「商品には自信があるのに、なぜか思ったほど売れない」
アパレルECでは、この状態が長く続いていても、原因が商品そのものではなく商品ページのわずかな設計差にあることが少なくありません。
たとえば、
• サイズ表はあるのに購入につながらない
・色違いが伝わりにくく迷われる
• スマホでは見づらく、途中で離脱される
• 写真は揃っていても着用イメージが弱い
こうした小さな積み重ねが、売上に大きく影響します。
アパレルといっても、洋服、帽子、バッグ、ジュエリー、靴など商材によって見せるべき情報は異なりますが、「ユーザーがどこで迷い、どこで購入をやめるか」には共通する傾向があります。
今回は、実際に対応した帽子ブランドのShopify改善事例をもとに、売上・離脱率・見やすさに影響した具体的なカスタマイズをご紹介します。
帽子は特に、サイズ感・深さ・シルエット・着用時の印象など、オンラインでは伝えづらい要素が多い商材ですが、その改善の考え方はアパレル全体、さらには他ジャンルのECにも応用できます。
「自社の商品ページにも同じことが起きていないか」
そんな視点で見ていただくと、小さな改善ポイントが見えてくるかもしれません。
ECで離脱が起きやすい理由
帽子は、商品そのものの品質や企画が良くても、「サイトでの見せ方」がボトルネックになりやすいカテゴリです。
アパレルの中でも帽子は特殊で、
・サイズが数字だけでは伝わらない(M/Lと書いてあっても頭の大きさは人それぞれ。そもそも自分に合ったサイズを把握されていない方も多い)
・色が画面上で区別しにくい(黒・ネイビー・チャコールは要注意)
・着用感が想像しづらい(深さ・ツバの長さなど、写真1枚では伝わらない)・スマホで操作しにくい(モバイルの離脱率が高くなりがち)
こうした課題が積み重なって、「商品は気になったけど買わなかった(買えなかった)」という離脱が生まれ、また購入されてもサイズが合わなかったことから返品にも多く繋がってしまいます。
事例① サイズ選びで迷わせない改善
帽子の商品ページでは、「M / L」だけが記載されているケースをよく見かけます。
ただ、帽子はブランドごとにサイズ基準が異なり、同じMでもフィット感が変わるため、それだけでは判断しづらいことがあります。
さらにサイズ表記は、
• M / L
• 頭囲cm
• inch(インチ)
など、ブランドによって異なります。
たとえばストリートブランドで有名なNew Era(ニューエラ)では、7 1/4 や 7 3/8 などインチ表記が一般的ですが、普段インチに慣れていない人には分かりづらく、購入時の迷いにつながります。
そのため実際の改善では、
• M = 57〜58cm のように頭囲cmを追加
• ツバの長さも記載
といった情報を整理しました。
また、サイズ表への導線は別ページではなく、サイズ選択のすぐ下に「サイズ表を見る」を設置し、モーダル(ポップアップ)で確認できる形に変更。
この一点変更しただけでも、購入途中の離脱が大きく減りました。
帽子は数cm違うだけで被り心地や見た目が大きく変わるため、サイズ情報を丁寧に見せること自体がお客さんの安心感につながります。
事例② カラー展開が伝わるスウォッチ表示
アパレルのカラー展開では「ブラック・ネイビー・チャコール・ホワイト」などが並ぶことが多いですが、文字だけでは厳密な色の違いが伝わりません。
「ネイビーとチャコールってどう違うの?」という疑問から、実際に見て商品を買おうと購入ページを離れるユーザーは少なくありません。
また、そうしたお客さんが実際に店舗に来てくれるのは限りなく低かったりします。
対応した改善内容:
・スウォッチ表示への切り替え(カラーボタンにサムネイルを表示)
・色名と補足説明を併記(例:チャコール = グレーがかったダークトーン)
・スウォッチ選択と商品画像を連動させる(色を選んだら画像も切り替わる)
特に類似色が複数ある場合、スウォッチ表示は視覚的な判断を助けます。ただし、スウォッチの色がモニターや素材によって実際と異なる場合があるため、「実際の色は若干異なる場合があります」といった一文を添えるのも誠実な対応です。
また、商品画像を掲載する前に画像編集で補正を行い、実際の色に調整してあげることがとても重要です。
