【海外商談】日本と海外のオンライン商談は何が違うのか。海外在住の私が感じた“音・会話・関係構築”の差

【海外商談】日本と海外のオンライン商談は何が違うのか。海外在住の私が感じた“音・会話・関係構築”の差

記事
ビジネス・マーケティング

はじめに

海外の方とオンラインで話したあと、こんな感覚になったことはないでしょうか。

「会話は成立しているのに、なぜかどっと疲れる」
「相手の話が長くて、要点が見えにくい」
「失礼ではないはずなのに、少し圧を感じる」
「こちらも伝えたつもりなのに、微妙に認識がズレる」

私自身、最近は日本の方よりも海外の方と情報交換やオンラインMTGをする機会が増えています。
その中で強く感じるのは、オンライン商談の難しさは、単なる英語力の問題ではないということです。

音の聞こえ方。
話の進め方。
相手との距離の詰め方。
この3つが少しズレるだけで、商談の質はかなり変わります。

しかも今は、オンラインでの打ち合わせや商談が特別なものではありません。
OECDも、テレワークやハイブリッドワークは一時的な対応ではなく、より恒常的な働き方として定着しつつあると整理しています。その一方で、課題としてコミュニケーションや知識共有の難しさが挙げられており、企業にはオンラインでのコミュニケーション力や運用設計が求められています。

だからこそ、これからの時代は
「オンラインで話せる」だけでは足りません。

「オンラインでも、相手と気持ちよく認識を合わせられるか」
ここが、グローバルに仕事をするうえでかなり重要になってきます。

この記事では、海外在住の私が実際に感じている
「日本と海外のオンライン商談の違い」を整理しながら、

・なぜ噛み合わないのか
・どこでストレスが生まれるのか
・どうすれば改善できるのか

を、できるだけ実践的にまとめます。

海外との商談や情報交換が増えている方、
これから海外関連の仕事やLinkedIn活用を進めたい方にとって、次の一歩が見える内容になればうれしいです。

なぜ今、このテーマが重要なのか

オンライン商談の質が、そのまま信頼に直結する時代になった
今は、最初の接点がオンラインというケースが珍しくありません。

・海外企業との情報交換
・採用面談
・業務提携の打診
・営業や紹介の初回商談
・LinkedIn経由の接点づくり

こうした場面では、会う前に画面越しで印象が決まることが増えています。
つまり、オンラインでの伝え方や聞き方は、単なる会議スキルではなく、信頼形成の入口そのものです。

特に海外とのやり取りでは、対面よりも前提共有が少ない状態から会話が始まります。
日本国内なら暗黙に通じることも、海外では言語化しないと伝わりません。
逆に、相手がかなり丁寧に背景から話してくれることもあります。

この差を理解しないまま進めると、
「話が長い」
「回りくどい」
「押しが強い」
「こちらの間合いが通じない」
と感じやすくなります。

でも、ここを“相手の性格の問題”にしてしまうと、だいたいこじれます。
ややこしい生き物です、人間の会話は。

よくある勘違いは「うまくいかない原因は英語だけ」だと思うこと
もちろん、言語の壁はあります。
ただ、それだけではありません。

たとえば、相手がイヤフォンをしていないだけで、聞き取りやすさはかなり落ちます。
Google Meetはエコー対策としてヘッドホン利用を案内しており、Google Meetではマイクと外部スピーカーの組み合わせによってエコーが起きることも明記されています。Microsoft Teamsも、会議前・会議中の音声デバイス設定の確認を案内しています。

つまり、聞き取りにくさは「自分の英語力が足りない」ではなく、単に音声環境が悪いだけ、ということもかなりあります。

しかも研究では、音質の悪さは聞き手の負荷を上げ、ビデオ会議疲れの一因になりうると整理されています。
また、非ネイティブ訛りの英語は、最初は聞き取り努力が増えやすいことも報告されています。

つまり、オンライン商談で感じる疲れやズレは、能力不足ではなく
「音」
「構造」
「文化差」
の合わせ技で起きていることが多いのです。

海外在住だからこそ感じる、グローバル化のリアル
海外で生活していると、国籍も業界も違う相手とオンラインでつながることが日常になります。
その中で感じるのは、日本の進め方には強みがあり、海外の進め方にも強みがあるということです。

