富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「名誉棄損・侮辱」
パリ五輪たけなわですが、疑惑の判定(?)等を巡り選手や審判、果てはその
国に対してまで、「悪意」の書き込みが凄い量だそうです。
今に始まったことではありませんが、これだけ報道されても減るどころか
更にエスカレートしている印象です。
これって『犯罪』にはならないのか?
刑法230条【名誉棄損罪】
1項 公然と事実を適示し、人の名誉を棄損した者は、その事実の有無に
かかわらず、3年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処する。
刑法231条【侮辱罪】
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは
30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
『名誉棄損』の「公然」とは、不特定又は多数人が認識できる状態をいい
(大判昭3.12.13)、「事実の摘示」とは、誹謗中傷や侮辱暴言ではなく、
例えば「◯◯課長は部下と不倫をしている。」等、具体的に社会的評価を低下
させる恐れのある具体的な事実を告げることをいう、とされています。
「名誉」とは、人の価値に対する社会一般の評価(外部的名誉)を意味し、
人が自分自身に対して有している主観的な名誉感情は、法的保護に値しない
ので、「名誉棄損罪」の保護法益には含まれないとされています。
「棄損」とは、社会的評価を害するおそれのある状態を生じさせることで、
現実に人の社会的評価が害されることを要しません。
一方『侮辱罪』は、事実を摘示せずに、公然と侮辱した場合に成立します。
「侮辱」とは、事実を摘示せずに、軽蔑の感情を表示すること。例えば、
相手方に対し、公衆の面前で「馬鹿野郎」怒鳴ること等が該当します。
その保護法益は判例・通説は、名誉棄損と同様に「外部的名誉」と解してい
ますが、この見解によると、侮辱罪と名誉棄損罪の違いは、事実の適示の有無
にあることになり、事実を適示した場合が名誉棄損罪、事実を適示しなかった
場合が侮辱罪ということになりそうです。
ただ、学説には、名誉棄損罪と侮辱罪の法定刑の差が大きいことから、侮辱
罪の保護法益が名誉感情(その人が自分自身にもつ主観的な価値)であると
する見解もあります。
テキストに載っている判例は、古い時代のものが多く、最近の通信環境には
そぐわない感が否めないのと、更には次の条文が事の解決に、ネックになって
いるのではないでしょうか。
刑法232条【親告罪】
1項 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
大量に送り付けられてくる「悪意」に対して、なかなか対応しずらい法律に
なっていると思います。
IT技術も飛躍的に向上していることでもありますし、システムでの対応、
法整備での対応等も望まれます。
今回は、以上です。
過去のブログも、ぜひご覧ください。 富太郎
★リーガルリテラシーとは、
「自身の身や権利を守るための、最低限の法知識」
です。