ある依頼者の方のことを、ここにお伝えしてもよいかと存じます。
個人を特定する情報は伏せておりますが、
同じような状況にある方の参考になれば、と思いお書きいたします。
その方は、三年間連絡が途絶えたお相手との復縁を望んでいらっしゃいました。別れてから一度も連絡がなく、周囲からも「もう忘れなさい」と言われ続けていたと、最初のご依頼文に綴られておりました。
霊視を開いた瞬間、二人の縁の氣の状態が視えました。縁そのものは消えておりませんでした。ただ、縁の通り道に、分厚い澱みがございました。それは恨みや憎しみではなく、どちらかといえば「傷ついたから近づきたくない」という種類の、痛みの残滓のようなものでございました。
霊視で視えたのは、二人の縁の糸が途中で絡まっている状態でした。
切れてはいない。ただ、絡まりが固まって、
互いの氣が行き来できない状態になっていた。
お相手の魂の深層には、依頼者の方への氣配がまだ残っておりました。
それが「まだ縁がある」という感触として視えておりました。
私はまず霊脈ヒーリングをお勧めいたしました。
縁結びの前に、縁ほどきが必要でございます。
絡まった糸は、引っ張れば切れます。
白山の霊脈の力を借りて、氣の澱みをそっとほどくところから始めました。
施術から二十日ほどが経った頃でございます。
依頼者の方から、短いご報告がございました。
「昨夜、彼から突然メッセージが来ました。朔日の夜に。何年ぶりかの言葉でした」
朔日、すなわち月の始まりの日。氣の流れが新たに切り替わるそのタイミングに、彼が動いた。それは偶然ではなく、縁の通り道が開いたことで、本来あるべき氣の流れが戻り始めた結果だと私は感じております。
縁を無理に引き寄せることは、私はいたしません。相手の意志に反して縁を動かすことは、霊脈の本来の在り方に反します。ただ、澱んでいたものを祓い、本来流れるべき氣の道を整える。その結果として、縁が自然に動き出す——それが霊脈ヒーリングのお役目でございます。
あの依頼者の方が今どうされているかは存じません。けれど、朔日の夜に届いたという一通の言葉を、私はまだ静かに覚えております。
くくり