「何か質問ある?」と上司や先輩から聞かれたとき、胸がギュッと締め付けられるような気持ちになったことはありませんか。
本当は頭の中がパニックで、何から聞いていいのかすら分からない状態だったり、分からないことだらけで途方に暮れていたりするのに。
「そんなことも分からないの?と思われるのが怖い」「こんな初歩的な質問をしたら、仕事ができない人だと呆れられるかもしれない」「忙しそうな上司の時間を奪って嫌われたくない」
そんな不安や恐怖が頭を駆け巡って、気づいたときには反射的に「特にありません」と答えてしまっている。
そして後になって、「また言えなかった…」「なんであのとき聞けなかったんだろう」と、一人で自分を責めて落ち込んでしまう。
まずあなたにお伝えしたいのは、そんな風に悩んでしまうあなたは、決して仕事ができない人でも、ダメな人でもないということです。
むしろ、周囲の様子をよく観察できていて、相手の都合や気持ちを深く思いやることができる、とても優しくて誠実な人なんだと僕は思います。
自分の発言が相手にどう影響するかを真剣に考えているからこそ、一歩を踏み出すのに勇気がいって、慎重になってしまうんですよね。
でも、本当は質問したいのに言えない状態が続くと、心にはどんどんストレスが溜まっていきますし、仕事の不安も膨らんでいってしまいます。
では、どうして「分からない」と言うのがこんなにも怖くなってしまうのでしょうか。
その背景には、「完璧でいなければならない」「相手の期待に応えなければ捨てられてしまうのではないか」という、心の奥底にある小さな怯えが隠れていることが多いのです。
幼い頃から「良い子」でいようと頑張ってきた人ほど、人に頼ることや自分の弱みを見せることが苦手になりやすい傾向があります。
「質問すること=自分の無知や無能を晒すこと」だと、無意識のうちに思い込んでしまっているのかもしれませんね。
けれど、少しだけ視点を変えてみてください。
上司や先輩が「何か質問ある?」と聞くのは、あなたのことをテストして試しているわけではありません。
純粋に「スムーズに仕事が進むようにサポートしたい」「どこまで理解できたかを確認して手助けしたい」という優しさや業務上の確認から声をかけてくれていることがほとんどです。
そして、教える側に立ってみると分かりますが、何でも「はい、分かりました」と言われるよりも、「ここまでは理解できたのですが、この部分が少し不安です」と質問してもらった方が、実は安心するものなのです。
質問をしてくれるということは、それだけ真剣に仕事に向き合おうとしてくれている証拠でもありますからね。
それでも、いざその場になると頭が真っ白になってうまく言葉が出てこない…ということもありますよね。
そんなときは、無理にその場で完璧な質問をしようとしなくても大丈夫です。
まずは「一度自分の中で整理してから、後ほど確認させていただいてもよろしいですか?」と伝えてみるのはいかがでしょうか。
これなら、その場でプレッシャーを感じながら焦って質問を探す必要はありませんし、後からゆっくりノートや資料を見返して、自分のペースで質問をまとめることができます。
また、質問するときの言葉遣いに工夫をつけてみるのもおすすめです。
いきなり「分かりません」と言うのが怖ければ、「〜という認識で合っていますでしょうか?」とか、「ここまでは理解できたのですが、この次の手順について確認させてください」という聞き方にしてみてください。
自分の理解した部分をセットにして伝えることで、「ちゃんと話を聞いて理解しようとしている姿勢」が相手にもしっかり伝わります。
そうすれば、「仕事ができないと思われるんじゃないか」という不安もずいぶんと和らぐはずですよ。
「分からない」と言えることは、決して恥ずかしいことでも、弱さでもありません。
それは自分自身を大切にし、仕事をより良く進めるための大切なコミュニケーションであり、自己開示の一歩です。
小さな疑問を一つずつ解消していく経験を重ねていけば、少しずつ「質問しても大丈夫なんだ」という安心感が心の中に育っていきます。
焦る必要はまったくありません。
まずは今日、ほんの少しだけ勇気を出して、自分の素直な気持ちを声にしてみませんか。
あなたが自分を責めることなく、もっと軽やかな気持ちで毎日を過ごせるようになることを、心理カウンセラーとして心から応援しています。