「ヘヴィメタ魂」
記事小説
【メタリカ来日】
17歳の時
友達の山本君に誘われて
メタリカのライブに行き
昇天してきた。
メタリカとは
昔からある老舗の
ヘヴィーメタルバンドで
かなりマニアックな音楽。
ヘビメタを普通に聞くと
雑音にしか聞こえないけど
好きな人が聞くと昇天してしまい
あっちの世界が見えるらしい。
(щ`皿´)屮ｷｨｨｨｨｨｨｨｨー!!!!
この頃のメタリカは
日本でも結構有名なバンドで
この世界征服したメタリカが
とうとう日本に来日する。
この事を聞いたファンたちは
全員発狂して喜び
原宿や渋谷などでは
グッズが飛ぶように売れてた。
そんな中山本君は
この大人気バンドの
メタリカのチケットを
2枚入手できたと言う。
しかし当初一緒に行く友達が
行けなくなってしまったので
ヘヴィメタに全く興味がない俺に
一緒に行こうと誘ってきた。
ｱﾜﾜﾜﾜ(((ﾟдﾟ; )))ﾜﾜﾜﾜｯ
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【講習会】
俺を誘う時
もし一緒に行ってくれなかったら
7500円のチケットを捨てるしかない
そう言ったので行くしかなかった。
仕方なく行く事になった俺に
山本君がライブに行くにあたって
メタリカの勉強会を開催するから
必ず出席しろと言う。
そして後日カラオケに行き
メタリカの音楽に合わせた
特別な振り付けを
永遠にやらされる事になる。
その振り付けとは
ヘッドバンキングと言う物で
頭を縦横に振りまくり
脳みそをシェイクするもの。
そのヘドバンを山本君と一緒に
ずっとやらされてたら
目が回ってきてしまい
とても長時間できなかった。
ﾋｨｰ(ﾟﾛﾟﾉ)ﾉ
すると山本君が
「基本軽めに頭を動かして
サビだけ大きく振るんだ」と
丁寧に教えてくれた。
更にマイクを観客に向けられたら
両手を上げて叫びながら歌って
雰囲気と一体にならないと
地獄の業火に焼かれる言う。
ﾋｨｨｯ!!∑(；Д；ﾉ)ﾉ
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【シャウト】
その後も勉強会が続き
シャウトの練習をさせられて
これが出来れば全てを焼き尽くす
地獄の業火が出せると言う。
このシャウトという物は
裏声で「ア゛ー」や「イ゛ー」とか
奇声のような叫び声をあげて発狂し
昇天する事だと言ってた。
しかしシャウトなんて
生まれてから1度もやった事が無く
何度やってもなかなかできず
もう喉が痛くなった。
ε-(･д･`;)ﾌｩ…
すると山本君が
「腹に力を入れて前かがみになり
上を向いて叫ぶんだ」と言い
俺のお腹をたたかれた。
そして実際にやってみると
裏声が出しやすくなり
だんだんシャウトに近づき
完全に昇天してしまった。
このシャウトをする場所は
メタリカと一体になれば
一緒にシャウトする場所が
本能で感じ取れて解るらしい。
でも俺は
そこまで昇天できる自信がなく
メタリカのライブのノリに
ついていけない気がして憂鬱だ。
(´･д･`)ｼｮﾎﾞｰﾝ
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【イメチェン】
この頃の俺の私服は
オーバーオールが普段着だったので
こんな格好でライブに行ったら
殺害されてしまうと言われた。
そこで山本君が
自分が持ってる革ジャンを
当日貸してくれると言うので
とりあえず殺害されずに済みそう。
しかし貸してくれる革ジャンは
肩や腕にトゲトゲの金属つきで
まるで北斗の拳の世界の
戦闘服のようだった。
この革ジャンを見た俺は
全然俺に似合いそうにないし
まるで戦場に行く気がして
なんだか怖い。
ﾋｨｨｨ!!ε=ε=(ﾉ;ﾟДﾟ)ﾉ
しかもついでに
指の部分がないトゲトゲガついた
ゴツイ手袋も貸すからつけと言われ
完全に俺のイメージがなくなる。
当時の俺は
「BaBe」や「遊佐未森」等の
緩やかなポップスが好きで
原宿のミルクボーイ男子だった。
そんな俺が
悪魔の服を着て地獄の業火に焼かれ
脳みそシェイクしながら昇天し
そんなノリについていけそうもない。
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【銭湯準備完了】
そして帰りに山本君が
当日必ず持ってくるものを
俺に伝えてくれた。
その持ち物は
銭湯に入る準備と
下着から洋服までの全身着替えを
必ず持ってくるように言われる。
その訳は
会場の冷房が熱気で効果無くなり
全身汗だくになってしまい
帰りが気持ち悪くなるかららしい。
そして水も
最低４リットル用意しないと
熱くてのどがカラカラになり
気を失ってしまうと言う。
ｱﾜﾜヽ(´Д`;≡;´Д`)ノｱﾜﾜ
この時俺は
「いくらライブでもそれは
ちょっと大げさだよ」と感じたが
言われた通り持っていく事にした。
銭湯の場所は
山本君が調べると言うので
全部お任せする事にして
ライブ会場を確認した。
そのライブ会場は
「日本武道館」でやると言うので
当日電車が混んで帰れない気がし
お互いバイクで行く事になった。
(´∀`*)ｳﾌﾌ
