「将来、何をしたいですか?」
「転職して実現したいことは何ですか?」
そう聞かれても、うまく答えられないことはありませんか。
無理に答えようとすると、本音よりも「それらしい目標」を探してしまう。私自身、そんな感覚になることがありました。
やりたいことが明確でなくても、キャリアを考えることはできます。
今回は、私の経験をもとに「Must→Can→Will」という順番で整理する方法をお伝えします。
■ 「やりたいこと」より、今の役割から考えてみる
それぞれの言葉を、この記事では次の意味で使います。
・Must:今、求められている仕事や役割
・Can:経験を通して身についた、できること
・Will:これから取り組みたいこと、大切にしたい方向性
やりたいことから逆算する方法もありますが、それだけが入り口ではありません。
今の役割に向き合い、できることを増やす。その経験から、「次はこういうことに関わりたい」が見えてくる場合もあります。
これが、私にとっての「Must→Can→Will」です。
■ ① Must|任された仕事の中で、課題を一つ見つける
最初は、「好きだから始めた仕事」でなくても構いません。
例えば、新人に仕事を教える役割を任されたとします。
説明して終わるのではなく、
・どの手順でつまずいているのか
・一度に伝える情報が多すぎないか
・一人でも確認できる資料が必要ではないか
と考えてみる。
目の前の仕事にある課題を見つけ、工夫することで、経験から得られるものが変わってきます。
ただし、求められることを何でも引き受ける必要はありません。今の負担も踏まえ、取り組める範囲で考えてみてください。
■ ② Can|「担当したこと」を「できること」に置き換える
仕事を続けていても、「特別なスキルはありません」と感じる方は少なくありません。
そんなときは、担当業務だけでなく、その中で工夫したことを振り返ります。
先ほどの新人教育なら、
・手順を分けて説明した
→ 相手の理解度に合わせて伝えられる
・間違いやすい箇所を一覧にした
→ つまずきを見つけ、予防策を考えられる
・教え方をチームで共有した
→ 自分の経験を、周囲も使える形に整理できる
「新人教育を担当した」という一文の中にも、複数の力が含まれています。
Canは資格や専門技術だけではありません。普段の判断や工夫にも、次の仕事で活かせる材料があります。
■ ③ Will|「この力を、次はどこで使いたいか」を考える
できることが見えてきたら、次はこう問いかけてみます。
・この経験を、別の場面でも活かしたいか
・もっと上手になりたいのは、どの部分か
・どんな相手や課題に関わると、やりがいを感じるか
新人教育の経験から、
「人の成長を支える仕事を増やしたい」
「教えることより、分かりやすい仕組みをつくる方が好きかもしれない」
と、異なる方向性が見えることもあります。
最初から職種名まで決めなくても大丈夫です。「もう少し関わってみたい」という感覚も、方向性を考える手がかりになります。
■ 私のキャリア支援も、目の前の仕事から始まった
私も最初から、「キャリア支援を自分のテーマにしたい」と明確に考えていたわけではありません。
人材紹介の仕事で、求職者の状況を整理し、不安や迷いを言葉にし、次の行動を一緒に考える。まずは、そうした実務に向き合っていました。
その中で、
「もっと良い関わり方をしたい」
「感覚だけでなく、根拠を持って支援したい」
と思うようになり、キャリアコンサルティングの学びへ進みました。
学びを現場で使い、振り返る。その積み重ねから、「経験や思いを言語化し、前に進む支援をしたい」という方向性が見えてきました。
発達支援でも、子どもへの伝え方や環境を工夫し、学び直す中で、関心が深まっていきました。
私にとってWillは、最初に完成していた目標ではなく、経験の中で輪郭が見えてきたものです。
■ 今日からできる、三つの振り返り
今の仕事を一つ選び、次の三点を短く書いてみてください。
① 何を求められていたか
例:新人が一人で業務を進められるようにする。
② 自分は何を工夫したか
例:間違いやすい手順をチェックリストにした。
③ 次に何へ活かしたいか
例:ほかの業務でも、迷わず進められる仕組みをつくりたい。
うまくいったことだけでなく、失敗から変えたことも材料になります。
気づいた手順や判断のポイントを一つ残しておくと、職務経歴書や面接で経験を伝える際にも役立ちます。
■ やりたいことは、経験に合わせて更新していい
「できること」と「やりたいこと」は、必ずしも同じではありません。
得意でも負担が大きい仕事もあれば、まだ得意ではなくても挑戦したいこともあります。振り返るときは、自分の気持ちも一緒に確認してみてください。
今すぐ立派な目標をつくるより、
「どんな役割を担ってきたか」
「そこで何を身につけたか」
「次は何に関わってみたいか」
を順番に整理する。そこから見えてくる方向性もあります。
ココナラでは、30日間の伴走支援を通じて、経験や強みの整理から、キャリアの方向性・応募準備までサポートしています。
「やりたいことが分からない」「今の経験をどう活かせるか知りたい」という段階から、ご相談いただけます。一緒に、これまでの仕事の中にある手がかりを探していきましょう。