なぜキャラクター設定にエニアグラムを取り入れるようになったか

なぜキャラクター設定にエニアグラムを取り入れるようになったか

記事
小説
最初にエニアグラムという言葉に出会ったのは、キャラクター創作のためではなく、もっと個人的な理由からでした。

自分自身がなぜこう考え、なぜこう行動してしまうのかを知りたくて調べ始めたのが、きっかけだったと記憶しています。

当時の私はまだ長編小説を書いていませんでしたが、後に複数の長編を書くようになってから、あるひとつの壁にずっとぶつかることになりました。

プロットは思い通りに組み上がるのに、キャラクターのセリフを書いていると、どこかで手が止まってしまう。

なぜこのキャラクターはここまで意固地になるのか、なぜこの場面でこう言い返すのか。

書いている自分自身が、納得できていないことに気づいたのです。

性格を「クールな人」「明るい人」というひと言で決めていた頃は、それで十分だと思っていました。

しかし物語が進むにつれて、そのひと言だけでは、キャラクターが同じ場所で足踏みを続けてしまうことに気づきました。

表面の性格だけを決めても、内側にある動機まで決めていなければ、キャラクターはどこまでいっても記号のままなのだと、何本も書き終えてから理解しました。

そんなときに、自分自身を理解するために学んでいたエニアグラムが、ふとキャラクターにも応用できるのではないかと思い至りました。

根源的な欲求と恐れという視点は、私自身の内側を説明するために使っていたものでしたが、それをそのままキャラクターに当て嵌めてみると、これまで動かなかったキャラクターが、急に自分の言葉で喋り始めるような感覚があったのです。

規律に厳しいキャラクターを書くとき、それが「正しくありたい」という欲求から来ているのか、それとも「安心を失いたくない」という恐れから来ているのかを先に決めておく。

それだけで、対立シーンのセリフや、追い詰められたときの反応が、以前よりずっと自然に出てくるようになりました。

書いていて迷う時間が減り、キャラクターが自分の意思で動いているように感じられる瞬間が増えていったのです。

私にとってエニアグラムは、占いのような当て嵌めの道具ではなく、キャラクターの内側に一本の筋を通すための地図でした。

自分自身を理解するために学んだものが、結果として自分の創作を支える柱になっていったのは、振り返ってみると不思議な巡り合わせだったように思います。

今も新しいキャラクターを作るとき、私は必ずこの視点から性格を組み立てるようにしています。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す