職場の上司から理不尽な指示を受けたとき、怒りや悔しさを通り越して、反論するエネルギーすら惜しくなってしまうことってありますよね。
言い返したところで何も変わらないかもしれないし、余計に面倒なことになるかもしれない。
そう考えて、ただ「はい、わかりました」と感情を押し殺し、言われた通りに動くロボットのようになってしまう。
そして後から、「なんで自分はこんな風にしか振る舞えないんだろう」「また自分の心を裏切ってしまった」と、嫌気が差してしまうこともあるのではないでしょうか。
これまで、恋愛や人間関係、仕事の悩み、将来への不安など、たくさんの方の心に触れさせていただく中で、こうした「心を殺してやり過ごすしかない苦しさ」を抱えている方にたくさん出会ってきました。
心理カウンセラーとして、最初にお伝えしたいことがあります。
それは、あなたがロボットのようになってしまったのは、決してあなたが弱いからでも、意志が薄いからでもないということです。
理不尽な状況の中で、これ以上自分の心が傷つかないように守るための、一種の防衛本能だったのだと思います。
エネルギーを消耗し尽くさないために、脳と心が選んだ精一杯の選択が「感情を無にする」ということだったのかもしれません。
だからこそ、まずは「心を殺して従うしかなかった自分」を責めないでいてあげてほしいのです。
自分の身を守るために、あの瞬間のあなたは一生懸命だったはずだからです。
でも、本当はすごく悔しかったですよね。悲しかったですよね。
その「嫌気が差す」という感情自体が、あなたの心がまだ死んでいない証拠であり、「もっと自分を大切にしたい」という心の奥からのSOSでもあります。
もし次に同じような場面に遭遇したら、心の中で小さな「嘘つきステップ」を踏んでみてください。
表面上は「はい、わかりました」と穏やかに言いつつも、心の中では「私はあなたの理不尽さに同意したわけではなく、ただこの場のやり取りをスムーズに終わらせるための演技をしているだけ」と割り切ってみるのです。
会社でのあなたは、あくまで「お仕事という舞台を演じている役者さん」のようなもの。
嫌な指示を受け入れるのはあなたの本心ではなく、舞台上の演技に過ぎません。
そう思うだけでも、心と仕事の間に少しだけ隙間ができて、自分を守りやすくなります。
そして仕事を終えたら、どうかロボットから「本来の優しいあなた」に戻る時間をしっかりとつくってあげてください。
美味しいものを食べたり、好きな音楽を聴いたり、ただただぼーっと過ごしたり。
「今日もよく自分を守り抜いたね」と、自分自身に温かい言葉をかけてあげてくださいね。
あなたの心は、理不尽な誰かのために擦り減らしていいものではありません。
完璧に対応できなくても大丈夫。少しずつ、自分の心に優しい選択を重ねていきましょう。