皆さんは今週放送された「カズレーザーと学ぶ」をご覧になりましたか。
「カズレーザーと学ぶ」は私のブログでも何回か取り上げたことのある科学系バラエティ番組ですが、今回も非常に興味深かったですね。
テーマは遺伝で、まず行動遺伝学者安藤寿康氏が、性格、収入、学力、運動能力、病気など、どの程度遺伝の影響が強いかを明らかにすることができると話しました。
たとえば、指紋、身長、体重は、遺伝の影響が大きく、パーソナリティの色々な側面、同調性、真面目さ等、性格は60%程度遺伝の影響を受けており、それが行動に現れ、人生を左右するとのことです。
次に、大阪大学データビリティフロンティア機構特任講師山本奈津子氏がポリジェニックスコアについて説明しました。
ポリジェニックスコアとは、身長のような複数の遺伝子が関与する多遺伝子形質に対して用いられる、各個人の遺伝的に定義される形質を定量的に表した指標ですね。
山本氏によれば、ポリジェニックスコアによって受精卵の時点で、自分の才能を知り、人生を組み立てられるとのことです。
もちろん、このポリジェニックスコアの作成のためには、膨大な個人のデータを収集して、他人の遺伝的特徴と比較しなければいけません。
実際、イギリスや中国を始めとして、国民の身体的特徴、健康状態、学歴などの遺伝子データを収集保管するための「バイオバンク」と呼ばれる組織が世界各国に存在しています。
これらの莫大で詳細な情報と、遺伝子データを照らし合わせて分析すれば、こういう才能がある人は、こんな遺伝子的特徴があるといったことを割り出すことができるとのことです。
理論的にはデータがあればどんな能力も計測可能とされています。
そして、今一番注目されているのが、医療、健康の分野で、例えば、ガンになった人とそうでない人の遺伝子的特徴を比較することで、ガンのポリジェニックスコアを算出することができるようになっていて、乳がん等ガンごとに色々な研究がされています。
またアルツハイマーを発症する可能性のある遺伝的特徴、さらにどの年代で発祥したかというデータを細かく分析した結果、ポリジェニックスコアが高い人は、65歳くらいから認知症を発症する可能性が上がり始めて、80歳になると10%ぐらいの可能性があるということが分かっています。
と、ここまで読んできて、皆さんはどう思われましたか。
こういった医療方面におけるポリジェニックスコアの利用は結構なことだと思います。
しかし、ポリジェニックスコアによって、受精卵の時点から自分の才能を知り、人生を組み立てられるとのことですが、そうなると、自分の子供の受精卵のポリジェニックスコアを作成し、その才能を見て、将来を決めようとする人間が必ず出てくるでしょう。
番組でも出演者は、子供に何か才能があることがわかるのなら、その道を歩ませればいいなんて能天気なことを言っていましたが、親のエゴ丸出しで笑ってしまいました。
子供は親の虚栄心を満足させるために生きているのではありません。
彼らには彼らの道があり、自らの将来は自分で決めるべきなのです。
もちろん才能がある道に進んで大成功するのはいいことでしょうが、世の中には才能がなくても好きなことに打ち込んで幸せな人は沢山います。
さらに、アメリカのLife Viewという会社ですでに提供しているサービスですが、体外受精の受精卵を複数作り、ガンのリスクの少ないものを母体に戻すなんてことをしています。
これは非常に危険な考え方です。
私はキリスト教徒ではないので、神の領域を侵しているといったことはいいませんが、これは明らかに「優生思想」に繋がっています。
「優生思想」とは簡単にいうと、命に優劣をつけ選別することです。
これが極端に進むと、戦時下のドイツで行われたような、障害のある人に対する強制的な不妊手術や、計画的な大量殺りくに行き着きます。
受精卵選択には、恐らくアメリカで倫理的な面からの反対運動が起きるでしょうし、日本でもそれほど広がらないと思います。
いずれにしても、このリスクを十分に踏まえて、少なくとも議論と検討が十分な行われないかぎり、この技術をむやみに称賛し、開発を奨励するのは止めた方がいいでしょう。
では
