テクノロジー「集中できるウルトラマスク」

テクノロジー「集中できるウルトラマスク」

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約100年前の人にも「集中できない」という
悩みがありました

今は「スマホの通知」「SNS」「YouTube」
「テレビ」「周囲の会話」「車や工事の音」
様々な事に気を取られます

しかし周囲が気になって集中できない問題は
今に始まった事ではないのです

約100年前の1925年アメリカの発明家である
ヒューゴー・ガーンズバックという人がこの
問題を解決する為とても変わった道具を作り
世の中に発表しました

それが「アイソレーター」という頭部を全て
覆い隠す巨大なヘルメットです

アイソレーターは普通の帽子やヘルメットと
全く違い頭を完全に覆う巨大箱の様な装置で
これを作った目的こそが「周りの音や景色を
出来るだけなくして集中できる環境を作る」
というコンセプトの物でした

つまり耳から入ってくる情報を減らしそして
目から入ってくる情報も減らす事で集中力を
高めようとしたのです

ガーンズバックは長時間一つの事だけを考え
それを続けるのは凄く難しいと考えてました

例えば「弁護士が難しい問題を考える」とか
「発明家が新しい発明について考える」とか
「作家が文章を書く」「編集者が文章確認し
出版する」等の仕事は途中注意が削がれると
非常に困ります

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ところが部屋を静かにしても問題は解決せず
外部から車の音や人の声やドアを閉める音や
電話の音や呼び鈴等が聞こえてきます

更に音がなくても壁紙の模様を見たりハエが
飛んでいるのを見たりカーテンが揺れた時も
見てしまい更に窓の外を見てしまうと目線が
勝手に周囲の物を追いかけてしまいます

彼自身も「たった5分でさえ間邪魔されずに
一つの事を考え続けるのは難しい」と考えて
「だったら周りの物を全部見えなくし音すら
無くしてしまえばいい」と考えた訳です

そして製作した物がアイソレーターで最初の
物は木製でした

そこに木材やコルクやフェルト等を使い音が
中に入り難い様にしたのです

簡単に言えばヘルメットの壁を厚くして音を
出来るだけ通さない様にしたという事です

ガーンズバックは最初の装置について音を約
75%減らせると考えてました

しかしこれでも納得いかず彼は後継機を作り
性能向上を図ろうとしました

後継機の構想は内部に空気の層を作って90~
95%音を取り除く物を作ろうと考えたのです

でもここが重要でこの75%や90~95%という
数字は現代の厳密な実験によって証明された
数字で無くあくまで彼自身の想像の数字です

ところが彼は音を小さくするだけではダメと
気づきました

何故なら音が無くても人間は目で周囲を見て
集中力が欠けるからです

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そこでヘルメット正面の目の所を黒く塗って
横長の隙間を作り狭い視界を確保しました

その為アイソレーターを装着すると殆ど机の
上に置いた紙だけ見えると言う物になります

つまり音を遮断し視界を狭くし集中の邪魔を
極力減らしたのです

完成したアイソレーターを早速使ってみると
周囲の音や景色が殆どなくなりました

すると今度は別の問題が起こって彼によると
15分以上使うと眠くなったそうです

そこで更にアイソレーターを改造しなんと!
酸素タンクを取り付けたのです

彼はチューブを使いヘルメットの中へ酸素を
送れば呼吸が増えて頭がすっきりすると考え
集中できる時間が増えれば仕事等を短時間で
終わらせられると確信したのです

ここも注意が必要で実際酸素により集中力が
どれだけ高まったかの科学的な比較実験とか
行われた記録がありません

つまり「酸素を入れたら集中力が上がった」
という事が科学的に証明された訳けでは無く
あくまでも妄想でした

現代の医学の視点から見ると更に問題があり
ヘルメットに酸素を入れるだけじゃ安全とは
限りません

人間の呼吸は酸素を吸って二酸化炭素を吐く
という事が起こります

もしヘルメットの中の空気が十分に外へ出て
空気が入れ替られ換気できないと吐き出した
二酸化炭素がヘルメットの中に残ります

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すると次の呼吸でその二酸化炭素を再び吸う
危険があるので酸素を入れれば大丈夫という
単純な話ではありません

アイソレーターはとても面白い発明でしたが
一般的に使われる事はありませんでした

見た目もかなり大げさですし実際にどれ位の
仕事効率が上がったのか示す十分な科学的な
データもありませんでした

なので普通の人が仕事をする為の道具として
定着する事は無かったのです

ここがこの話の面白い所でアイソレーターは
全然普及しなかったけど集中を邪魔する物を
周囲から無くすという考え方は今でも使われ
それが現代科学で受け継がれてます

例えばノイズキャンセリングヘッドホン等の
周囲の雑音を小さく出来る物を使ったりして
集中力を高められます

その他にもスマートフォンの通知を切ったり
SNS見ない様にしたりネット遮断て仕事中に
動画やニュース等見るのを防いだりしてます

これらは集中力を邪魔する刺激をできるだけ
減らそうというアイソレーターと同じ考えで
昔も今も変わらない問題なのです

アイソレーターから学べる大切な事は昔から
人間は集中するのが苦手だったという事です

今はスマホやネットがあり現代人は昔よりも
集中できなくなったと思いがちです

しかし1925年のガーンズバックも周りの音や
景色が気になって仕事に集中できないと悩み
この問題はずっと前から存在してたのでした
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