新しい人生の幕開け…10

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新婚、のような初々しさはなく、ただ淡々と時間だけが過ぎていった。

旦那の借金を全額返済し、数年したら家を買う。
その一心だった。

そして、旦那が帰ってきた時にお世話になっている不動産屋さんに一緒に向かった。
そして、不動産の人は何も知らないのでしかたなかったが、旦那は乗り気で引っ越しの話や家賃の話、色々していた。

もう話は完全にあの戸建てに引っ越す話になっていた。
そこで引っ越しの日どりなどの話が進んでいた。

私はわざと「え、引っ越しって私一人でやるの?」というと、旦那は「実家からも手伝いに来てもらうし俺もいるようにする」と言われたので、反対する理由もなかった。

引っ越し当日。

引っ越しといっても、そもそもあまり「物」がなかったせいもあって案外スムーズに行ったが、来ると言っていた「旦那の両親」が来ていなかった。
遠いせいもあるだろうと思ってあまり気にしてはいなかったが、引っ越し先も伝えなければならないのでは?とも思った。
なんでこの人(旦那)はこんなにのんびりしているんだろう…。

引っ越しは旦那と不動産の人が手伝ってくれた。トラックも出してくれた。

そのおかげで1往復と少しで荷物の搬入は終わった。

天気も良くて引っ越し日和だった。

その物件にあった物などは使わないものは不動産で持って行っていく、というので差し当たり見た感じで使えなさそうなものは持って行ってもらった。

さて、やりますか!子供たちが帰ってくるまでにでかさないと大変だ!

と、ふと気づくとまだ旦那の両親はこない。
旦那に聞いてみた。
「あれ、お義父さんたちは?」と、それで気づいたのか、それともわざとなのかわからないが、「あれ?そういえばこないな、電話してみるわ」といって、部屋から離れた。

その間、私はキッチンのものや自分が動かせる範囲のものを片付けていた。
旦那は案外早く戻ってきた。
「俺言ったはずなのにな、今日引っ越しだって…。今から家でるって」
は?どういうこと?どうなってんの?
といよいよ腹が立ってきた。
旦那の実家から家まで片道40分以上はかかる…。
着いた時にはもう半分以上引っ越しは終わっているだろう…。

もういいや…。反対してたしな、結婚。仕方ないか。

そう諦めて私と旦那で冷蔵庫や色んなものを片付けた。もちろん「放置状態」にあった物件だったから、掃除から始めなければいけなかった。
掃除機で吸ってから床拭きしないとホコリだらけでものが置けない。

掃除をしながら私と旦那で物を移動したりした。
物が少なかったのが唯一の救いだった。

そうして引っ越しももう終わる時になって、旦那の両親がきた。
「あら~!!素敵な家だね~」
と姑…。

ハッキリ言って切れそうになった。
「テーブルももう座れるじゃない!コーヒーでももらうわ!」
と言い出した。
私は旦那をにらみつけた。
が、旦那は素知らぬふり。
私はコーヒーを入れて出した。舅にも…。

こっちはクタクタなのに…。そもそも手伝う話は嘘だったのかなんだったのかさえもわからないくらい旦那の両親は平然としていた。

「まだ引っ越しの片付け終わってないんでしょ」と姑。
「いえ、ほぼ終わりました」と言ってやったが、それが仇となり…
「あらそう!じゃあ今日ここで引っ越し祝いしましょ!せっかく来たから止まっていくわ!」と言い出した。
私はもう腸が煮えくり返っているところをグッと我慢し「急にこられても食べる食材も用意してませんので…」と断ったつもりが…。
「いいのよ!あなたが作ってくれればなんでもいいわ♪」
と…。
その会話を聞いていた舅が「俺、スーパーに行ってくるわ」と言い出した。
舅は気が利くのかな、と思ったが、数分で帰ってきた舅の手には
『4Lの焼酎』だった。
舅がお酒を飲むのは話では聞いていたが、さすがに何もしていない上に「自分の分だけ」というのが本当に腹が立った。
舅がお酒を買ってきたのを見た姑が「お父さん!お酒飲まないでよ!いつもいつも!」と軽い言い合いに発展していた。

もう呆れて言葉がでなかった。

しかたがないから、ツマミをサッと作り舅に出した。

そろそろ子供たちを迎えに行かなければならない時間だ。
私はもうへとへとだったからたまに旦那に行ってもらうことにしよう、と思い旦那に「子供たち迎えに行ってくれない?」というと、さすがにまずいと思ったのか「うん、わかった」と言って素直に迎えに行ってくれた。

付き合っている時は、「両親なんかいないと同じだ」だの「両親とは縁を切ってもいい」とまで言っていた旦那だが、結局これか…。

親がいないとなにもできないのか。親すら何もできないのに…。

もう落胆しかなかった。


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