皆さんは今週放送された「カズレーザーと学ぶ」をご覧になりましたか。
「カズレーザーと学ぶ」は私のブログでも何回か取り上げたことのある科学系バラエティ番組ですが、今回も非常に興味深かったですね。
テーマは遺伝で、まず行動遺伝学者安藤寿康氏が、性格、収入、学力、運動能力、病気など、どの程度遺伝の影響が強いかを明らかにすることができると話しました。
たとえば、指紋、身長、体重は、遺伝の影響が大きく、パーソナリティの色々な側面、同調性、真面目さ等、性格は60%程度遺伝の影響を受けており、それが行動に現れ、人生を左右するとのことです。
次に、大阪大学データビリティフロンティア機構特任講師山本奈津子氏がポリジェニックスコアについて説明しました。
ポリジェニックスコアとは、身長のような複数の遺伝子が関与する多遺伝子形質に対して用いられる、各個人の遺伝的に定義される形質を定量的に表した指標ですね。
山本氏によれば、ポリジェニックスコアによって受精卵の時点で、自分の才能を知り、人生を組み立てられるとのことです。
もちろん、このポリジェニックスコアの作成のためには、膨大な個人のデータを収集して、他人の遺伝的特徴と比較しなければいけません。
実際、イギリスや中国を始めとして、国民の身体的特徴、健康状態、学歴などの遺伝子データを収集保管するための「バイオバンク」と呼ばれる組織が世界各国に存在しています。
これらの莫大で詳細な情報と、遺伝子データを照らし合わせて分析すれば、こういう才能がある人は、こんな遺伝子的特徴があるといったことを割り出すことができるとのことです。
理論的にはデータがあればどんな能力も計測可能とされています。
そして、今一番注目されているのが、医療、健康の分野で、例えば、ガンになった人とそうでない人の遺伝子的特徴を比較することで、ガンのポリジェニックスコアを算出することができるようになっていて、乳がん等ガンごとに色々な研究がされています。
またアルツハイマーを発症する可能性のある遺伝的特徴、さらにどの年代で発祥したかというデータを細かく分析した結果、ポリジェニックスコアが高い人は、65歳くらいから認知症を発症する可能性が上がり始めて、80歳になると10%ぐらいの可能性があるということが分かっています。
と、ここまで読んできて、皆さんはどう思われましたか。
こういった医療方面におけるポリジェニックスコアの利用は結構なことだと思います。
しかし、ポリジェニックスコアによって、受精卵の時点から自分の才能を知り、人生を組み立てられるとのことですが、そうなると、自分の子供の受精卵のポリジェニックスコアを作成し、その才能を見て、将来を決めようとする人間が必ず出てくるでしょう。
番組でも出演者は、子供に何か才能があることがわかるのなら、その道を歩ませればいいなんて能天気なことを言っていましたが、親のエゴ丸出しで笑ってしまいました。
子供は親の虚栄心を満足させるために生きているのではありません。
彼らには彼らの道があり、自らの将来は自分で決めるべきなのです。
もちろん才能がある道に進んで大成功するのはいいことでしょうが、世の中には才能がなくても好きなことに打ち込んで幸せな人は沢山います。
さらに、アメリカのLife Viewという会社ですでに提供しているサービスですが、体外受精の受精卵を複数作り、ガンのリスクの少ないものを母体に戻すなんてことをしています。
これは非常に危険な考え方です。
私はキリスト教徒ではないので、神の領域を侵しているといったことはいいませんが、これは明らかに「優生思想」に繋がっています。
「優生思想」とは簡単にいうと、命に優劣をつけ選別することです。
これが極端に進むと、戦時下のドイツで行われたような、障害のある人に対する強制的な不妊手術や、計画的な大量殺りくに行き着きます。
受精卵選択には、恐らくアメリカで倫理的な面からの反対運動が起きるでしょうし、日本でもそれほど広がらないと思います。
いずれにしても、このリスクを十分に踏まえて、少なくとも議論と検討が十分な行われないかぎり、この技術をむやみに称賛し、開発を奨励するのは止めた方がいいでしょう。
では