「思い込み」のはなし

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「世界3大がっかりスポット」ってどこでしょう? シンガポールのマーライオン、デンマークの人魚姫、ベルギーの小便小僧だそうです。私はどこにも行っていないので、がっかりはしていません。この中に入っていませんが、シドニーのオペラハウスも近くで見ると壁の劣化が激しく、がっかりらしいです。私は海外出張した際に見ましたが、遠目からだったのでがっかりはしていません。

さて、オペラハウスは認知バイアスの事例としても有名です。この建設は1959年に始まり4年で完成する予定でした。工期遅れや予算オーバーの対策もばっちりだったとか。しかしオペラハウスは14年もかかってようやく完成し、費用も2億AUDから31億AUD(15倍!)に膨れ上がりました。実際の計画は全然ばっちりではなかった。「ベストシナリオでできるはず」という都合の良い認知バイアスが働き、合理的なプランになりませんでした。「認知バイアス」とは、思い込み(固定観念・先入観)によって適切な判断ができないこと。

思い込みの事例をもう一つ。「1マイル4分の壁」という話があります。むかし1マイル走という陸上競技がありました(1マイル=1609m)。1923年にフィンランドのパーヴォ•ヌルミ選手が、4分10秒3という驚異的な記録を打ち立て、「もう二度とこの記録は破られないだろう」、「1マイル4分を切る記録は人間の運動能力では不可能だ」と言われました。

そしてそれから31年後の1954年、イギリスのロジャー•バニスター選手が、ついに3分59秒4という大記録を出したのです。目標を小刻みに小分けして、少しずつ着実にクリアしていったそうです。さてここからが驚き。なんとそれからわずか46日後に、オーストラリアのジョン•ランディ選手が3分58秒0という記録を出し、あっさり世界記録を塗りかえました。さらに1年以内に37人もが4分を切り、翌年には何と300人のランナーが4分の壁を破ったんです。これって人間の「思い込み」がいかにすごいか、という象徴的な事例です。「4分を切れるはずがない」というマイナスの思い込みが、「自分も4分を切れるかもしれない」というプラスの思い込みに変わった。31年間も壁だったのに。

どうせ思い込むならプラスに考えたいですね。「絶対できない」よりも「絶対できる」で。人間の脳は自然と思い込みの方向に思考・行動を導くらしいです。なんでもそうですが、一番最初に不可能を可能にした人は本当に偉い!

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