私は写真を撮るのが好きでした。
風景を取るのが好きなのです。
なんだか、そこに永遠を見るような気持ちなのです。
昔、写真のHPを作っていました。
私はカメラマンになってみたいな。と、ちょっと淡い思いもありました。
散歩に行き、桜の花を見つけ、写真に撮っていたところ、後ろから声をかけられました。
「職業:カメラマン」のお姉さんです。
すぐに意気投合しました。
お姉さんはどんな仕事でも引き受けるそうです。
バレエの写真を撮るならバレエを習うそうです。一番の見せ場を知るために。
この前は飲食店の食事のカットを撮るのに、経験がないのに「あります」と言って仕事をもぎ取ったそうです。
素敵な方でした。
そして、私のカメラマンになってみたいと言う気持ちを組んで、その世界の厳しさも教えてくれました。
そのあと、「緑色の桜の花をこれから見に行く。すぐ近くである。一緒に来ないか」と誘って下さいました。
私は、ついて行きます。お願いします。と、お願いしました。
ウコン桜は素晴らしかったです。
お姉さんは必要な写真をきっちり撮り、最後に「がんばってねお姉さん」と現れた時と同じく印象的に去っていきました。
私は1人、近くのベンチに座ってしばらく緑の桜を眺めていました。
正直、カメラマンになるのは大変そうだな。と思いました。お姉さんごめんなさい。
でも、この緑の桜は、来年も見に来よう。そう思いました。
当時、実は一人暮らしをしていました。
翌年です。
緑の桜はやっぱり咲いていました。
私はまたベンチに座って眺めながら、こう考えました。
この桜の木は、この世に人間が1人もいなくなっても、ここで咲き続けるのだろう。
人間が春だと感じるために必要とする、カレンダーで区切るような暦を知らなくても、誰に言われなくても。
ずっと、そこで、毎年、咲き続けるのだろう。
この桜は、人間のために咲いているんじゃない。
ここに存在するんだ。
ずっと、ずっと。
そう思ったら、私は植物には敵わないな。と思いました。
それから実家に帰ってきました。
でも、一度だけ、またその場所に行って写真を撮りました。
あの緑の桜を写真に3回、納めました。
実はそれより近い場所に咲いていると知りました。
ただ、それは人さまの敷地なので、大々的に写真を撮る訳にはいきません。
それに、最近の私は写真を撮ることにはなんだか消極的です。
カメラを持っていると。
「ファインダー越しに見える素晴らしい世界」を探してしまうのです。
それは、目の前を眺めるのと、ちょっと違うのです。
まぁ、また写真が撮りたくなれば撮ります。
***
ポルトガルです。
海外旅行には何回か行きました。
あの時、旅行の時期がヨーロッパ旅行には適さず、選択肢があまりなかったのです。
オーロラを見るのは却下です。
あ、私は見てはみたいです。同行者が嫌みたいでした。
イギリス(キャンセル待ち)かポルトガル。
同行者の彼女が、イギリスには目立った反応を示さず、社交辞令(どうも、そうだったようです)で「ポルトガルいいですね」と旅行会社のカウンターで言ったのです。
私はそれを社交辞令だと気が付かず、「この子はポルトガルに行きたいのだ」とポルトガルに行こう! と言ってしまいました。
ポルトガル行きです。
旅行代理店にお願いをして帰り道、同行者の彼女はイギリスに個人的な思い入れがあったと知りました。
「イギリスのキャンセル待ちをお願いして、第2希望ポルトガル」
このパターンも選択できたのです。
私は戻って変更しようか? と言いました。
彼女はまぁ、いいんだ。と言いました。
そこら辺自分に問題があったと気が付いて欲しい物です。それが処世術のようですが。
どこでもよかったのです。日頃のすべてを忘れられれば。
たぶん彼女はその気持ちもあったのでしょう。
私はしまったなぁと思いながらも、仕方ありません。ポルトガルを満喫です。
いろんな写真を撮りました。
でも、今回投稿したのはあんな感じです。
伯母が海外旅行に行く、私は写真を撮る。と知って、お土産はいらないから、ひとつだけ。と言いました。
「そこに暮らしている人がどんな暮らしをしているのか」それがわかるような写真を撮ってきて欲しい。と。
街並みを、私は写真に収めました。裏路地、とかもっとあるのですが、省きました。
最後の2枚はユーラシア大陸最西端「ロカ岬」です。
海を撮った写真は海なので、あの写真にしました。
実はツアー料金に含まれていて、「最西端到達証明書」を貰ったのです。
これが、とっても素敵でした。
……。捨ててしまいました。
悩んだのです。手に取って眺め、その時を思い出しました。本当に悩みました。
でも、名前が書いてあります。
自分を殺すように掃除をしている私は、それだけが受け入れられず、破って捨ててしまいました。
そうではなかった。と、今ならわかります。
悩んだら保留にしてよかったのです。
どうして、ポルトガル旅行の写真を次の投稿に選んだのだろう? ちょっと不思議でした。
私は、最西端到達証明書を自分で破り捨ててゴミとして投げ入れてしまった自分を、「なんてことしてしまったのだろうか」と、もう責めなくていいと言われているのです。
だから最後に2枚、その写真をのせました。
私は、そこに、行ってきたのです。
ちなみに、旅行の日程表とか、チケットの半券とか、当時作ったフォトブックとか漏れなく捨てています。
ところで私はいつか、彼女をイギリスに連れて行きたいのです。
彼女が自分で行くならそれでもいいんですけど。
彼女は1人で海外旅行に行く子(ツアーに1人で参加できる私です。でも今ベジタリアンだから辛いかも?)ではないような気がするのです。
今は世の事情がありますが、いずれそんな機会が欲しいです。
***
ウコン桜の写真はまだあります。ほかの花の写真だっていっぱい。
風景の写真もまだまだあります。
それは、またいずれ。