日本では、相手とのバランスを見ながら、簡潔に、要点を絞って話を進める場面が多い印象があります。
一方で海外では、背景や文脈をかなり含めて、自分の要件を前に出しながら話す人も少なくありません。

私の実感としては、日本では1聞いたら3くらいで返ってくる感覚。
海外では1聞いたら10で返ってくる感覚です。

ただし、これは単純に「海外は押しが強い」という話ではありません。
文化研究では、日本は高文脈寄り、つまり言葉以外の共有前提や関係性の理解を含めてやり取りしやすい文化として語られることがあります。逆に、より明示的に背景や要件を言葉に乗せる方が機能しやすい場もあります。

この違いを知らないと、相手の話し方を“圧”として受け取りやすい。
でも、知っているだけで、受け止め方と対処の仕方はかなり変わります。

解決の全体像

オンライン商談を改善するとき、私は次の4ステップで考えるのが実務的だと思っています。

ステップ1 音の土台を整える
まずは「聞こえる状態」を作る

ステップ2 話し方と進行を整える
会話の交通整理をする

ステップ3 聞き方と返し方を整える
理解を合わせながら進める

ステップ4 会議後のフォローで関係を深める
商談を“話して終わり”にしない

順番が大事です。
いきなり話し方のテクニックに走る前に、まず音です。

聞こえにくい商談は、それだけでかなり不利です。
地味ですが、ここを外すと全部しんどくなります。

ステップ1 音の土台を整える
要点
オンライン商談では、話し方より先に「聞こえ方」を整えることが重要です。

私がかなり強く感じているのが、相手がイヤフォンをしていない場合、相手が思っている以上に音声は聞き取りづらいということです。
特にPC本体スピーカーと内蔵マイクの組み合わせは、反響や距離の影響を受けやすく、こちらの集中力を削ってきます。

無線イヤフォンも便利ですが、相手の環境や機器次第で少し音が遠く感じることがあります。
そのため、私は重要なMTGでは有線イヤフォンや有線ヘッドセットの方が安定しやすいと感じています。

ここは少し丁寧に分けて考える必要があります。
Google MeetやTeamsの公式情報は「有線が必ず最適」と断定しているわけではありません。
ただし、Google Meetはヘッドホン利用を推奨し、Teamsも音声デバイスの確認や適切な設定変更を推奨しています。さらにGoogle Meetは、外部スピーカーと別のマイクの組み合わせでエコーが起こりうることを案内しています。

つまり、少なくとも
「何でもいいからつながればOK」
ではない、ということです。

やることリスト
■ 商談前に確認したいこと
・マイクとスピーカーが正しい機器になっているか
・反響しやすい部屋ではないか
・PC本体マイクのままになっていないか
・イヤフォンやヘッドセットを使えるか
・ノイズ抑制が使えるか
・重要商談なら、事前にテスト通話するか

ここでつまずきやすいポイント
「一応聞こえているから大丈夫」と思ってしまうことです。

でも、研究では、音の悪さは単に不便なだけでなく、聞き取り努力を増やして疲労につながると整理されています。
会議の前半で聞き取りにエネルギーを使いすぎると、後半の判断や理解が雑になりやすい。地味ですが、かなり怖いポイントです。

実務でのひとこと例
・「念のため、もし可能でしたらイヤフォンの方が聞き取りやすいです」
・「少し音が遠いので、マイク設定だけ一緒に見ても大丈夫ですか」
・「大事な話なので、音だけ先に整えられるとうれしいです」

相手に言いづらい気持ちはよく分かります。
でも、ここを曖昧にしたまま進めると、あとで両者が損をします。

ステップ2 話し方と進行を整える
要点
オンラインでは、内容の前に「会話の枠組み」を置いた方がうまくいきます。

日本の商談では、相手の反応を見ながら、ややコンパクトに進める場面が多い印象があります。
一方で海外では、自分の背景や要件、文脈をしっかり言葉にして話す人も多いです。

ここで起きやすいのが、聞き手側のフラストレーションです。
こちらは要点だけ聞きたいのに、相手は前提から丁寧に話してくる。
その結果、情報量の波に飲まれてしまう。

しかも会話の順番交代、いわゆるターンテイキングは、言葉だけでなく視線やジェスチャーにも支えられています。
研究では、視線は発話の受け渡しや会話の調整に重要な役割を果たし、ビデオ通話では自然なアイコンタクトが難しいため、相手の意図が読みづらくなることが示されています。

