕食が遅くなることはあります。
そんな日は、空腹が強くなりすぎる前に、食事の一部を先にとる方法も選択肢です。
たとえば、夕方に小さなおにぎりなどを食べ、帰宅後は残りの主食と主菜・副菜をとる、といった組み立てです。
これは夕食に丸ごと上乗せするルールではなく、一日分の食事を分ける工夫です。
間食を入れれば必ず食べすぎが減る、ということでもありません。
食べる必要がないほど空腹が弱ければ、無理に追加しなくて大丈夫です。
昼食を減らして夜に強く空腹になる日が続くなら、まずは昼食を見直す。
それでも間隔が長くなる日に、分けて食べる方法を試す。
この順番で考えてみてください。
まずは数日、「夕方の過ごしやすさ」を見てみる
明日から全部を変えるより、一つだけ試してみませんか。
「昼に主菜を組み合わせる」
「昼食をとる時間を予定に入れる」
「夕食が遅い日だけ、食事の一部を先にとる」
数日試したら、夕食前の空腹、食事の落ち着き、準備の負担を振り返ってください。
この期間は、減量効果を判定するためではなく、続けられそうかを確かめるための目安です。
食事を整えることは、体重だけでなく、毎日の活動に必要な栄養を確保するためにも大切です。
ただし、疲れやすさを食事だけのせいにしたり、昼食を変えれば必ず疲労が改善すると考えたりはしないでください。
自分だけで食事を調整しないほうがよい場合
糖尿病の薬を使っている方や、腎臓病などで食事指導を受けている方は、食事の時間・量・内容を大きく変える前に、主治医や管理栄養士に相談してください。
妊娠・授乳中の方も、自己判断で強い減量制限をしないことが大切です。
強い疲れやめまいが続く、意図せず体重が減るなどの場合は、食事の工夫だけで済ませず、医療機関に相談しましょう。
また、「食べ始めると止められない」ことが繰り返されてつらい、食後に吐くなどの行動がある場合も、一人で我慢を増やさず専門家に相談してください。
まとめ|夜の自分を責める前に、昼の食事を見直そう
昼を少なく済ませ、夜に強い空腹が来るなら、夕食の制限を増やす前に、日中の食事を振り返ってみてください。
おにぎりはそのままに、主菜や副菜を組み合わせる。
忙しい日用の食品を置いておく。
夕食が遅い日は、食事を分ける方法も考える。
完璧な献立ではなく、明日も無理なく用意できる食事を一つ。
夜の自分に「もっと我慢して」と言う前に、昼の自分がちゃんと食べられる形をつくっていきましょう。
アップライフ治療院では、そんな考え方をもとに、食事・運動・生活習慣についてまとめた「アップライフダイエットテキスト」も作っています。
「何から始めればいいかわからない」
「無理な方法ではなく、生活そのものを見直したい」
という方は、よければ参考にしてみてください。