富太郎の『ちょこプレ2』2024.9.29

富太郎の『ちょこプレ2』2024.9.29

記事
コラム
富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「地方議会の解任等決議」

 某県知事が議会から「不信任決議」を受け、『自動失職』となりました。
知事には議会の「解散権」があるので、裁判に訴える必要性はないと思われ
ます。
 地方議員が議会から『除名』された場合はどうか?
 議員さん個人には解散権はなく、「除名処分は、議員の身分の喪失に関する
重大事項で、単なる内部規律の問題に止まらないから、司法審査の対象に
なる(裁判できる)。」との判例があります。 (最大判昭35.3.9)

 一方、地方議会の議員が「出席停止」の処分を受けたときはどうか?
従来の判例は、「自律的な法規範をもつ社会ないし団体にあっては当該規範の
実現を『内部規律』の問題として『自治的措置』に任せ、必ずしも、裁判を
まつを適当としないものであるから、法律上の係争であっても『事柄の特質上
司法裁判権の対象の外』におくを相当とするものがあるとした上で、「地方
議会の出席停止処分」はまさにそれに該当し「司法審査の対象とならない。
としてきました。 (最大判昭35.10.19)  

  長年、地方議会の内部的規律に属する問題については、地方議会の『自治的措置』に任せる方が適当』といえる一方で、地方議会の内部における『人権
侵害』に裁判所の救済の道を開く必要がある。 すなわち、『地方議会の自主
性』対『住民の付託を受けた議員としての活動の責務(住民自治)』という対立
利益をいかに調整すべきかということが問題視されてきました。

 この問題を従来の判決は、【部分社会の法理】として『地方議会の自律性』
を重視していましたが、令和2年に最高裁の大法廷が「地方議会の議員に対す
る出席停止処分は司法審査の対象になる。」として、従来の判例を変更しま
した。
 議員の「憲法上の住民自治の原則を具体化するため、議会の議事に参与し、
議決に加わるなどして、住民の代表としてその意思を当該普通地方公共団体の
意思決定に反映させるべく活動する責務」を重視し、「出席停止の懲罰が
議会の自律的な権能に基づいてされたものとして、議会に一定の裁量は認め
られるべきであるものの、裁判所は『常にその適否を判断することができる』
というべきである。と判示しました。

 「尊属殺重罰規定違憲判決」同様、時代の移り変わり、価値観の変化
とともに、司法判断も変遷していることが感じられます。

 なお、「司法審査の対象になる(門前払いはしない)」というだけであって、
個別の『出席停止の懲罰』が違憲、違法であるかということとは、別問題
です。

今回は、以上です。 
過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎

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