だからこそ、オンラインでは
「何を、どこまで、どういう順番で話すか」
を明示した方が、むしろ親切です。

やることリスト
■ 冒頭30秒で伝えたいこと
・今日の目的
・決めたいこと
・持ち時間
・話す順番

■ 話し方のコツ
・結論から話す
・1トピック1メッセージにする
・長くなるなら「3点あります」と区切る
・理解がズレそうなら、その場で要約を挟む
・必要ならチャットにも短く要点を残す

実際の言い回し例
・「今日は3点だけ確認したいです」
・「最初に概要、そのあと具体策、最後に次アクションで進めます」
・「少し広がってきたので、いったん私の理解を30秒で整理します」
・「最重要ポイントだけ先にいただけますか」

この一言があるだけで、会話の交通整理がかなりしやすくなります。

ここでつまずきやすいポイント
相手が話し始めたら、止めてはいけないと思い込むことです。
でも実際は、ただ黙って聞くことが最善とは限りません。

後で触れる通り、割り込みには“理解を助ける協調的なもの”と、“相手の話を奪う侵入的なもの”があります。
大事なのは、相手の流れを壊すことではなく、相互理解を守ることです。

ステップ3 聞き方と返し方を整える
要点
オンライン商談では、上手に話す人より、上手に整理して返せる人の方が強いです。

相手がたくさん話してくる場面では、ただ我慢して聞くだけだと疲れます。
しかも、聞いているつもりでも、あとで
「そこ、そういう意味だったのか」
となりやすい。

特に英語が共通言語でも、お互いが非ネイティブなら、アクセントやイントネーションの差で取りこぼしが起こります。
研究でも、非ネイティブ訛りの音声は最初の聞き取り努力を増やしやすいことが示されています。

だからこそ、聞き方には工夫が必要です。

やることリスト
■ 聞くときの基本
・相手の話を短く要約して返す
・固有名詞や数字はその場で確認する
・相手の意図、希望、制約を分けて聞く
・分かったふりをしない
・最後に合意点と未確定点を整理する

返し方の例
・「つまり、今いちばん優先したいのは新規顧客開拓という理解で合っていますか」
・「今の話は、営業と採用のテーマが混ざっていたので、先に営業側から整理しても大丈夫ですか」
・「理解はできました。実行順を決めるには、予算と体制も確認したいです」
・「要点は3つだと理解しました。私の認識を先に共有します」

こうした返し方をすると、相手も
「ちゃんと聞いてもらえている」
と感じやすくなります。

研究では、会話での視線や反応速度は、相手とのつながりや会話の流れに関係します。
また、ビデオ通話では自然なアイコンタクトが難しいため、聞いていることを“見せる”には、言葉による要約や確認がより重要になります。

ここでつまずきやすいポイント
「相手が長く話しているから、自分は最後まで待つべき」と思いすぎることです。

ただ、割り込みには質があります。
協調的な割り込みは、理解を助けたり、話を整理したりする役割を持ちます。
一方で侵入的な割り込みは、主導権を奪ったり、流れを断ち切ったりします。

つまり、全部の割り込みが悪者ではありません。
問題なのは、会話泥棒になることです。そこは避けたい。

ステップ4 会議後のフォローで関係を深める
要点
オンライン商談は、終わったあとに何を残すかで差がつきます。

日本国内の商談でもそうですが、海外とのやり取りでは特に
「会議後の整理」
が重要です。

対面なら、その場の空気や雑談で補完されることがあります。
でもオンラインでは、会議が終わると一気に接点が切れます。
だからこそ、あとに残る文章が信頼の代わりになります。

やることリスト
■ 会議後に送るとよい内容
・今日話した要点
・合意したこと
・まだ決まっていないこと
・次にやること
・担当者
・期限

・「本日はありがとうございました。私の理解では、本日の要点は以下の3点です」
・「次回までに、御社側はA、こちらはBを整理します」
・「認識違いがあれば遠慮なくお知らせください」

この一手間で、商談の温度感がかなり変わります。
相手も安心しやすくなりますし、次回の会話も前に進みやすいです。

OECDも、リモートワークではコミュニケーションや知識共有の課題があると述べています。
だからこそ、会議後のフォローは気遣いではなく、実務そのものです。

ミニ事例 実際に私が感じた変化

ここからは、私自身の実感ベースの話です。

以前、海外とのオンラインMTGで
「なんとなく疲れる」
「相手の話が頭に残りにくい」
「終わったあとに整理し直さないと意味が取れない」
ということが何度もありました。

