正しいことが、必ずしも良いこととは限らない

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コラム
エゴがある限り、私たちはそれぞれ、自分の正しさを大切に抱いて生きています。

そして、その正しさは、人の数だけ形や色を変えていきます。



この世界に、すべての人に同じように当てはまる「絶対の真理」はありません。

ある人にとって心地よいことが、別の人には合わず、かえって負担になることもあります。

だからこそ、正しいかどうかや、世間的に良いとされているかよりも——押し付けないことを大事にできたらと思います。



人の歴史を振り返れば、私たちは何度も「基準」を作り、それを他の人にも当てはめてきました。

国家は異端審問で異教徒を裁き、科学は優生学という名で差別を正当化しました。

倫理や道徳も、時に同性愛や少数派を「逸脱」として扱ってきました。

今の時代でも、SNSでの「正しさ」が、誰かを追い詰めてしまうことがあります。



こうした背景には、正しさを人に求める力があります。

たとえ心の中では納得できなくても、権威や多数派の前では従わざるを得ない——そんな場面が、長く続いてきました。



けれど、これからは少しずつ違う在り方が広がっていくはずです。

人の数だけ世界があり、世界の数だけ真理があります。

だから、自分の信じるものを無理に誰かに受け入れてもらう必要はありません。

必要とされたときにそっと差し出す——それだけで十分です。

もし「この真理を広めなければ」と急ぐ気持ちが出てきたら、それは無意識に相手を自分の形にはめようとしているサインかもしれません。

本当に深く知っている人は、相手の歩む速度やタイミングも大切にできるはずです。



覚えておきたいのは、ひとつの基準で正しさや間違いを測ろうとすると、知らないうちに視野が狭くなってしまうことです。

何が正しく、何が間違っているかばかりを追いかけるほど、幸せは遠のいてしまいます。

その代わりに、自分も相手もほっとできる共通点を、やさしく探せる人こそ、もうすでに幸せの中にいるのかもしれません。



だから今日、誰かの「正しさ」に心が揺れそうになったら、静かに自分にたずねてみてください。

——これは、本当に私と相手、両方を幸せにするだろうか。
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