― プロは「誰に何を確認しているのか」 ―
はじめに
不動産調査というと、こんなイメージを持たれることが多いです。
・法務局に行く
・役所に行く
・現地を見る
どれも正しいですが、
これだけやっていても事故は起きます。
実務で怖いのは、
「ちゃんと調査しているのに外す」ケースです。
登記を取った。
用途地域も見た。
現地も確認した。
それでも問題が出ます。
理由はシンプルで、
その情報が“誰の情報か”を意識していないからです。
不動産DDは、
資料を集める作業ではありません。
👉 誰に当たって裏を取るか
ここで精度が変わります。
この記事では、調査先を
「場所」ではなく「情報の持ち主」で整理します。
結論:調査先は5つに分けて考える
■よくある整理
・法務局
・役所
・現地
これは入口としてはOKです。
ただ、これだけだと抜けが出てしまいます。
■実務では、こう分けると整理しやすい
・公的情報
・取引当事者
・運営主体
・物理・技術
・現地・第三者
👉 この5つでほぼ網羅できます。
① 公的情報
■ 法務局
主な確認内容は下記です。
・所有者
・抵当権・差押・仮登記
・共同担保
・地目・地積
・区分所有の構造
ただし、注意点もはっきりしています。
・現況とズレることがある
・越境は出てこない
・利用実態は分からない
👉 登記だけで分かった気になるのが一番危ないです。
■ 市区町村(都市計画・建築)
ここは「建てられるか」を見る場所。
主な確認内容は下記です。
・用途地域
・建ぺい率・容積率
・道路種別
・斜線・日影
・各種条例
ただ、ここも単純ではありません。
・建築指導と道路管理で見解がズレる
・条例は窓口ごとに温度差がある
👉 1つの部署の回答だけで決めてはいけません。
■ 税務(固定資産)
主な確認内容は下記です。
・評価額
・課税状況
・名寄帳
👉 資産としてどう扱われているかを確認します。
② 取引当事者
■ 売主
一番情報を持っています。
・履歴
・境界
・越境
・不具合
・賃貸状況
👉 聞くが、そのまま信じてはいけません。
■ 仲介会社
情報はきれいに整理されている。
・物件概要
・重説
・調査済み事項
・想定利回り
だからこそ注意して下さい。
👉 完成された情報ほど疑うこと。
■ 金融機関・信託
直接の情報というより、
「第三者の見方」として使う。
・担保評価
・融資条件
👉 自分の見方とズレたら、その理由を徹底的に考える。
③ 運営主体
■ 管理会社(PM/BM)
実態はここに出ます。
・賃貸状況
・滞納
・修繕履歴
・クレーム
👉 レントロールより優先度が高いです。
■ テナント
紙に出ない情報が多いです。
・契約実態
・更新意向
・不満
👉 一度は当たって確認したいです。
■ 管理組合(区分)
区分はここが重要です。
・修繕状況
・積立金
・管理状態
👉 外観は良くても、運用状況は確認しないとわかりません。
④ 物理・技術
■ インフラ
・水道(本管・引込・口径・私設管)
・下水
・ガス
👉 ミスすると費用に大きな影響が出ます。
■ 境界・測量
・境界確定
・越境
・実測
👉 取引価格や後々のトラブルに発展する重要フェーズです。
■ 建物
・構造
・劣化
・違法性
・修繕費
👉 借入などにも影響が大きいです。
■ 環境・地盤
・土壌
・地盤
・液状化
👉 出口戦略が大きく影響します。
⑤ 現地・第三者
■ 現地
・接道
・高低差
・擁壁
・越境
・騒音・臭気
👉 違和感はだいたい現地に出ます。
■ 近隣
・トラブル
・ゴミ
・騒音
・空気感
👉 住んでからの現実はここにしかない。
まとめ
不動産調査は、資料を集める作業ではありません。
重要なのは👇
・誰がその情報を持っているか
・その立場は何か
・他の情報と整合しているか
そしてもう一つ。
👉 同じ論点を、複数の調査先で確認することです。
これだけで精度はかなり上がります。
ご相談について
不動産は、
「書いてある=安全」ではありません。
むしろ実務では、
ちゃんと書いてあるリスクほど見落とされやすい
ということがよくあります。
・この重説、本当に大丈夫か?
・気づいていないリスクはないか?
こういった不安は、
経験があるほど一度は感じるはずです。
そして実際、
契約前に一度チェックするだけで、結果が大きく変わるケースも少なくありません。
こまわり不動産では、
・重要事項説明書のチェック
・物件調査のセカンドオピニオン
といった形で、
判断の精度を上げるサポートを行っています。
「これで問題ないのか一度見てほしい」
そのくらいの温度感でも大丈夫です。
気になる方は、お気軽にご相談ください。