先日、住宅の建築を検討しているお客様とお話していたら、なんか切羽詰まった感がすごいんですね…
「早く建てなきゃ…周りも建て始めてるのに…」
「この返済計画でなんとかしたいけど、欲しい家が建てられなそうだ…」
「こんな内装にしたいし、こんな間取りにしたいのに…」
ん-、だめだ。どうしよう。
そんな声が聞こえてきそうでした。
確かに持家はいろんな魅力や、持つことのメリットもあります。
だから賃貸ではなく家を買いましょう!ではなく、僕は
「無理してでも家を買うべきだ!」とは思いません。
その逆で、ストレスなく
「無理しないで家を買う」方がおすすめです。
そりゃあ、自己資金が余るほどたくさんあるとか、親御さんがお金持ちで結構な金額の援助が受けられそうであれば話は別です。
そもそもが「賃貸」という選択肢もあるんです。
家を建てたら、それで幸せですか?
私はハウスメーカーで21年、営業をしていました。
その仕事を通して、お客様と不動産とお金の流れをずっと見てきました。
そこで感じたことは、家の大きさとか、内装とか設備へのお金のかけ方と、そこに住む人の幸せのレベルは関係ないということです。
贅沢に広いテラスをお金をかけて作って、そこで毎晩BBQするわけでもありません。
何百万もかけて広いシアタールームを作って、そこで毎晩、映画鑑賞してるわけでもありません。
そもそも、それは生活の中での幸せな時間かもしれませんが、その人の人生が幸せかどうかはまた別な話ですよね。
また、家が広いから幸せ…ってわけでもありません。
家の広さに比例して、どんどん幸せになっていく!そんなことないですよねw
逆に必要な広さ以上でムダに広いと、デメリットも多いんです。
パソコンや携帯を買った時に、全く使わないだろうアプリがたくさんインストールされてるのと一緒です。
ムダにデータ量(光熱費)はかかるし、固定資産税もバカにならないし、将来の相続税対策はどうするんですか?
次の世代に税金を払ってもらうんですか?
家と人なんてそんなもんなんです。
そうはいいながら僕も若い頃は、家を建てるんだろうな…建てられるのかな…と考えていました。
家を建てることが、なんとなく全ての人の将来の目標、また、そうしないといけない…みたいな。
その人が家に何を望んでるのか?その人のライフスタイルに合ってるのか?…
ハウスメーカーで営業を重ねて、やっと、ただ家を建てることとその人の幸せは別ものだ…と気づきました。
別物だと分かったのは、家を建てたのに、家族と別れることになったり、ほとんど家の手入れがされてなかったり、ほとんど家にいなかったり、売却しなくちゃいけない事情になったり…
決して幸せそうじゃない家族も見てきたからです。
だからこそ言えるのは、必要以上に家に何かを求めても、家と人の幸せには関係ないんです。
そんな切羽詰まって、頑張って…
背伸びした家に住む必要なんてないんですよ…。