ChatGPT、Claude、Geminiに質問しても、「内容は間違っていないけれど、そのまま仕事では使いにくい」と感じることがあります。
原因は、AIの能力だけではありません。依頼の目的、完成形、判断基準が伝わっていないことも多いのです。特別な“魔法の言葉”を探すより、仕事の指示書を渡す感覚で条件を具体化すると、回答を活用しやすくなります。
今回は、企画、会議、資料整理などに使いやすい10の指示を紹介します。ChatGPTだけでなく、ClaudeやGeminiでも試せます。
【まずは回答の形を整える】
1.完成形を先に指定する
「次の形式で答えてください。結論を1行、理由を3点以内、具体例を1つ、最後に次の行動を1つ」
長文を短くしたいときや、社内共有用の文章を作るときに便利です。項目数や文字数まで伝えると、回答のばらつきを減らせます。
2.相手と目的を伝える
「地域の中小企業の経営者へ説明します。専門用語を避け、導入判断に必要な内容を500文字以内でまとめてください」
「誰が読むか」と「何のために使うか」があるだけで、説明の難しさや重点が変わります。
3.参考例を1つ見せる
「次の記載例と同じ項目・文体で整理してください」と伝え、理想に近い短い見本を添えます。
毎月の報告書、問い合わせ返信、議事録など、同じ形式を繰り返す仕事に向いています。ただし、他社の文章はそのまま流用せず、自社で使用できる例を用意しましょう。
4.役割と前提条件を与える
「あなたは業務改善の担当者です。従業員10名の会社で、現在のExcelを残しながら始められる方法を提案してください」
役割だけでなく、会社規模、予算、期限、現在使っている道具も添えることがポイントです。
5.比較の軸を指定する
「A案とB案を、費用、導入期間、操作の難しさ、保守、将来の拡張性で比較し、向いている条件を示してください」
単に「どちらが良いか」と聞くより、判断材料をそろえやすくなります。最終判断は、自社の優先順位と照らして人が行います。
【回答を行動につなげる】
6.資料を行動へ変換する
「この文章から、重要な要点を3つ、今日できる行動を2つ、担当者が確認すべき点を1つ整理してください」
長い資料を要約するだけでなく、「次に何をするか」まで出してもらう指示です。
7.実行手順を小さく分ける
「実行手順を5項目以内のチェックリストにしてください。各項目に担当者の例と所要時間の目安を添えてください」
AIの提案が大きすぎる場合は、「最初の1週間で行う範囲」など、期間を区切ると現実的になります。
【回答をうのみにしない】
8.弱点と反対意見を出す
「この計画の弱点と想定される反対意見を3つ挙げ、それぞれに確認すべき事実と対応案を添えてください」
提案書や会議資料を出す前の点検に使えます。AIに反論させることが目的ではなく、見落としを発見するための使い方です。
9.根拠と不明点を分ける
「根拠となる情報源と発行日を可能な範囲で示してください。確認できない内容は『未確認』と記載し、追加で調べる項目を2つ挙げてください」
AIは、確からしく見える誤りを含むことがあります。金額、制度、契約、日付、固有名詞は、必ず一次情報や原文で確認してください。
10.合格基準を決めて見直す
「まず初稿を作成し、次に次の基準で点検してください。目的に合うか、根拠があるか、実行できるか、読みやすいか。問題点を修正した改善版も提示してください」
点数だけを付けさせるより、評価基準を先に決める方が修正内容を確認しやすくなります。最後は人が初稿と改善版を比較し、採用する内容を決めましょう。
【大切なのは、長い指示を書くことではない】
良い指示は、必ずしも長文ではありません。
・誰に向けたものか
・何に使うのか
・どの形で必要か
・何を確認すべきか
この4点を入れるだけでも、仕事へ移しやすい回答になります。
また、顧客情報、社員情報、契約内容などを入力する際は、利用するAIの設定や社内ルールを確認し、必要以上の情報を入れないことが大切です。
【今日からできる小さな一歩】
まず、普段AIへ依頼している質問を1つ選び、最後に次の一文を加えてみてください。
「結論、理由、具体例、次にやることの順で、専門用語を避けて答えてください」
回答が良くなったかどうかは、「すごい文章か」ではなく、「修正時間が減ったか」「次の行動が明確になったか」で判断してみましょう。
自社の仕事に合うAIの使い方や社内ルールを整理したい方には、公開中の「中小企業のAI顧問として1ヶ月伴走します」で、業務の切り分けから運用まで一緒に整理しています。