【小林製薬紅麴問題を考える】小論文の書き方・考え方③

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(1)小林製薬紅麴食品公害の原因




前回に続いて、今回も小林製薬紅麴問題について深掘りしてゆきたい。



この食品公害事件は、まだ究明までに時間がかかると、小林製薬側から発表されていて、原因も特定されていない。



こういうわけで、これから書くことは推測の域を出ないことを初めに断っておく。



まず事件の概要にについては、新聞などのメディアで報道されているので、そちらを読んでください。



前回の記事でロイター通信の発表を引用したので、そちらも下に貼っておきます。

まず、今回の小林製薬が販売した紅麴コレスペルプ等のサプリ摂取による健康被害の原因としては、以下の2つの可能性が考えられる。



①紅麴コレスペルプの成分自体に原因があった。



②紅麴コレスペルプに原因物質が何らかの理由で混ざってしまった。



私はここまで考えた。



「東京経済」3月18日の松岡 かすみの記事によると、東京農業大学教授の前橋健二さんの意見として、



「今回の問題は、紅麹そのものを原材料とした健康食品を、長期間にわたって継続して摂取していたのか、あるいは製造過程で意図しない有害物質が生成または混入したことなどが問題ではないかと考えています」



とあった。

専門家も同じことを考えている。





(2)有害物質の由来




小林製薬によると、このサプリには想定されていない未知の成分が含まれていて、製造時期は2023年4月から10月、出荷時期は2023年7月から12月だとのこと。



この情報を信じるならば、サプリそのものに初めから問題があったわけではないと考えられる。



したがって、①「紅麴コレスペルプの成分自体に原因があった」の可能性は排除できる。



残るは②の可能性、前橋健二さんの言葉を借りると「製造過程で意図しない有害物質が生成または混入した」可能性が濃厚となる。



この②をさらに分析すると、「意図しない有害物質」の由来は、内部か外部かの二択である。



内部とは、この紅麹が突然変異や腐敗などを起こして有害物質を生成したという意味になる。



外部とは、製造過程でカビや雑菌、化学物質などが混入した可能性を示唆している。



ここで、私のなかで大いなる疑問が湧いてきた。



(3)湧き起こった疑念とHACCP(ハサップ)




その疑問とは。



2018年6月に食品衛生法が改正され、日本でも2020年6月1日より「HACCP導入の義務化」が始まった。



食品の製造過程の安全性に対する科学的な管理が厳格化されたばかりというのに、5人(3月10日現在)もの死者を出す事態に陥ったことが腑に落ちない。



小林製薬内で、HACCP(ハサップ)が厳密に行われずに管理体制がルーズであったのか。



それとも想定を超える事態が発生したのか。



そのいずれかが真相に近いと考えられるが、調査結果を待ちたい。



ここで、今回の事件を考える際に重要となるワードがHACCP(ハサップ)である。



HACCPを簡単に解説すると、これは食品の安全性を科学的に確保する食品衛生管理システムのことで、Hazard(危害)、Analysis(分析)、Critical(重要)、Control(管理)、Point(点)の略称になる。



その概要は、以下の流れで構成される。



①原料の入荷・受入れから製造工程、製品の出荷までのあらゆる工程で発生する恐れのあるハザード(危害要因)を予め分析する。



②この工程でどのような対策を立てればハザード(危害要因)を管理(消滅、許容レベルまで低減)できるかを検討し、その工程(重要管理点=CCP)を決定する。



③この重要管理点に対する管理基準や基準の測定法などを定め、測定した値を記録する。



④これを継続的に実施することで製品の安全を科学的に担保する。



ここでいうハザード(危害要因)とは健康に影響をもたらす可能性を持つ生物的、科学的、物理的な物質、要因、食品の状態のこと。



上記の説明はコーデックス委員会の定義を参照した。



※コーデックス委員会:FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)の合同機関。



(4)東京農業大学の受験生へ




東京農業大学や薬学部、栄養学部、食品関係学部の受験生は少なくともHACCPという言葉を覚えて、概要を理解し、小論文や面接で使えるようにしてもらいたい。



学校の教師や塾・予備校の講師はHACCPまで教えられることができる者は皆無である。



OK小論文では、HACCPの詳しい内容や要点もわかりやすく解説します。



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今回の紅麹問題も一緒に考えてゆきましょう。



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