創業のためのメソッド 4 

創業のためのメソッド 4 

記事
コラム
以前、「創業寺子屋」として、全文一括で掲載しましたが、
『創業のためのメソッド』として、
テーマごとに再投稿させていただいています。
第1編は「創業計画書作成」編です。
  第4回『創業計画書のつくり方②』

日本政策金融公庫 国民生活事業 の
「創業の手引き」に沿って、説明しています。
手引きは、公庫のHPから入手できます。

創業計画書の中身に入っていきます。
 (「創業の手引き」は、11ページ。
『創業の想いや事業経験の伝え方』です。)

前回も少し触れましたが、まず大切なのは
計画書の作成(内容)が他人任せではなく、
創業者自身で(も)考え、その考えに基づいて作成されたもの
であること。

そして、その内容を自分の言葉でしっかりと説明できること。 
だと思います。

それができれば、創業の想いは審査の担当者に伝わり、
理解を得やすいはずです。
(ただし、計画の内容の『妥当性』がより大事です。
"想い"だけでは乗り切れない  ケースが多々あります。)

また、計画書は「創業の動機」「事業経験
取扱商品・サービス」「取引先・取引関係等」「従業員
お借入の状況」「必要な資金と調達方法」「事業の見通し
と8項目記入するようになっていますが、
これらの項目内容はすべて関連・関係していることを意識して
作成してみてください。
計画書の「確からしさ」が高まります。

それでは、個別の項目を順番に見ていきましょう。

1 創業の動機  (創業されるのは、どのような目的・動機からですか。)
 「なぜ(今)、このタイミングで創業されるのですか?」  
との質問の答えを、まず考えてみてから、
手引きの4つの項目をチェックしてみてください。
 要は、準備不足はないですか?
熱意や想いを日常の生活の中でどのように反映させてきましたか?
ということにつながります。 例えば

2   事業経験なら、「スキルは十分に身についていますか?」 
3  商品・サービスなら、「セールスポイントは何ですか?」 
4  取引先・取引関係なら、「販売先、仕入先に人脈はありますか?」
5  従業員なら、「確保できていますか? あるいは、家族の協力は?」

6  お借入れなら、「返済負担はどのくらいですか?」
7  必要な資金と調達方法なら、「どのくらいの期間、積み立てましたか? 
  あるいは、家族や身内の協力は期待できますか?」 
8  事業の見通しなら、「業界の実態に合った実現可能性の高い数字に
  なっていますか?」 
何かが足らなければ、「だからダメ」ということではなく、足らないことを自覚して、自分なりに情報収集・研究・工夫し、対策を講じ、それを計画書に反映させている。

そこまでやって、強い熱意・意志といえるのではないでしょうか。 
創業動機は、"かつやさん"であれば、「子供のころからの夢を実現したいから。」 ということなのでしょうが、もう少し事例を具体的にするため、
以降、私の好きな本 『真夜中のパン屋さん(注)』のシチュエーションを
使わせていただきます。
サラリーマンであった"くればやしさん(通称「くれさん」)"は)、
奥さまを不慮の 事故で亡くし、彼女の夢であった「パン屋開業」のため、
勤務先を退職します。

 『死んだ奥さまの夢を代わりに実現するため』が、開業動機です。
奥さまは、製パン学校を卒業し、イタリア、フランス、ドイツなど
海外でも修業。帰国して、さあ開業という直前に急逝しました。
その意思を継ごうとしたのです。 
このような想いを書くには、スペースが足らないなら、
面接時に"言葉"で補足できるよう、『ご自身用の計画書』に
できるだけたくさん、書き出してみましょう。
審査担当者は、一生懸命あなたの想いを引き出してくれようとするはずです。
 (想いがはっきりしなければ、引き出しようもありません。)

2  経営者の略歴等 
「勤務先名だけではなく、担当業務や役職、身につけた技術等についても記載してください。」と( )書きされています。
職種、仕事内容、仕事上の立場等を『具体的に書いてくださいね』という事です。
 担当者は、創業する事業に活かせる技術、ノウハウをどのくらい身につけているかを知りたいのです。
1の「創業の動機」同様、セールスポイント(強み)、人脈、自己資金の準備状況との兼ね合い、事業見通しが経験等を反映したものかどうか。 
また、これらから逆に経歴との整合性も、見えてくるものです。

"くれさん"は、シンクタンク勤務後、アメリカの大学院を卒業し、
国連PKOで世界を飛び回っていた30代後半の人物です。
危機管理等、経営者としての能力は、かなり期待できそうですが、
パン職人の経験はゼロ。パン屋開業のためには、パン職人の雇用が必須です。
となれば、「事業の見通し」で、給与(人件費)の負担を計上しなければ、
整合性が取れないことになります。 
先にも書きましたが『計画(書)の妥当性』が、
融資判断の大切な要素となります。
それぞれの項目の関連性を意識して『創業計画書』づくりを進めてください。
今日のポイント ① 創業の目的、動機を明確にする。 
     ② 創業する事業について、経験を積み、ノウハウを身につける。
     ③ 計画書は、項目間の関連を意識して作成する。 
次回は、「3 取扱品・サービス」から続けます。

                        以上、富太郎でした。

(注) 『真夜中のパン屋さん』
   作者: 大沼 紀子  ポプラ文庫  全6巻

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