【第1回】上司に「親の介護で退職を考えています」と伝える前に

【第1回】上司に「親の介護で退職を考えています」と伝える前に

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「親の介護が始まって、今の仕事を続けられるか分からない...」

「会社に迷惑をかけるくらいなら、自分が辞めた方がいいのだろうか...」

もし今、あなたがそんな気持ちを抱えているなら、少しだけ考えていただきたいことがあります。

本当に、仕事を辞めるしか方法はないのでしょうか?

親の介護は、ある日突然始まることがあります。

昨日まで元気だった親が倒れ、入院する。
退院後は、これまでどおりの生活が難しくなる。

そして、仕事と介護の間で悩む日々が始まります。

今回は、介護離職を決断する前に、ぜひ知っておいていただきたいことをお伝えします。

1.「親のために仕事を辞める」という決断は、本当に最善でしょうか?

親の介護が必要になると、多くの方が責任を感じます。

「自分が面倒を見なければ」

「兄弟姉妹には頼れない」

「会社にこれ以上迷惑をかけられない」

そう考えることは、決して不自然ではありません。

しかし、介護は数か月で終わるとは限りません。何年も続くこともあります。

仕事を辞めれば、介護に使える時間は増えるかもしれません。

一方で、毎月の収入がなくなることや、社会とのつながりが減ること、再就職が難しくなることも考えられます。

さらに、介護に専念することで、かえって精神的・身体的な負担が大きくなる場合もあります。

親の人生を大切にすることと、自分自身の人生を大切にすることは、決して矛盾するものではありません。

まずは、そのことを忘れないでいただきたいと思います。

2.上司に「退職したい」と伝える前に、相談してほしいこと

仕事と介護の両立が難しくなると、上司に「退職を考えています」と伝えたくなるかもしれません。

しかし、私がお勧めしたいのは、まず「退職の相談」ではなく、「仕事を続けるための相談」をすることです。

例えば、次のような伝え方はいかがでしょうか。

「親の介護が必要になり、今後の働き方について不安を感じています。できれば仕事を続けたいと考えていますので、利用できる制度や働き方について、一度ご相談させていただけませんか?」

このように伝えることで、上司や人事担当者と一緒に解決策を考えるきっかけが生まれます。

もちろん、職場の状況によって対応は異なるでしょう。

それでも、最初から退職を前提にする必要はありません。

3.仕事と介護を両立するための制度を知っていますか?

日本には、仕事と介護の両立を支援する制度があります。

例えば、次のようなものです。

①介護休業:対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割取得できる制度

②介護休暇:通院の付き添いや介護サービスの手続きなどで利用できる休暇制度

③短時間勤務等の措置:勤務時間を調整するために会社が設ける制度


④所定外労働の制限:一定の要件のもとで残業の免除を請求できる制度

これらには、それぞれ利用条件があります。

また、2025年4月からは、介護に直面したことを申し出た従業員に対して、会社が介護休業などの制度を個別に周知し、利用意向を確認することが義務化されました。

つまり、介護が始まったことを職場に伝えることは、制度を知り、利用を検討するための重要な第一歩にもなるのです。

制度を知らないまま退職を決めてしまうのは、非常にもったいないことだと思います。

 4.介護離職を決断する前に整理したい3つのこと

では、実際に何から始めればよいのでしょうか?

私は、まず次の3つを整理することをお勧めしています。

① 現在の介護状況を整理する
親はどの程度の介護が必要なのか。
介護認定は受けているのか。利用できる介護サービスはあるのか。
まだ分からないことがあれば、それも含めて整理しましょう。

② 仕事を続けるための条件を考える
勤務時間を変更できれば続けられるのか。
一定期間休業すれば介護体制を整えられるのか。
家族の協力や外部サービスの利用によって負担を減らせるのか。

「辞めるか、辞めないか」の前に、働き続けるために必要な条件を考えてみましょう。

③ 退職した場合の生活を想像する
退職後の生活費はどうするのか。
自分自身の老後資金に影響はないか。
介護が落ち着いた後、再び働くことはできるのか。

目先の介護だけでなく、5年後、10年後の自分自身の人生にも目を向けることが大切です。

5.私自身も、親の介護で「想定外」を経験しました

私自身、父母の介護を経験してきました。
介護は、事前に考えていたとおりには進まないものです。

退院できることになっても、それまでの生活に戻れるとは限りません。

医療的な対応が必要になったり、施設への入所を検討しなければならなくなったりすることもあります。

私も家族として、そのような状況に直面してきました。

そして、介護の問題は、決して介護だけの問題ではないことを実感しました。

仕事、お金、家族関係、自分自身の健康、そして今後の人生。

さまざまな問題が複雑に絡み合っています。

だからこそ、一人で抱え込み、結論を急ぐことは避けていただきたいのです。

 6.仕事を辞めないことが、必ずしも正解ではありません

私は、どんな場合でも仕事を続けるべきだとは考えていません。

家庭の事情や健康状態などによっては、退職や転職が必要な場合もあるでしょう。

ただし、大切なのは、利用できる制度や支援、働き方の選択肢を確認したうえで、自分自身が納得して決断することです。

親の介護を大切にする。

同時に、自分自身のこれからの人生も大切にする。

その両方を諦めずに考えていただきたいと思っています。

7.介護離職を決断する前に、一度ご相談ください

私は国家資格キャリアコンサルタントとして、これまで5,200人以上のキャリア形成や就労支援に携わってきました。

また、自身の家族介護経験もあります。

現在、ココナラでは、親の介護と仕事の両立に悩む方に向けた60分のビデオ相談を行っています。

相談では、現在の介護状況や仕事の悩みを伺いながら、

- 今、何が一番の負担になっているのか
- 仕事を続けるために、どのような選択肢があるのか
- 誰に、何を相談すればよいのか
- これから何を優先して行動すればよいのか

といったことを一緒に整理していきます。

退職を勧める相談でも、無理に仕事を続けるよう説得する相談でもありません。

あなた自身が、納得できる判断をするための相談です。

「介護離職が頭をよぎったら、退職届を出す前に一度相談する」
そんな選択肢があることを、ぜひ覚えておいてください。

一人で抱え込まず、まずは今の状況を一緒に整理するところから始めませんか?

【次回予告】
第2回「親の退院が突然決まった!仕事を休む前に確認したいこと」

病院から突然「退院できます」と言われたら、あなたはどうしますか?

次回は、親の退院に直面したとき、仕事を続けながら介護体制を整えるために確認したいことをお伝えします。


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