富太郎の『ちょこプレ3』2025.8.10

富太郎の『ちょこプレ3』2025.8.10

記事
コラム
富太郎が気の向くままに、三度「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「内縁の妻(夫)」

 「内縁」は、「婚姻」と何が同じで、何が違うのでしょうか?
ものの本によれば、「内縁関係」とは『婚姻届』を提出してはいないものの、
夫婦としての実質を備えている男女の関係だそうです。

 では、法律上は「何が同じ」で、「何が違う」のか?

まず、「内縁」に「婚姻」の規定が準用(類推適用)されないものです。
 ❶ 氏の変更 (民法750条)
 ❷ 子の嫡出推定 (民法772条)
 ❸ 配偶者の相続権(民法890条)

次に、規定が準用(類推適用)されるものです。
 ① 同居・協力・扶助義務 (民法752条)
 ② 日常家事債務の連帯責任(民法761条)
 ③ 婚姻費用分担
 ⇒ 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻生活から
  生ずる費用を分担する(民法760条)
 ④ 近親者に対する損害の賠償(民法711条) を請求できる。
これらの規定は、『内縁関係にも類推適用される。』との判例があります。
 (最判昭33.4.11)

 上記判例では、『当事者の一方が正当な理由なく内縁関係を破棄したとき
は、他方の者は、相手方に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求できる。
ことも判示しています。

 ⑤ 財産分与(民法768条) 協議上の離婚(内縁関係解消)をしたもの
  ただし、『内縁夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合には
 財産分与に関する規定は類推適用されない。』との判例があります。
 (最判平12.3.10)  死亡による内縁解消の際に、離婚する場合の制度で
 ある「財産分与」を類推適用すると、『法が本来予定している(相続)
 制度」から逸脱するからなのだそうです。

  財産分与に関する「一方の死亡」のケースは、「内縁関係の妻(夫)」に
とっては、厳しい結論になりますが、同じ死亡のケースでも、不動産の賃貸借
に関しては、様相が変わります。
ケース1 「A及びBは内縁関係にあり、甲建物に共に住んでいたが、Aは
 亡くなった。A及びBが住んでいた甲建物が、Aが賃借していた家であり、
 Aに相続人がいない場合は、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の
 関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務
 を承継する(借地借家法36条)ので、BはAの有していた『借家権を承継』
 することができ、退去を拒むことができます。
ケース2 「同様の前提で、相続人Cがいるケースでは、内縁の当事者の間
 には、相続権がないので、Aが死亡した場合でも、BはAの有していた借家
 権を相続により承継することはできませんが、Bは、Aの『相続人Cが相続
 により取得した借家権(注)を援用』することにより、甲建物の所有者から
 の退去請求を拒むことができます。 (最判昭42.2.21)
  (注)賃借人の死亡は賃貸借の終了事由ではないので、賃借人が死亡した
     ときは、賃借権は相続人に承継されます。(民法896条)
  また、相続人Cからの明渡請求、同居拒否等に対しては『権利濫用の法理
 (民法1条3項)』により対抗することができす。」 (最判昭39.10.13)
  以上は、建物の賃借人と事実上の夫婦(内縁の当事者)又は養親子関係に
 ある同居者を保護し、借家権の承継を認めて「生活の基盤を確保」するため
 のものであります。

  このような『内縁関係』として保護さるための『夫婦として実質』ありと
 認めらるためには(単に一緒に生活しているというだけでは足りず)、
 ① 婚姻の意思~両当事者が夫婦として生活する意思を持っていること
 ② (夫婦としての実態を伴った)共同生活~は(一般的には)3年以上の
   継続的な期間が必要。
 ➂ 法律上の婚姻を妨げる障害がないこと。
 ④ 社会的認知~周囲から夫婦として認識されていること
 が必要と言われています。

今回は、以上です。 
過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎

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