副業で、業務効率化ツールを作って売っています。
今回書くのは「返金」の話です。
正直に言うと、私がいちばん向き合いたくなかったテーマでした。
私は"売った後"がいちばん苦手です
まず自分のことから書かせてください。
私はもともと営業で、そのあと管理職をやってきました。
お客さんや現場の困りごとを見て、それを解決策のかたちにパッケージするところは好きなんです。
熱が入ります。
でも、その逆はまるでダメです。
契約書のこまかい詰め、返金の相談、クレームへの対応。
いわゆる「売ったあとの調整仕事」になると、途端に熱が切れてしまう。
これは長所というより、はっきりした自分の弱点だと思っています。
手離れのいい買い切り型の商品を選んでいるのも、半分はこの苦手から逃げるためです。
デジタル商品の「返金不可」が、逆にこわい
今回の競合価格ウォッチャーは、Windows向けの買い切りソフトです。
デジタル商品なので、原則として返金はできません。
ふつうに考えれば「返金不可」は売り手にとって安全なルールに見えます。
でも私はむしろ、ここが一番こわいと感じました。
返せない、ということは、「思っていたのと違った」と言われたときに、逃げ場のない押し問答になりうる、ということだからです。
しかもこのツールは、お客様のサイトごとに取得設定を調整する半受託の形です。
「うちのサイトで動くと思ったのに、動かなかった」——もしこれが起きたら、まさに私がいちばん苦手な、弁明と、調整と、返金交渉のセットが始まります。
想像しただけで胃が痛くなりました。
売った後で戦うのが苦手なら、売る前に終わらせておく
じゃあどうするか。
ずいぶん悩んで、たどり着いた結論はシンプルでした。
売った後で戦うのが苦手なら、勝負を売る前に終わらせておけばいい。
やったことは二つです。
ひとつは、デジタル商品は原則返金不可、と最初にはっきり明記すること。
そしてもうひとつ、その代わりに、購入前にDMで対象サイトのURLをもらって、「そもそも対応できるかどうか」を無料で確認することにしました。
できないサイトには、売る前に「これはできません」とお伝えします。
返金トラブルのいちばん大きな入口は、たぶん「できないのに、売ってしまうこと」です。
だからその入口を、売る前に塞いでおく。
「返金しません」と「先に無料で確かめます」はセットで意味が変わる
「返金不可」だけを掲げると、それは売り逃げに見えます。
私自身、そう書くのはうしろめたかったです。
でも、「返金はしません」と「買う前に、無料で対応できるか確かめます」をセットにすると、意味がひっくり返るのに気づきました。
これは私がラクをするためのルールではなくて、お互いに事故を起こさないための"順番"なんだ、と。
苦手だから雑に逃げる、のではなく、苦手だから丁寧に先回りする。
同じ「苦手」でも、置き場所を変えるだけで、ずいぶん誠実な設計になった気がしています。
正直な現在地
……と、ここまで偉そうに設計の話をしてきました。
でも正直に書いておくと、この仕組みはまだ一度も試されていません。
返金を求められたことも、その手前のクレームも、ゼロです。
というより、まだ一件も売れていないので、当然といえば当然です。
だから私は「この設計は正しかった」と胸を張ることはできません。
今の私に言えるのは、"起きてから慌てる自分"をよく知っているからこそ、起きる前に手を打っておいた、ということだけです。
副業が続くかどうかは、得意なことより「自分の苦手」とどう付き合うかで決まる気が、最近しています。
私は売った後が苦手です。
だから、売る前を丁寧にする。
今はまだ誰も通っていない導線ですが、これは最初のお客さんが来たときに、私自身が慌てないための設計です。
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