01.【偶然は生み出せる?】計画された偶発性理論とは(Planned Happenstance Theory)/クランボルツ

01.【偶然は生み出せる?】計画された偶発性理論とは(Planned Happenstance Theory)/クランボルツ

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皆様はじめまして。国家資格キャリアコンサルタントのYOUと申します。

coconalaという場を通じて、私自身キャリアに関して学んだこと・考えたことなどを発信していきたいと思います。少しでも皆さんのご参考になれば幸いです。

本日取り上げるのは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された「計画された偶発性理論」。私自身、自分のキャリアについてモヤモヤと悩んでいた時期に、この理論の考え方に救われた経験があり、最初の記事のテーマに選びました。

クランボルツは著書の中で、読者へ下記のように投げかけています。

「慎重に立てた計画よりも、想定外の出来事や偶然の出来事が、あなたの人生やキャリアに影響を与えていると感じたことはありませんか? 偶然の出会い、中止になったミーティング、休暇の旅行、穴埋めの仕事、新しく発見した趣味、こうしたことが人生やキャリアを思わぬ方向へと運んでくれる経験-偶然の出来事(happenstance)の一部です。」

皆さんにも、大なり小なり、思い当たる経験があるかもしれません。
本記事では、「計画された偶発性理論」の概要について、解説していきます。

▼「計画された偶発性理論」のポイント・これまでの理論との違い

クランボルツの理論は、簡単に下記のようにまとめることができます。
・あらゆる出来事や出会いには意味がある。
・偶然は、自分の人生を豊かにするために活かすことができる。
・人生を豊かにしてくれる偶然は、自分自身が人生に向き合う姿勢の在り方によって、呼び込むことも、見過ごしてしまうこともできる。
・偶然をもたらす偶然は、自分次第である程度意図的かつ計画的にその頻度を高めることができる。
・そのように呼び起こした偶然は、もはや「単なる偶然」とはいえない必然性を帯びている。

これまでのキャリア理論は、「職業指導の父」とも呼ばれ、キャリアカウンセリングという専門分野が確立されるきっかけを作ったパーソンズの理論をはじめとする「人と職業のマッチング」をベースにしたものが中心でした。

マッチングをベースにした理論は、クランボルツが重視する「偶然の出来事」を見過ごすというよりもむしろ、「できる限り不確定要素を排除して、自分の希望に沿ったキャリアプランをつくり、計画通りに実現していく」という考え方を前提にしているように思えます。

クランボルツは、様々な環境変化が目まぐるしく起こり、先行きの見通せないVUCA時代とも呼ばれる21世紀では、この理論はもはや通用しないと主張しています。そして「人生で起こるたくさんの偶然の出来事」に対して不安を抱えることなく、前向きに捉える姿勢でいた方が、幸せなキャリアを歩めるのではないか、と考えます。

▼「計画された偶発性理論」の具体例は?
ここで、クランボルツからの投げかけ「慎重に立てた計画よりも、想定外の出来事や偶然の出来事が、あなたの人生やキャリアに影響を与えていると感じたことはありませんか?」に立ち戻ってみましょう。

そのときはただの偶然に思えたことでも、思い返してみたら、それまでの取り組み・努力があったからこそ、偶然を「人生にポジティブな影響を与えるきっかけ」に変えることができた、というエピソードはあるのではないでしょうか。

私自身、「計画された偶発性理論」を学んで初めて、あの出来事は必ずしも「ただの偶然」ではなかったんだな、と気づいたことがありました。

「海外で仕事をしたい」と兼ねてから思っていた私は、新卒入社一年目の頃に参加した、役員との懇親会の席で、生意気にもその希望を「豪語」したところ、役員の方から直々に、社内の海外駐在制度や選考プロセスについて情報収集することができました。当時、海外赴任は早くても入社3年以降で叶うようだったので、3年後の海外行きを目指し、当面は英語面接に備えて勉強するよう計画しました。

その半年後、人事部へ人事異動希望を出す時期になった折、実現可能性はさておき、とりあえず「ダメもとで」海外赴任希望を出したところ、「偶然」その年には先輩の候補者がおらず、海外行きの切符を手に入れることができました。

当時は、偶然他に候補者がいなくてラッキーだった、くらいにしか捉えていませんでしたが、その間毎日英語の勉強を続けていなかったら、たとえ他に候補者がいなかったとしても、きっと社内選考で落とされていたでしょう。

▼「計画された偶然」を生み出すための5大スキル
クランボルツは「人のキャリアの約8割は偶然の出来事によって決められている。」とも述べています。

では、私たちの人生に訪れる多くの「偶然」を、如何にポジティブに自分の人生に取り込めるのか、そして、自分の人生を豊かにする「偶然」を如何に主体的に生み出せるのでしょうか。

「計画された偶然」を自ら生み出すために必要な5大スキルを、クランボルツは下記のように定義しています。
・好奇心/Curiosity:新しい学びの機会を探索する
・持続性/Persistence:失敗に屈せず、努力を続ける
・柔軟性/Flexibility:特定の価値観に固執しすぎず、場合によって態度や行動を変える
・楽観性/Optimism:新しいことに対して「私はできる」と思う
・冒険心/Risk Taking:結果が見えなくても「やってみる」

「偶然」はいつ、どのように起こるか私たちがコントロールすることができません。だからこそ、この5大スキルを養い、常に色んな可能性に対してアンテナを張っておくことが、「計画された偶然」を生み出すヒントなのかもしれません。

▼まとめ
近年、自分のこれからのキャリアについて「決められない状態」でいることを良しとしない風潮がありますが、クランボルツは、それはむしろ「オープンマインドネス」でいられているという側面もあるので、必ずしも悪いことではない、と述べています。しかしそれは、自分のキャリアを「偶然や運」に任せっきりにするということではありません。

大切なのは、「自分がどうありたいか」というイメージ・価値観を持ちながらも、自分の作ったキャリアプランに囚われすぎず、日々起こる偶然の出来事を自発的に受け入れ、更に、自分の人生を豊かにする偶然を引き起こすことができるよう、主体的に行動していくことなのです。
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