WHYから始めよ!

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ビジネス・マーケティング
世界的な大規模講演会TED(Technology Entertainment Design)でのプレゼンテーション動画が1700万回再生されたことで話題になった、作家でありコンサルタントでもあるサイモン・シネック。彼が提唱するマーケティング理論が「ゴールデンサークル」(WHYから始めよ!)です。
ゴールデンサークルとは、Why(なぜそれをするのか)、How(どうやってそれをするのか)、What(具体的に何をするのか)に基づいて構成されている概念です。

《WHYから始めよ! サイモン・シネック 日本経済新聞出版社》

この中に、以下のような一文があります。

『大半の組織や人間が、円の外側から内側に向かう順番で、つまりWHATからWHYの順番で考え、行動し、コミュニケーションをはかっている。もっともな話だ。いちばん明確なものから始め、いちばん不明瞭なものに向かっているのだから。私たちは自分のWHAT(していること)は説明できる。時にはHOW(手法)も説明できる。ところが、そうしているWHY(理由)を説明することはめったにない。しかし傑出した企業は違う。傑出したリーダーも違う。かれらは、内側から外側へと向かう順番に考え、行動し、コミュニケーションをはかっている』

そしてシネックはアップルを例に出して、WHATから始まる広告文とWHYから始まる広告文を比較しています。

一般的なパソコンの広告コピー
WHAT「我々は素晴らしいコンピューターを作りました」
HOW「美しいデザイン、シンプルな操作方法、取り扱いも簡単」
??「一台、いかがですか?」

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アップルの広告コピー
WHY「現状に挑戦し他者とは違う考え方をする。それが私たちの信条です」
HOW「製品を美しくデザインし、操作性をシンプルにし、取り扱いを簡単にすることで、私たちは現状に挑戦しました」
WHAT「その結果、素晴らしいコンピューターが誕生しました」

二番目のメッセージの方がコンピュータを買いたくなるはずだ。ここからわかることは、『人々は、あなたのWHATを買うわけではない。あなたがそれをしているWHYを買うのである』

『WHYから始めよ!』の意味とは…
「なぜ?」その商品は存在するのか?
「なぜ?」その商品を売るのか?
「なぜ?」その商品を欲しいと思うのか?その商品を使うことによって、何がどう変わるのか?を伝えることです。

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これを”どこでも知り隊”に当てはめてみると…

WHY「親の目の届かないところで、自由に行動したがる小さな子供のことがいつも心配」
HOW「離れているところからでも、子供の居場所が分かるような手段はないかしら?」
WHAT「子供の持つ携帯に、GPS機能を備える”どこでも探し隊”という位置検索サービスはいかがですか?」


このインフォマーシャルを制作したのは13年前。当然、サイモン・シネックの理論は世に出ていません。しかし、これ以降に紹介するCMもそうですが、『なぜその商品が生まれたのか?』『なぜ消費者はその商品を必要とするのか?』という本質を考えたとき、だいたいのストーリーは「WHY」から始まっているのです。



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