(1)問題
資料1は,過去約30年間の世界の企業の時価総額ランキングの変化を示しています(時価総額とは,「株価×発行済株式数」で求められ,時価総額が大きいほど.会社の価値が高いと評価されます)。あなたが教員になると,今からおよそ30年後の2050年代に社会人となる児童。生徒を指導することになります。この児童・生徒に,どのような力を身につけさせることが大切だと考えますか。またその力を養うために,学校でどのような取り組みを行いますかし資料1を参考に,希望する校種をふまえ,あなたの考えを具体的に述べなさい。合計600字以内でまとめること。
資料1 1989年と2021年における世界の企業の時価総額ランキング
左が1989年、右が2021年
(2)解答例
8 9年では上位20社のうち14社が日本企業で、ベスト5の中の4社が銀行である。この頃はバブル経済の最中であり、不動産業界が活況を呈し、こうした企業に融資した金融業の利潤が拡大した。2 0 2 1年では日本企業は上位から姿を消し、13社が米国企業となっている。その後のバブル崩壊を背景に30年後には上記の3行は消滅する。8 9年時点で就職活動をしてランキングにあるような大手銀行に入社しても、その後リストラに合った可能性も否定できない。したがって、2 0 2 1年現在時価総額上位にランキングしているからというだけの理由で、このような企業を目指すような教育を児童生徒に施すことには問題がある。
表をよく見ると、もう一つ気が付くことがある。8 9年にランクインしているエクソンやシェル、新日本製鐵などは資源・エネルギー産業であり、多くのCO2を排出し地球環境に大きな負荷を与えている。2 0 2 1年のランク6位のテスラはEV開発に貢献しており、気候変動といった課題解決に貢献している。
以上から30年後に社会人となる児童生徒に必要な力は先を見通す力と課題解決力である。S N Sが発展した現代、虚偽情報がネットに氾濫し、ネット詐欺やプライヴァシ―の流出など多くの課題が山積している。児童生徒には、メディアリテラシーを身に着けさせる教育を施すことが急務である。これにより、30年後のさらにデジタル技術が進んだ社会で生き残ることができる人材を私は育ててゆきたい。(600字)