654.知っておきたい日本の心!「和食」の基本マナー

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 知っておきたい日本の心!「和食」の基本マナー



伝統的な日本料理の形式
 食事のマナーには、料理を作ってくれる人やサービスを提供してくれる人、一緒に食卓を囲む人など、そこに関わるすべての人への感謝を表す意味があります。しかし、正しい箸(はし)や器の扱い方、振る舞い方の基本を知り、丁寧な動作を心がければ、さほど難しいものではありません。

本膳料理
 室町時代に形式が整い、日本料理で最も伝統的で格式が高いのが「本膳料理」です。本膳料理は器の配置から食べる順序に至るまで、細かい作法が決められています。現在は、結婚式などの儀礼的な場でわずかに残る程度で、「本膳」から「二の膳」「三の膳」…と続き、「五の膳」まで出るものが最も格が高いとされます。

懐石料理
 元々は、禅宗の僧が抹茶と一緒に取った質素な食事です。茶人・千利休が本膳料理の様式を取り入れて形を整えたとされており、1品ずつ提供されるのが特徴です。

会席料理
 宴会や会食など、お酒と一緒に楽しむコース形式の料理です。最初からすべての料理が配膳されている「本膳料理」式と、献立順に1品ずつ出てくる「懐石料理」式があります。「一汁三菜」が基本ですが、お店によって出る料理や順序は異なります。次のページからは、それぞれの料理とそのマナー/タブーを解説します。


会席料理の種類とマナー&タブー

 会席料理は、一汁三菜が基本ですが、お店によって出る料理や順序は異なります。一般的な料理の順序とそのマナー/タブーを解説します。

1.先付(さきづけ)
 前菜として提供される食事前の酒の肴(さかな)です。季節感のある小ぶりの料理が数種類並びます。小さな器は手に持って、大きな器は置いたまま食べます。

【マナーとタブー】

 箸の真ん中が紙で止められている場合(箸留め)、破って取るのではなく、箸をずらしてから引き抜くと美しく見えます。また、主客が箸をつけてから食べ始め、周囲の人たちと食事のスピードを合わせるのも心得の1つです。

2.お凌(おしのぎ)
 お酒を飲む前に空腹を少しだけ「凌ぐ」ためのもの。小さめのお寿司などが提供されることもあります。

【マナーとタブー】

 一口で食べ切れない場合は箸で小さく分けてから食べましょう。

3.吸い物
 すまし仕立ての汁物です。次の料理に移る前に口の中を一度すっきりさせる役割を果たします。

【マナーとタブー】

 左手で椀の縁を押さえながら、右手で蓋を時計回りに回しながら取り、水滴を椀に落とします。取った蓋は「内側を上」にして両手で静かに置きます。また、食べ終わったら元通りに蓋をします。裏返したり、食べ終わったサインとしてずらして置いたりすると表面を傷付けることになりかねません。提供された時とできるだけ同じ姿に戻すのが原則です。

4.向付(むこうづけ)
 いわゆるお刺身のことで、かつて懐石料理ではご飯とお椀の奥(向こう)に置かれたことからこう呼ばれています。

【マナーとタブー】

 白身など淡い色みのものから順にいただきましょう。添えられたワサビは醤油に溶いても構いませんが、刺身に直接載せた方がよりおいしく食べられます。穂紫蘇(ほじそ)がある時は片手で茎を持ち、箸で挟んで落とし、つまは刺身と交互に食べます。

5.焼き物
 旬の魚やエビなどを焼いた物で、会席料理のメインとなります。

【マナーとタブー】

 魚にそのまま噛みつくことはNG。切り身の場合でも必ず一口大にしてから口に入れましょう。
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尾頭付きの魚は左側(頭の方)から尾に向かって食べ始めます
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上身を食べ終えたら骨と身の間に箸を入れて骨を外します
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外した骨はお皿の向こう側に置いてから下身をいただきます
 なお、魚は裏返してはいけません。スダチなどが添えられている場合には、まずは一口食べてみて、魚の塩加減などに応じて適量を絞るとよいでしょう。隣の方に汁が飛ばないように片方の手で覆うことを忘れずに。

6.煮物
 素材を別々に炊いて盛り合わせることから「炊き合わせ」とも言われます。

【マナーとタブー】

 煮物(炊き合わせ)の小芋などを箸で突き刺すのはNGです。箸で一口大に切り分けてから持ち上げるか、汁がこぼれそうな時は懐紙や椀の蓋で受けながら食べます。

7.揚げ物
 エビやキスなどの魚介類や野菜の天ぷらが一般的です。

【マナーとタブー】

 盛り付けを崩さないように手前から順に食べると見た目も美しいです。お塩が添えられている場合、手でつまんで振りかけても問題ありません。ただし、口をつけたものを皿に戻すのは不作法です。一口で食べるのが難しければ、最初に切り分けてからいただきます。

8.蒸し物
 定番は茶碗蒸しや酒蒸しです。季節によってはかぶら蒸しなどが出されることもあります。

【マナーとタブー】

 器が熱い場合は、懐紙で包んで持ち上げます。茶碗蒸しの中身を探ったり、かき混ぜたりするのは見苦しいのでやめましょう。

9.酢の物
 食事前の口直しとして、酢の物などさっぱりしたものが提供されます。

【マナーとタブー】

 特になし。

10.止め椀・ご飯・香の物
 コースの締めくくりにご飯や香の物(漬物)、止め椀と呼ばれる汁物(みそ汁、お吸い物など)が出されます。ご飯は白米に限らず、炊き込みご飯やそばなどが出されることもあります。

【マナーとタブー】

 止め椀、ご飯が出てきたら、お酒を切り上げます。汁物、ご飯の順に手をつけ、ご飯が半分ほどになってから香の物をいただきます。ご飯をおかわりしたい時は、その旨を伝えても構いません。その時は、茶碗に一口分だけご飯を残しておくとサービス係が声をかけてくれます。

11.水菓子
 食事が終わった後の果物。和菓子と抹茶が出る場合もあります。

【マナーとタブー】

 原則として、和食は左から右に食べ進めるように配置されていますが、水菓子は「右側から」いただくのがマナーです。 会席料理は、お酒を楽しみながら食事を楽しめるように考えられたもの。とは言っても、飲みすぎてハメを外すのは避けたいもの。料理がさらにおいしく感じられるような適度な飲み方やお酒の知識を身につけましょう。


懐紙とは
 懐紙は日本料理の席で重宝する小道具の1つです。汁がこぼれそうな時に受けたり、熱い器をくるんで持ち上げたりするのに使います。また、汚れた杯や椀の縁をぬぐったり、口の中に残った小骨や果物の種を包んで持ち帰ったりする際にも便利です。

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