AI時代の、正しいサボり方-超高速社会を、7割の力で生き抜く

AI時代の、正しいサボり方-超高速社会を、7割の力で生き抜く

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コラム
私たちは日々、知らず知らずのうちに心や体にたくさんの力を込めて生きているのかもしれません。

かつてのオフィスを思い返すと、そこには自然な「余白」が存在していました。パソコンの処理待ちの時間にふうっと一息ついたり、仕事の区切りが良いところで喫煙ルームへ向かったり。たばこを燻らせながら交わす他愛のない会話が、良い息抜きやコミュニケーションの場になっていた時代もありました。

しかし、今はどうでしょう。オフィスにはAIが跋扈(ばっこ)し、人間の能力をはるかに超える圧倒的な情報量とスピードで処理をこなしていきます。立ち止まることを許されないかのように、私たちは画面から目を離せなくなってしまいました。さらに社屋全体の禁煙化が進んだことで、かつての「喫煙所コミュニケーション」のような、緩やかな繋がりを生む場所も失われつつあります。

便利さと引き換えに、私たちは自ら進んで「完璧主義」のサイクルに飛び込み、「負けず嫌い」な一面を煽られているのかもしれません。しかし、常に100%の力を注ぎ続けていては、いつか心が悲鳴を上げてしまいます。

力を抜くことができず、限界まで疲労を溜め込んだ結果、思わぬ失敗をしてしまうこともあるでしょう。そんな時、「いつから自分は『できない奴』になってしまったのだろう」「なんて弱い自分になってしまったんだ」と、自分を責め、嘆いてしまう人も少なくありません。

けれど、少し立ち止まって考えてみてください。あなたは本当に「できない奴」になってしまったのでしょうか。

違うはずです。あなたが弱くなったのではなく、あなたを取り巻く環境のスピードと要求が、個人の限界を超えるほどに過酷になってしまっただけなのです。私たちは、人間としての当たり前のキャパシティを超えて、必死に闘い続けているのです。

「そうは言っても、どこで力を抜けばいいかわからない」

そう感じるのは、あなたがこの時代のスピードに、どこまでも誠実に向き合おうとしている証拠です。だからこそ、システムに追われる日常の中に、意識して「ここは7割でいいや」と思える心の余白を作ってみてください。

では、かつての喫煙所のような「余白」がない現代で、私たちはどうやって力を抜けばいいのでしょうか。おすすめしたいのは、自分だけの「プチ・アップデート(更新)時間」を予定に組み込んでしまうことです。例えば、AI相手に「ちょっと休憩します」とあえてチャットに入力して画面を閉じ、3分間だけ温かいお茶の香りに集中してみる。あるいは、カレンダーに「思考整理」という名の、何もしない10分間の枠をあらかじめ確保してしまうのです。現代流の脱力とは、流れてくる情報を遮断する「積極的な空白」を自ら作り出すことにあります。

脱力とは、決して怠けることではありません。明日も自分らしく歩み続けるための、賢い戦略です。

まずは深呼吸をひとつ。パソコンの画面から少しだけ目を離して、「よく頑張っているよ」と、まずは自分自身に声をかけてあげることから始めてみませんか。

                        沙門蒼俊  合掌
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