最初は、自分の英語力や集中力の問題だと思っていました。
でも、振り返るとそうではありませんでした。

主な原因は、次の3つでした。

■ 1つ目
相手の音が遠い、または反響している

■ 2つ目
相手が背景や要件を一気に話すため、要点が埋もれる

■ 3つ目
会議後に認識を文章で揃えていない

そこで私は、重要な商談では次の3つを意識するようにしました。

・なるべく音声環境を整える
・冒頭で目的と進め方を置く
・最後に自分の言葉で要点を要約する

すると、体感ですが
「聞き返しの回数」
「認識ズレの持ち帰り」
「無駄に疲れる感じ」
がかなり減りました。

派手なテクニックではありません。
でも、オンライン商談はこういう基礎の積み重ねの方が効きます。

よくある質問

Q1. 相手にイヤフォンやヘッドセットをお願いするのは失礼ですか
失礼ではありません。
伝え方次第です。

「少し聞き取りやすくしたいので、可能ならイヤフォンだと助かります」
のように、会話の質を上げたい意図で伝えれば自然です。
実際、Google MeetやTeamsなどの公式情報でも、音声機器やデバイス設定の見直しは基本的な対策として案内されています。

Q2. 英語に自信がなくても海外商談はできますか
できます。
むしろ大事なのは、流暢さよりも構造です。

・結論から話す
・要約する
・確認する
・文章でも残す

この4つがあるだけで、かなり変わります。
アクセント差は確かに負荷になりますが、研究では exposure によって聞き取り努力や印象が改善する可能性も示されています。

Q3. 海外の相手はみんな話が長くて圧が強いのでしょうか
もちろん、そんなことはありません。
個人差もありますし、業界や役職でも変わります。

ただ、背景や意図を明示的に伝える方が合理的な環境では、話が長く感じることはあります。
それを“圧”として受け取るか、“文脈共有のスタイルの違い”として受け取るかで、対応はかなり変わります。

Q4. 自社でどこまで改善できますか
かなり多くの部分は自社で改善できます。

・音声環境の見直し
・商談アジェンダの作成
・冒頭の進行設計
・会議後の要約送付

このあたりはすぐ着手できます。

一方で、
・海外向けの打ち出し方
・LinkedIn活用
・グローバル商談の設計
・継続的な発信と問い合わせ導線づくり
まで含めて整えたい場合は、外部支援を入れた方が早いこともあります。

まとめ

日本と海外のオンライン商談の違いを一言でまとめるなら、
「言語の違い」よりも
「音の設計」
「会話の設計」
「関係構築の設計」
の違いが大きい、と私は感じています。

特に大事なのは、次の4つです。

■ 1. まず音を整える
聞こえにくい状態のまま進めない

■ 2. 会話の枠を置く
目的、順番、時間を最初に示す

■ 3. 要約して返す
聞き手のまま終わらず、理解を合わせる

■ 4. 会議後に文章で残す
商談を“いい感じだった”で終わらせない

日本式の丁寧さにも強みがあります。
海外の明示的な進め方にも強みがあります。

大事なのは、どちらが正しいかではありません。
相手と自分の違いを理解したうえで、ズレを減らす設計ができるかどうかです。

海外との商談や発信、パートナー連携、情報交換が増えている方ほど、こうした差を感覚で流さず、一度整理しておく価値は大きいと思います。

■ グローバルサポート(海外展開/移住・生活設計/パートナーシップ)
・海外市場のテスト運用(Pilot)と運用代行(BridgeOps)
・現地パートナー探し、共同プロジェクト設計など
・海外移住・生活設計の支援

■ LinkedIn活用 × マーケティング設計
・LinkedInプロフィール/会社ページの設計
・ターゲットに合わせたメッセージ軸の言語化
・オーガニック投稿の設計(コンテンツカレンダー作成)
・Sales Navigator/広告を組み込んだ“決裁者アプローチ”の仕組みづくり
・海外向けリーチ/人脈形成/リード獲得の戦略設計

「行動する」ことが第一歩なので、気になるタイミングで一度、状況を共有してもらえたら嬉しいです。
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