企業目線より「ユーザー目線」その2

記事
ビジネス・マーケティング
同じような例をもうひとつ紹介しましょう。
新しく発売されたビデオカメラがありました。それを深夜や早朝にオンエアされる通販番組で紹介したのだが、反応が悪い。
ということで、新たなインフォマーシャル(コマーシャル+インフォメーション)のシナリオを依頼されたのです。

その番組の映像を見てみると・・・残念ながらやはり『売り手目線』でした。

「最軽量790グラム!」「超コンパクト設計!」「光学15倍ズームレンズ!」「大容量バッテリーで連続90分撮影が可能!」「今ならこの三脚もお付けします!」
これを懸命に訴えている男性バイヤー・・・想像できますよね?(笑)

クライアントにその通販番組の視聴者層を聞くと、深夜は30代中心の若年層。早朝はご年配、いわゆる”おじいちゃん+おばあちゃん”世代が多いとのこと。

色々リサーチしたところ、そもそも若者は通販番組でカメラ類を買うことはめったになく、カメラ専門店(今でいう家電量販店)に足を運び、実物を手に取って選ぶ・・・ということが判明。

だとすると、ご年配の方をターゲットにできないか?と考えました。
しかし、この年代の方々がビデオカメラを買う理由があるだろうか?
旅行に行くにも写真で十分だろうし、わざわざかさばるビデオカメラを持っていく理由は乏しいのではないか。

そこで私は実家に電話をかけ、父親(当時60代後半)に「ビデオカメラって欲しいと思う?」と直接聞いてみました。すると答えは「おまえに孫ができたら撮ってあげたいかな」という答え。(当時、私はまだ独身でしたが)
「それだ!」
アイデアがひらめき、書いたのが以下のようなシナリオでした。


『おじいさん、おばあさん、お孫さんの成長って楽しみですよね?特に運動会などの行事で元気な姿を見るのは幸せですね!

運動会ではお父さんがわが子の活躍をカメラに収めています。お母さんはその隣で声援を送っています。
しかし、その微笑ましい光景をカメラで撮っている人は・・・いませんね。
親子三人で楽しそうにお弁当を食べている微笑ましい風景も・・・だれも撮ってはくれません。
そうです!あなたが撮ってあげればいいんです。

新しく発売されたこのビデオカメラをご紹介します。
手のひらにすっぽり収まる小型サイズで、女性でも片手で持てる軽さです。
操作も簡単。見ていてくださいね。
まず、この電源ボタンをオンにします。そしてこのようにカセットを入れたら、もう準備完了。あとはカメラを構えて、この赤い録画ボタンを押すだけ。
ズームレバーを動かせば、遠くのお孫さんの姿もバッチリ撮ることができます。

いかがですか?あなたのお子さんと、可愛いお孫さん。家族そろった姿をぜひ”あなたが”撮ってあげてください!』

・・・・・・・・・・・・・
だいたいこんなストーリーですが、反応が悪かった前作との違いは明らかですよね?
「家族3人の映像を撮ってあげることができるのは・・・そう、おじいちゃん、あなたしかいないんですよ!」
というメッセージは、三人の光景をビデオカメラに収めている「いいおじいちゃんの自分」を想像させるものです。

約一か月後にオンエアされたこの映像によって、狙い通り高齢者からの注文が殺到した・・・との報告をいただきました。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら