精神的な病気(適応障害・うつ病等)について、転職時に応募先に伝えるべきか?

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転職活動をしていると、適応障害やうつ病などの精神的な病気を抱えている方は、「面接で病気や通院のことを伝えるべきか」という悩みに直面することがあると思います。この記事では、精神的な病気を転職先に伝えるべきかどうか、ポイントや注意点について詳しく解説します。

精神的な病気を持つ方の転職の現状

現代の日本社会では、仕事や人間関係などのストレスが原因で、適応障害やうつ病など精神的な病気を経験する人が増加しています。厚生労働省の調査でも、精神障害等を理由に休職する労働者は年々増え続けており、特に20代~40代の働き盛りの世代において顕著です。こうした状況を背景に、精神疾患を抱えながらも働き続ける方は、現代では決して珍しい存在ではなくなってきています。

一方で、企業側も近年ではメンタルヘルス対策を積極的に進めています。大企業を中心にストレスチェックの導入や相談窓口の設置、職場復帰支援プログラムの実施などが進められており、精神的な病気を抱える社員が働きやすい環境づくりへの意識が高まっています。ただ、こうした取り組みが進んでいる企業と、まだ十分な対応ができていない企業との差は依然として大きく、特に中小規模の企業では受け入れ態勢が整っていないケースも多く見受けられます。

転職市場においても同様で、精神的な病気を抱える応募者への対応には企業によって差があります。精神疾患を抱えているという理由だけで一律に採用を拒否することは基本的に許されませんが、現実的には健康上の不安を理由に採用を躊躇する企業もあります。そのため、転職活動を行う本人としては、自分自身の健康状態や通院状況をどのように企業に伝えるべきかを慎重に判断する必要があります。

こうした状況を踏まえると、転職活動を成功させ、かつ入社後も安定して働き続けるためには、事前に企業側と丁寧かつ誠実なコミュニケーションを図り、自分自身が安心して働ける環境を選ぶことが非常に重要となります。

応募先に伝えるメリット・デメリット

精神的な病気(適応障害・うつ病など)を転職時に応募先に伝えるべきか迷う方も多いかと思います。ここでは、伝えることのメリットとデメリットについて詳しく説明します。

▼メリット

① 入社後の理解やサポートが得られやすい
病気について予め企業側に伝えておくことで、入社後に理解を得やすくなります。精神的な病気の場合、特に職場環境や業務内容などに配慮が必要になるケースがありますが、事前に申告しておけば企業側も入社後の配置や仕事内容を柔軟に検討し、サポート体制を構築しやすくなります。

② 通院や服薬などへの配慮が受けられる
精神疾患を抱えている場合、定期的な通院や服薬のための時間を確保する必要があります。こうした状況を企業側が理解していれば、通院日や勤務時間の調整など、勤務上の配慮を受けることができます。結果的に、自分自身の健康管理をしっかり行いながら長く安定して勤務できるようになります。

③ 突然の体調不良にも柔軟に対応してもらえる
精神疾患を抱えていると、体調が突然悪化することもあります。事前に伝えておけば、突発的な体調不良や急な欠勤に対しても企業側が予め理解しているため、トラブルを最小限に抑えられます(リスク対策がしやすいということです)。長期的に円滑な人間関係を築くためにも、事前に申告しておくメリットは大きいと言えます。

▼デメリット

① 特に小規模な企業では採用されにくくなる可能性がある
規模が小さい企業や従業員数が少ない職場では、1人の社員が体調不良などで欠勤した場合、業務運営に与える影響が大きくなります。そのため、企業側が受け入れ態勢を整えることが難しく、病気を理由に採用を見送られるケースも珍しくありません。この場合、応募者自身の能力や人柄ではなく、企業側の体制の問題で不採用となることも多いです。

② 健康状態を重視する企業では不利になりやすい
業務の特性や企業の方針によっては、採用時に特に健康状態を重視する場合があります。例えば、業務が非常に忙しい職場や、ストレスの多い環境では、病気の再発リスクなどを懸念し、精神疾患を抱えている方の採用を慎重に判断する企業もあります。この場合、病気を伝えることで他の応募者よりも不利になる可能性が高まります。

③ 面接などで伝えることへの精神的負担
病気を伝えること自体が応募者本人にとって大きなストレスになる場合があります。特に、面接という場で自身の病状や通院の必要性を説明することは、精神的な負担となり、場合によっては症状の悪化や自己肯定感の低下を引き起こす恐れもあります。意外かもしれませんが、これを理由に転職活動をやめてしまうだけでなく、日常生活にまで影響が生じるケースもありますので、いきなりは無理をしないことがとても大事です。何か不安があれば、私にでもいいので相談ください。

健康状態は必須の告知事項?

精神的な病気(適応障害・うつ病など)を採用面接等で伝えるべきかどうかについて、会社側と応募者側それぞれの視点から考えてみたいと思います。ただし、このテーマについては法的な諸問題も関係するため、画一的な判断は困難であり、あくまでひとつの考え方としてご参考ください。

▼会社側の視点

採用面接において、精神的な病気については「業務の遂行に直接影響があるか否か」を判断するため、健康状態を把握したいという考え方があります。精神的な病気は、病状によっては突然の欠勤や休職につながるリスクがあり、企業としては事業運営や人員配置の安定性を確保するためにも、事前に状況を知りたいと考えるのが自然です。また、「健康状態を採用面接で聞いてはならない」という法令や通達などは見当たらず、企業によって大きく判断が分かれます。

その他、企業には「安全配慮義務」が法的に求められており、社員が安心して働ける環境を整備する責任があります。そのため、あらかじめ健康状態について申告してもらうことで、必要な勤務上の配慮やサポート体制を整えることが可能になります。

以上を踏まえると会社側としては「健康状態を聞くことは可能」ということになります。一方で、病気や健康状態に関する質問は「業務遂行に必要な範囲」に限定するなどの配慮が必要だと考えられます。一例として下記列挙します。
・治療薬の名称や服薬量、通院先の詳細な病院名や所在地など、業務に直接関係のない個人的な事項まで深く尋ねること(ただし、業務時間内の通院や緊急時の対応が必要な場合は、確認せざるをえないこともあるように思います)。

・病気の発症原因、家族の病歴、過去の病歴(完治している病気等)など業務上不要な情報を細かく追求すること。

・業務との関連性を説明せず、一律に「精神科や心療内科に通院歴があるかどうか」といった質問を行うこと。
どこまで聞いて良いかという解釈は、専門家によっても判断が分かれており、やはり画一的な結論を導くことは難しいですが、応募者側としては、「聞かれるかもしれない」と思っておくことがまずは大事だと考えます。

▼応募者側の視点

基本的には「聞かれことにだけ答える」という方針が良いかと思います(※下記に注意書きあり)。あくまで質問された範囲内で、業務に関係すること(通院頻度、勤務上の配慮が必要な事項など)について正確に回答できれば良いかと思います。

ただし、病歴について意図的な虚偽の申告や重要な事実の隠蔽を行い、それが原因で入社後に「求められている業務が遂行できない」などの問題が生じた場合、会社側から解雇事由に該当すると判断される可能性があります。このような事態を避けるためにも、聞かれた場合は、事実をできる限り正確に伝えることが重要になると考えます。

また、選考通過の可能性を高めるためには、「現在は症状が安定している(業務に支障は無い)」「医師から就業許可が出ている」など、はっきりと説明できると良いです。当たり前ですが、これも嘘をついてはダメです。

※注意書き

上記は法的側面などから「聞かれたことだけに答える」方針が良いと言いました。とはいっても、誰にでも当てはまるわけではありません。「聞かれたことだけに答える」を反対に捉えると、「聞かれなければ答えなくていい」となります。もし、業務に支障が無い(もしくはほとんど支障が無い)場合や、職場に何らかの配慮を求める必要が無い場合は、健康状態を説明しなくても良いと思います。

ただ、例えば下記のように病状が業務に影響する方もいるかと思います。
・細かい作業を数時間続けた場合は、一定の休憩が必要
・定期的な通院が必要で、勤務時間や日程に調整が必要になる
・繁忙期の長時間勤務や強いプレッシャーが病状悪化の要因になる
こうした場合には、業務に直接的に関わることでもあるため、自発的に申告・説明をしておいた方が、入社後は働きやすくなりますし、かつ長期的に働ける人が多い印象です。もちろん、健康状態を聞かれないのであれば、言わない方が単純に選考通過率は高まるでしょうが、入社後の業務上の配慮や理解が得られず、かえって働きづらくなるケースもあることを念頭に置く必要があります。