事例③ 商品画像の順番と枚数の最適化
帽子の商品ページで一番もったいないのが「正面アングル1枚しかない」パターンです。帽子は角度によって印象が大きく変わるため、写真の順番と構成そのものが購入判断に直結します。
推奨している画像構成:
1.正面(形・シルエットが伝わるメインカット)
2.側面(ツバの長さ・深さが伝わる)
3.後ろ(調整バックルやデザインの確認)4.着用画像(サイズ感・雰囲気の安心感)5.内側タグ(素材・洗濯表示の確認)6.ツバ裏(裏地の色・刺繍・ロゴなど細部の確認)
物撮りの視点でいえば、帽子の正面撮影は歪みが出やすいため、カメラアングルと距離には気を使う必要があります。高さ感やツバのカーブは、少し斜め上からのアングルで伝わりやすくなります。
また、スタジオ撮影と着用写真を組み合わせることで、ブランドのトーンを保ちながら着用感も伝えられます。
事例④ スマホでの購入導線を整える
帽子ECはスマホからのアクセスが多い一方で、PC中心のまま作られた商品ページがそのまま使われているケースは少なくありません。
サイト制作はパソコンで進めることが多いため、
• スマホでは文字が小さい
• 必要な情報が見つけにくい
• 購入ボタンが下までスクロールしないと出てこない
といった状態に気づかないまま公開されていることがあります。
特にShopifyはテンプレートのまま使っているサイトも多く、商材に合わせた調整をしないとスマホでの離脱につながりやすくなります。
アパレルはサイズ確認や着用イメージが重要な商材ほど、スマホで迷わせない設計が購入率に直結します。
対応した改善:
・カートボタンを画面下部に固定表示(スクロールしても常にアクセスできる)
・商品説明のテキストを短文
・箇条書きに整理(読まれやすくする)
・バリアント選択(サイズ・カラー)をタップしやすいサイズに調整
・CTAボタン(カートに入れる)のサイズと配色を目立たせる
スマホでのフォームやバリアント選択のUXは、Shopifyのテーマカスタマイズや軽微なコード修正で対応できることが多く、費用対効果の高い改善です。
事例⑤ 在庫切れ商品の離脱を減らす対策
人気カラーや定番サイズは在庫切れになりやすく、その状態で「売り切れ」と表示されたまま放置されているページも多く見かけます。これは当然、機会損失につながります。
対応した改善:
・再入荷通知の設置(メールアドレスを登録してもらい、入荷時に通知)
・類似商品
・関連商品のレコメンド表示(「こちらもおすすめ」の導線)
・在庫ありカラーを優先表示する並び順の調整
再入荷通知はShopifyのアプリ(Back in Stock等)で比較的簡単に導入でき、リスト取得とリピート購入の両方に効きます。
また、在庫切れ商品のページをすぐに非表示にするのではなく、通知登録ページとして活用するほうが長期的には有効です。
帽子ブランドで行った改善ポイントまとめ
帽子ECで繰り返し登場する課題と、その対応の方向性を整理します。
【課題】⇒ 【改善の方向】
サイズが伝わらない ⇒ cm表記+サイズ表モーダル
色が区別しにくい ⇒ スウォッチ+色名補足
着用感が想像できない ⇒ 着用画像の追加・順番整理
スマホで操作しにくい ⇒ CTA固定・情報整理
在庫切れで離脱 ⇒ 再入荷通知・レコメンド
深さ・ツバ感が伝わらない ⇒ 側面画像・スペック明記
どれか1つを改善するだけでも変化が出やすいですが、複数を組み合わせると相乗効果が出ます。
最後に|Shopify改善のご相談について
アパレルに限らず、Shopifyページを見ていると、「凄くいいサイトなのに惜しいな」と感じることがよくあります。
それはエンジニアを必要とするようなコードから変更する大きな改修ではなく、表示の順番・テキストの書き方・導線の設計といった比較的小さな改善でも、ユーザーの購入率は大きく変わります。
「うちのページ、お客さんに見られているのに購入に繋がらない」
「商品さえ知ってもらえたら購入してもらえるのに、サイトを見てもらえてない」
という方は、現状のページを見てから具体的にお伝えできることがあると思います。
ご相談はお気軽にしてください。
この記事は、帽子ブランドを中心として他のアパレルを含むShopify改善・カスタマイズに関わった実務経験をもとに書いています。