中小企業経営のための情報発信ブログ204:Have to とWant to

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
部下を厳しく「管理」することなく、それでも「圧倒的な成果」を上げ続けるために、リーダーには発想の転換が求められています。
リーダーだけでなく、多くのビジネスパーソンが、Have to(やらなければならないこと)にとらわれて、Want to(やりたいこと)ができないでいます。
1.「憧れ」や「貢献欲」の内側にもHave toは入り込む
 チームの成果を上げるためには、メンバーのモチベーションを高めることが重要ですが、外的要因のみでモチベーションを挙げるよりも内的要因でモチベーションを挙げることの方が大切です。
 メンバーを外的刺激によってではなく、内因的な原理によって内側から動かすためには、個々人のWant to(やりたいこと)の解像度を高めていく必要があります。しかし、いきなり「やりたいことは何か」と問いかけても、答えられるものではありませんし、何をやりたいのか分かっていないケースが多いのです。
 その人を縛り付けているHave to(やらねばならないこと)を一つひとつ明らかにして、それを捨てていくことで、個人の真のWant to(やりたいこと)が見えてくるのです。
 そうは言っても、Have to を見つけることも容易ではありません。それはHave toがWant toであるかのように装っているからです。
 例えば、「この人の役に立ちたい」という貢献欲や「この人のようになりたい」という憧れも、実はHave to と結びつきやすいのです。会社の上司に尊敬できる人がいて、「この人の役に立ちたい」「この人のようになりたい」というのは「認められたい」という承認欲求が潜んでいて、その人が転勤したり他の部署に異動した途端、「自分のやりたいこと」がわからなくなってしまいます。結局は目の前に残されているのは、「上司に認められたいからやるべきだと思い込んでいた仕事」だけということになるのです。
 また、「憧れ」も現実のゴールを設定する際の邪魔になってしまいます。「憧れ」だからと言ってその人になれるわけではありません。むしろ、「あの人のようになりたい」というWant toが「あの人のようにならなければ」というHave toになり、自分を縛り付けてしまうことにもなるのです。
   はっきり言えば、Have to(やらなければならないこと)など存在しないのです。やらなければならないことがあったとしても、拒絶することができるはずです。会社を好き勝手に休めば、クビになるかも知れません。法律を好き勝手に破れば罰を受けるでしょう。しかし、「ひどい目に遭うよりマシだ」と思うからこそ、「やらなければならないこと」と自分で選んで自制し行動しているのです。「やらなければならないこと」も自分で選んでいるのです。
 今の現実を選んだのはあなたです。違う現実を選ぶこともあなたはできるのです。あなたはあなたでいいのです。他の誰かになる必要はまったくありません。あなたが望む現実を選べばいいのです。want to(やりたいこと)をすればいいのです。
2.Want to(やりたいこと)がなければ前に進めない
 以前書いた「SF思考」も「自分がやりたいこと」を他人に伝わるように形式化する手段です。今の時代に正解と言えるものはありません。誰も先が見通せず、何が正解かわからないのです。だからこそ「何をやりたいか」という意思がなければ前に進めないのです。
 「自分は何のために働くのか」という意思が明確でないまま、上から降りてくる仕事だけをこなすというのでは、どんなに優秀な人でもリスクは取れませんし変化もできません。成長できないのです。
 先日書きました「パーパス経営」も、企業としての意志=存在意義を明確にして、従業員に腹落ちさせようというものです。従業員にパーパスを浸透させ、従業員がそれに共感できなければ、パーパス経営などできません。
 今の日本においては「何をやりたいのか」という意思が必要なのです。
 それでは、どのようにして、真のWant toを見つければいいのでしょうか。われわれの周りに存在する膨大なHave to を捨てて、自分の真のWant to に目覚めるには具体的にどうすればいいのでしょうか?
これには2つのステップがあります。
ステップ1 Have to を洗い出し、真のWant toに気づく
ステップ2 Have to を捨てることを決断し、その捨て方を考える
 Have to は自分の行為を決める際の「無意識の枠組み」になっています。したがって、自分がどんな「やらなければならない」ことに縛られているかをまず顕在化したうえで、自分の価値観を探索するのが望ましいのです。
 もう1つ重要なことが「決断が先、プロセスは後」ということです。Have toに気づいたら、それを手放していく必要があります。その時「どのように捨てるのか」というプロセスにこだわっていれば、いつまで経っても捨てることはできません。まずは捨てるという決断をして手放すことです。
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