684.子どもの「爪かみ」をやめさせたい どうする?

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子どもの「爪かみ」をやめさせたい どうする?

 公認心理師が教える原因&対処法



子どもが爪をかんでしまうことがあります。中には、爪をかむ行為が癖となってしまい、大人になっても治らない人もいるようです。そもそも、なぜ子どもは爪をかんでしまうのでしょうか。爪をかむ行為をやめさせるにはどうしたらよいのでしょうか。公認心理師、看護師の伊藤優子さんに聞きました。



幼少期の愛情不足が原因の可能性

Q.子どもが爪をかむことがあるのはなぜなのでしょうか。原因について、教えてください。

伊藤さん「原因として、心理的要因や環境などが挙げられます。特に心理的要因については、『環境上、親や養育者に甘えられない』『寂しさを抱えている』『厳しいしつけにより、常に緊張した状態で過ごしている』『不満がある』などがあります。特に、精神分析の創始者であるジークムント・フロイトがまとめた『心理性的発達理論』に登場する『口唇(こうしん)期』が関係している可能性があります。

口唇期とは、誕生から1歳半くらいまでの時期に『飲む』『食べる』という行為を通じて、唇や口腔(こうくう)の感覚が満たされ、安心、信頼というパーソナリティーが形成されることを言います。初めにこれらの感覚を満たすのは母親や母親代わりの養育者であり、満たされないとさまざまな問題が生じやすくなります。


唇や口腔の感覚が満たされなければ、何とか気持ちを満たそうと行動するといわれています。子どもの場合は爪をかむことがあるほか、話をし過ぎてしまったり、全く話さなくなってしまったりすることがあります。

大人の場合は飲酒や過食、喫煙を通じて口唇的な欲求を満たそうとしますが、ときにはそうした行動が過度になり、問題となってしまうことがあります」



Q.子どもが爪をかむのが癖になった場合、どのようなデメリットが生じる可能性がありますか。

伊藤さん「爪をかむのが癖になったことによる身体的デメリットは、次の通りです」



■身体的デメリット

(1)爪の変形
(2)歯や歯茎に負担がかかることで歯の変形のほか、前歯でそしゃくをする癖が生じる可能性がある
(3)爪やその皮膚の周囲に負担がかかり、傷が生じる
(4)爪の間の汚れや傷による局部的感染、全身的感染を引き起こす可能性

Q.爪をかむ行為をやめさせるにはどうしたらよいのでしょうか。

伊藤さん「次のような対策に取り組んでみてください」



■子どもが爪をかむ場合

(1)爪を短く切る。
(2)安全な苦いマニキュアを塗る。
(3)手袋やばんそうこうなどを使い、爪を覆う。
(4)爪に子どもが気に入っている絵を描く。
(5)かまなかった爪があったり、かみ方がひどくなかったりした場合、褒めてみる。そのときに、優しい口調で視線を合わせ、子どもの手を包み込んだり、抱きしめたりしてあげると、安心・信頼の感覚を取り戻すことにもつながる。



■大人が爪をかむ場合

(1)爪を短く切る。
(2)安全な苦いマニキュアを塗る。
(3)手袋やばんそうこうなどを使い、爪を覆う。
(4)無意識でなければ深呼吸をするなど、呼吸に意識を向けてみる。
(5)母子関係、養育者との関係を見つめ直す。
(6)自分自身のどんな小さな行動でも認めて褒める。
(7)安全で安心できる環境を整える。



爪をかむことは、自分を傷つけるという自傷行為に該当しますが、自傷行為は、精神を安定させたいときや、自身をちゃんと見てほしいという思いが生じたときに起こりやすいといわれています。爪をかむことにより、爪の変形や炎症が見られたり、精神症状として気持ちの不安定さが見られたりする場合は、専門機関に相談する必要があります。.

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