フェラーリ348とF430を所有してわかった「安く買えば得」とは限らない理由

フェラーリ348とF430を所有してわかった「安く買えば得」とは限らない理由

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フェラーリという車は、眺めているだけでも特別です。

私自身、昔からフェラーリに憧れがあり、実際に348とF430を所有したことがあります。

同じミッドシップV8フェラーリでも、この2台はまったく違う車でした。

348は、今のフェラーリとはかなり違う荒々しさがあります。

ステアリングも操作系も重く、車を運転しているというより、機械そのものを動かしている感覚に近い。

一方のF430は、性能も使いやすさも大きく進化しています。

同じフェラーリでも、世代が変わると、ここまで考え方が変わるのかと思ったものです。

ただ、実際に所有してみて一番印象に残ったのは、速さではありません。

「買うときの価格」と「所有してからかかるお金」は、まったく別の話だということでした。

安く買えたから得、とは限らない

中古フェラーリを探していると、どうしても車両価格に目が行きます。

同じモデルでも、かなり安い個体が見つかることがあります。

すると、

「この値段なら手が届く」

と思ってしまいます。

私も実際にそうでした。

ところがフェラーリの場合、購入価格が安いことと、安く所有できることは同じではありません。

タイミングベルト。

クラッチ。

ブレーキ。

タイヤ。

電装系。

冷却系。

整備履歴。

こうした部分の状態によって、購入後に必要になる金額はかなり変わります。

数十万円安く買ったつもりが、整備を重ねた結果、最初から状態の良い個体を買った方が安かった、ということも十分あります。

フェラーリを選ぶときは、車両価格だけを見るのではなく、

「今まで何を整備してきたか」

「これから何が必要になるか」

まで見なければいけません。

同じV8ミッドシップでも、世代ごとに性格が違う

今回、1975年の308GTBからF8トリブートまで、約50年にわたるミッドシップ8気筒フェラーリを整理してみました。

308、328、348、F355、360、F430、458、488、F8。

一つの系譜として並べると、フェラーリが何を変え、何を残してきたのかが見えてきます。

たとえばエンジン。

自然吸気からターボへ変わりました。

変速機も、ゲート式のマニュアルからF1パドルシフト、そして現在のデュアルクラッチへ進化しています。

車体も鋼板中心からアルミ構造へ変わりました。

性能は確実に上がっています。

しかし、性能が高い世代ほど自分に合うとは限りません。

348のような機械を直接操作している感覚が好きな人もいます。

F355の音に魅力を感じる人もいます。

360の軽快さが好きな人もいれば、F430の完成度を選ぶ人もいる。

458の自然吸気V8を一つの頂点と考える人もいます。

488やF8の圧倒的な速さを求める人もいます。

フェラーリ選びは、単純なスペック比較では決めにくいのです。

一番速い車ではなく、自分が乗りたい車を選ぶ

フェラーリを調べていると、

何馬力あるか。

0-100km/hは何秒か。

最高速はいくつか。

そういう数字がたくさん出てきます。

もちろん大事な情報です。

ただ、実際に所有すると、それ以外の部分の方が重要になることがあります。

エンジン音。

ステアリングの感触。

シフト操作。

乗り降りのしやすさ。

街中で扱えるか。

部品が手に入るか。

整備してくれる店があるか。

年間どのくらい走るのか。

こうしたことを含めて、自分に合う世代を探す必要があります。

だから今回作った本では、

「どのフェラーリが一番優れているか」

というランキングにはしていません。

その代わり、

「自分ならどの世代を選ぶか」

を考えられるようにしています。

中古フェラーリは、購入前に見る場所がある

フェラーリの中古車を見るときは、外装がきれいだから安心、とは限りません。

整備記録。

タイミングベルト。

クラッチ。

ブレーキ。

冷却系。

内装。

こうした部分を順番に確認していく必要があります。

販売店に何を質問するかも重要です。

過去の整備内容。

交換した部品。

これから必要になりそうな整備。

記録簿がどこまで残っているか。

購入前にこれらを確認しておけば、買った後の予想外をかなり減らせます。

それでもフェラーリは面白い

ここまで書くと、

「フェラーリは大変な車だな」

と思うかもしれません。

実際、大変な部分はあります。

でも、私は348とF430を所有したことを後悔していません。

エンジンをかけたときの音。

運転席から見える景色。

街中を走っているだけでも感じる特別感。

普通の車では味わえないものがあります。

そして不思議なことに、手放した後も覚えています。

細かなスペックより、

「あの車に乗っていた」

という体験の方が残ります。

50年10世代を一冊にまとめました

今回、

「ミッドシップ8気筒フェラーリ」

という図解本を作りました。

1975年の308GTBからF8トリブートまで、約50年・10世代を追っています。

歴代モデルの違いだけではなく、

自然吸気とターボの違い

ゲート式MTとF1パドルシフト

購入前に見るポイント

タイミングベルト

クラッチやブレーキ

整備記録

年間維持費

価格が残りやすい個体

そして、私自身が所有した348とF430で経験したこと

までまとめました。

全118ページ相当の図解本です。

フェラーリを買うことを勧めるための本ではありません。

むしろ、

「自分ならどの世代を選ぶのか」

「自分にフェラーリを所有できるのか」

を考えるための本です。

フェラーリは、買えない車というより、

選び方が分かりにくい車なのかもしれません。

憧れのまま眺めているのもいい。

でも、一度「自分ならどれを選ぶだろう」と考えてみると、フェラーリの見え方はかなり変わります。

図解本
「ミッドシップ8気筒フェラーリ
50年10世代の系譜と、買う前に見るところ」



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