「ただ聞いてほしい」が、なぜ伝わらないんだろう

「ただ聞いてほしい」が、なぜ伝わらないんだろう

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 「ただ聞いてほしい」が、なぜ伝わらないんだろう


「ちょっと聞いてほしいんだけど」

誰かにこんなふうに話しかけたとき、

「じゃあ、こうすればいいじゃん」

「そんなの気にしなければいいよ」

「だったら、やめれば?」

……と、すぐに答えが返ってきたことはありませんか。

いや、そうじゃないんだけどな。

そう思ったことがある人は、たぶん少なくないと思います。

Yahoo!知恵袋を見ていても、「ただ話を聞いてほしいのに、アドバイスされる」「共感してほしかった」という相談があります。

一方で、

「相談されたんだから、解決策を考えてあげるのが普通じゃない?」

という人もいる。

これ、どちらが正しいんでしょう。

「相談=答えが欲しい」ではない


私はここが結構大事なんじゃないかなと思っています。

誰かに悩みを話すときって、必ずしも「正解」を探しているわけじゃない。

自分でも答えはなんとなく分かっているけれど、

「ちょっと聞いてほしい」

「それは嫌だったねって言ってほしい」

「自分の気持ちを整理したい」

ということもあります。

逆に、

「どうしたらいいと思う?」

と聞いているなら、具体的な意見が欲しい場合もある。

つまり、同じ「相談」でも、中身が違うんですよね。

じゃあ、なぜアドバイスする側はすぐ答えたくなるのか


これも、必ずしも「相手の気持ちを考えていないから」ではなさそうです。

研究では、友人から悩みを聞いたとき、求められていなくても早い段階でアドバイスをするケースがかなり多かったことが報告されています。

しかも、その研究では、親しい友人ほど、求められていないアドバイスをしやすい傾向が見られました。

ちょっと意外ですよね。

「仲がいいから、助けてあげたい」

という気持ちが、結果的に「すぐアドバイスする」という行動につながることもあるわけです。

 でも、受け取る側はモヤモヤすることがある


ここも研究されています。

求めていないサポートやアドバイスは、受け手にとって「ありがたい」よりも「嫌なもの」と評価される場合があり、その理由として「自分では対処できない人だと思われたように感じる」ことなどが報告されています。

だから、

「せっかくアドバイスしてくれたのに、なんで嫌なんだろう」

と自分を責めなくてもいいのかもしれません。

アドバイスの内容が悪いというより、

「今、自分が欲しかったものと違った」

というだけなのかもしれない。

「聞いてほしい」と「どうしたらいい?」は分けてもいい


だったら、どうすればいいんでしょう。

私は、相談するときに最初の一言を少し変えてみるのもいいと思います。

「今日は解決策じゃなくて、ちょっと聞いてほしい」

「今は愚痴を聞いてほしいだけ」

「どうしたらいいか一緒に考えてほしい」

これだけでも、相手にはかなり伝わりやすくなるはずです。

そして、聞く側も、

「それは大変だったね」

と一度受け止めてから、

「何か一緒に考えようか?」

と聞いてみる。

実際、研究では、感情的なサポートや問題についての確認・分析を経てからアドバイスするほうが、アドバイスの質を高く評価されやすいという結果もあります。

「正しいことを言う」だけでは、相談にはならない


悩み相談って、考えてみると少し不思議です。

相手が求めている答えを言えばいいわけでもない。

何でも共感すればいいわけでもない。

「それはあなたが悪い」

と決めつける必要もない。

たぶん、

その人が今、何を求めているのかを少し確認する。

それだけでも違うんじゃないでしょうか。

「聞いてほしいだけ?」

「一緒に考えたほうがいい?」

この一言があるだけで、ずいぶん変わる気がします。

そして、自分が誰かに相談するときも、

「今は答えより、話を聞いてほしい」

と言っていい。

悩みを話すことは、必ずしも「答えをもらうこと」ではないから。

誰かに話しながら、自分の気持ちが少し整理される。

そんな相談だって、あっていいんじゃないかなと思います。
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