また、意外と多いのが「面接時に健康状態を言わなかったことにネガティブな印象を持っていること(自分が嘘をついてしまったのではないかと自己嫌悪に陥ってしまうこと)」です。仮に入社できても、ネガティブな印象を持ってしまい、仕事に集中できないどころか、病状が悪化してしまった人を何人も見てきました。

実際にココナラでも精神的な病状に関して「病状は先方に伝えるべきか」と質問を受けた場合、私は大体「中長期的な視点で自分のためにも言うようにしてください」とアドバイスしています。もちろん、病状を伝えることによって選考通過率は下がるかもしれません。しかし、本来仕事というのは、生活のために働き続けなければならないものです。目先の選考通過だけを優先してしまうと、頑張って入社できたとしても短期離職に繋がってしまったり、症状が悪化してしまってプライベートにも大きな影響が及ぶ可能性があります。ぜひ広く大きな視点で考えてみてください。

伝え方のポイント

精神的な病気について応募先に伝える際は、以下のポイントを押さえて説明すると良いでしょう。

①病名や症状を具体的に伝える
採用担当者は医療の専門家ではないため、精神的な病名だけでは判断が難しい場合があります。例えば、「適応障害」「うつ病」といった病名だけを伝えるのではなく、「強いストレスがかかった場合、倦怠感や不安感が出る」「集中力が落ちることがある」など、実際に業務に関連する可能性がある具体的な症状をわかりやすく伝えましょう。

②通院頻度や服薬状況など、勤務に影響する可能性がある事項を明確にする
例えば、「2週間に1度通院しているため、勤務時間を調整してほしい」「服薬している薬の影響で眠気が生じることがある」など、具体的な状況を説明します。そうすれば会社側も対応を検討しやすくなります。

③現在の病状や症状の改善状況を説明し、業務に支障がないことを具体的にアピールする
企業側が最も気にするのは、業務を継続的に遂行できるかどうかです。「現在は安定しており、症状が再発するリスクは低い」「医師から通常業務に支障がないと診断を受けている」など、現在の状況を説明することで、会社側は安心できます。※嘘はつかないでください。

④会社側に求める具体的な配慮(通院日の調整、残業の軽減など)を伝える
「月に1回通院が必要なため、その日は早退や遅刻の配慮をお願いしたい」「残業は1日1時間以内に抑えてほしい」など、自分が必要としているサポートを具体的に伝えましょう。会社側が採用後の勤務体制をイメージしやすくなります。

まとめ

精神的な病気を抱えている場合、転職活動において正直に伝えることは勇気が必要です。しかし長期的に安定したキャリアを築くためには、自分自身の健康状態をきちんと伝え、それを受け入れてくれる環境を選ぶことが最善策となります。ぜひ自分の状況と応募先の受け入れ態勢をしっかりと確認した上で、転職活動を進めてください。また、転職活動の過程で悩みごとがあれば、私にでもいいので相談してください。病状や経歴などは一切関係なく、誠実かつ真摯に対応させていただきます。

【著者プロフィールとサービス案内】

埼玉県在住。大学(経済学部)および大学院(法学研究科 修士課程)修了。人事・採用業務、求職者支援、採用コンサルティングに長年従事。現在はスキルシェアプラットフォーム「ココナラ」にて、履歴書・職務経歴書・志望動機・自己PRの作成や添削、面接対策サービスを展開。
人事実務経験を活かし、応募先が求めるポイントを的確に押さえた書類作成を行うことに定評があり、ココナラ内で1,400件以上の実績を有し、評価は星5つがほとんど。複雑なキャリアや職歴に自信がない方のサポート実績も多数あります。
転職や就職活動で結果を出したい方、選考通過に苦戦されている方はぜひお気軽にご相談ください。本物のプロが最後まで丁寧に対応し、あなたの期待以上の成果を約束します。

以上、ご覧いただきありがとうございました。

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