小学生の子どもに、
「宿題はどうするの?」
「そろそろゲームを終わろう」
「明日の準備はできた?」
と声をかけたとき、
「うるさい」
「分かってる」
「今やろうと思ってた」
と強く返されることはありませんか。
言い方をやさしくしてみる。
命令にならないように気をつける。
選択肢を出してみる。
いろいろ試しているのに、結局また同じことでぶつかる。
そんな日が続くと、
「私の伝え方が悪いのかな」
「もう何を言っても無駄なのかな」
と感じてしまうこともあると思います。
けれど、一般的な声かけを試してもうまくいかないからといって、親の努力が足りないとは限りません。
声かけの言葉だけではなく、ぶつかるタイミングや、親子それぞれの受け取り方が影響している場合もあります。
1.何を言ったかより「いつ言ったか」を見る
同じ言葉でも、子どもの状態によって受け取り方は変わります。
たとえば、学校から帰ってきた直後。
子どもは家に着いていても、気持ちはまだ学校での出来事から切り替わっていないかもしれません。
空腹だったり、疲れていたり、友達との出来事を考えていたりすることもあります。
そのタイミングで、
「宿題は?」
「片づけて」
「明日の準備をして」
と続けて伝えられると、内容よりも「また言われた」と感じて反発することがあります。
この場合は、声かけの言葉を何度も変えるより、
・帰宅後、何分くらい休むか
・親が声をかける時刻
・一度に伝える内容
・子どもから予定を伝える方法
を決めるほうが役立つことがあります。
2.子どもが嫌なのは「やること」なのか「決められること」なのか
宿題を嫌がっているように見えても、実際には宿題そのものが嫌とは限りません。
「今やろうと思っていたのに言われた」
「自分で決めたかった」
「何度も確認されるのが嫌だった」
という場合もあります。
そんなときは、
「宿題が嫌? 今言われたことが嫌だった?」
と、短く確認してみます。
これは二つの答えから無理に選ばせるためではありません。
子どもが何に反発しているのかを、一緒に整理する入口です。
「自分で決めたかった」と分かった場合は、
「分かった。では、何時に始める予定か教えて」
と、必要なことは残しながら、方法を本人に考えてもらえます。
3.受け止めることと、許すことを分ける
反発する子どもへの対応で迷いやすいのが、どこまで気持ちを受け止めるかです。
「うるさい」と言われたときに、
「そう思ったんだね」
と返すだけでは、何を言ってもよいと認めることにならないか。
そう心配になる保護者もいると思います。
この場合は、気持ちと境界線を分けて伝える方法があります。
「何度も言われて腹が立ったんだね。そこは分かった」
「ただ、人を傷つける言い方は止めよう」
一人になりたいと言われた場合も、
「今は一人になりたいんだね」
「少し離れるのはいいよ。でも、物を投げるのは止めよう」
と伝えられます。
気持ちを否定しないことと、暴言や危険な行動まで受け入れることは別です。
家庭によって、整理するポイントは違います
同じ「宿題を始めない」という悩みでも、家庭によって状況は異なります。
帰宅直後に声をかけるとぶつかる
予定を聞くと監視されているように感じる
親が何度も確認しないと忘れてしまう
ゲームを終えるタイミングで衝突する
親子で約束の捉え方が違う
片方の親には反発し、もう片方には反発しない
そのため、誰かに合った声かけをそのまま使っても、自分の家庭ではうまくいかないことがあります。
声かけを考えるときは、言葉だけでなく、次の点も整理します。
どの場面でぶつかるか
ぶつかりやすい時間帯
親が何回、どの順番で伝えているか
子どもは何を嫌がっているか
親が譲れないことは何か
子どもと相談できることは何か
一般的な方法が合わなくても、親子の失敗ではありません
よいとされる声かけを試しても、すぐに変化が見られないことはあります。
それは、保護者の関わりが間違っているからとも、子どもに問題があるからとも限りません。
その家庭に合うタイミングや伝える順番が、まだ整理できていないだけかもしれません。
すべての声かけを一度に変える必要はありません。
まずは次にぶつかったとき、
「何を言ったか」だけではなく、
「いつ、どのような状態で伝えたか」
を一つ確認してみてください。
そこから、親子に合う伝え方が見つかることがあります。
一般的な声かけを試しても、
宿題やゲームのたびに同じ衝突になる
子どもの反発にどう返せばよいか迷う
親子で約束の受け取り方が違う
家庭に合う具体的な言葉を整理したい
という場合は、親子それぞれの傾向と、実際に困っている場面を一緒に整理する方法もあります。
「親子の伝わる声かけ個別設計」では、決まった声かけを当てはめるのではなく、生活の流れやぶつかりやすい場面を確認し、ご家庭で続けやすい伝え方を考えます。