つい先日、散歩のルートを少し変えてみたところ、
美しいバラが民家の塀沿いに咲いていることに氣がつきました。
白いバラで中央がややピンクがかっている、もう盛りをちょっと過ぎたかな、というくらいのバラでございます。
何の変哲もない風景なのに、なぜかそこだけ妙に目を引いて、
しばらく立ち止まって見てしまいました。
さて、霊視師として最も難しいのは、依頼者の方が聞きたいことと、視えたことが異なるときでございます。
その方は、半年ほど片思いを続けていらっしゃるお相手のことをお尋ねになりました。「彼はどう思っているか」「脈はあるか」——率直なご質問でございました。
縁氣霊視を開き、三層構造で読み解いていきます。
まず意識の表層。お相手の言葉や態度の裏側を視ます。
気にかけている氣配がある。次に感情の中層。
言葉にできない想いを視ます。
なんとなく心地よいが、踏み込もうとしていない。
そして魂の深層。本当の本音、前世からの縁の痕跡を視ます。
そこで視えたのは、静かな諦めの氣でございました。
悪い感情ではありません。ただ「自分には縁のないことだ」という、
長い時間をかけて積み重なったような、あきらめの層が、深いところに横たわっておりました。
私はしばらく、その映像を見つめておりました。
依頼者の方に告げるべきかどうかではなく、どのようにお伝えすれば、この方にとって意味のある言葉になるかを、考えておりました。
視えたままを、静かにお伝えする。それが白縁堂の鑑定でございます。良い知らせを作ることはいたしません。
お伝えした内容はこうでございました。
表層と中層には氣配がある。けれど魂の深層には、
彼自身が気づかないまま積み重ねてきた「あきらめの層」があり、
それが縁の通り道を塞いでいる。
彼が動かないのはあなたへの関心がないからではなく、自らの奥深くにある思い込みが行動を止めているように視える、と。
依頼者の方は、しばらく沈黙された後、こう返してくださいました。
「何人かに視てもらったけれど、誰もそこまで言ってくれなかった。
でもなんとなく、そうかもしれないとずっと感じていました」
腑に落ちた、という言葉が何より重い。
当たる・外れるではなく、視えたことが依頼者の方の実感と静かに重なる。
それが縁氣霊視の目指す場所でございます。
その後、その方は霊脈ヒーリングをお選びになりました。
彼の深層の澱みを祓うのではなく、ご自身の縁の氣を整えることから始めましょう、というご提案をさせていただいた結果でございます。
縁は一人では動きません。ご自身の氣が整うことで、
初めて相手の氣も動きやすくなります。
くくり