もう「待っているだけ」では来ない時代へ。訪日外国人の行動パターンと、地方×グローバル発信×LinkedIn活用の実践ステップ

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ビジネス・マーケティング

■【0】導入:人は来ているのに、「うち」には来ない


「ニュースでは“過去最高のインバウンド”と言っているのに、
うちの地域や施設には、そんな実感がない。」

・地方の温泉地
・歴史ある商店街
・ローカルな食や文化を伝える小さな施設
・自然豊かなエリアのゲストハウスやホテル

こうした声を、現場からよく聞きます。

・駅前や大型観光地には外国人が増えている
・でも、少しローカルに入るとほとんど見かけない
・問い合わせも、予約サイト経由の海外ゲストはまれ

このギャップは、「魅力がないから」ではありません。

■ 理由はシンプルで
 ● そもそも「存在していること」が、
 ● 訪日外国人の情報の流れの中に入っていない

からです。

そしてもう一つ重要なのが、
「個人観光客」だけでなく、
● 連れてくる側(旅行会社・コミュニティ・企業)
● 発信してくれる側(インフルエンサー・クリエイター)
とのつながりを、戦略的に作れているかどうか。

この記事では、

● 訪日外国人が「どのように行き先を決めているのか」
● 地方がその流れに乗るための、具体的な発信と整備のポイント
● B2B・パートナー開拓のハブとしての LinkedIn 活用の考え方

を、海外在住・グローバルサポートの立場から整理します。

読み終わる頃には、
「うちの地域は、どこから手を付けるべきか」
「どこまで自分たちでやって、どこから外部に頼むか」
がイメージできる状態になるはずです。

■【1】なぜ今、「地方×グローバル発信×LinkedIn」なのか

まず前提として、訪日外国人市場は
「戻った」ではなく「構造が変わった」と見るべきです。

● 以前よりも、情報の“オンライン依存度”が高い
● 個人手配・リモートワーカー・長期滞在など、タイプが多様化
● 有名どころ以外へのニーズもあるが、「見つけられない」

一方で、日本の地方側はこうなりがちです。

・自治体やDMOと、個々の事業者の動きがバラバラ
・オンライン上の情報が「日本語中心」「更新されていない」
・インバウンドを「受け身」で捉えている(待っているスタンス)

ここに、構造的なギャップが生まれます。

さらに、インバウンドは「個人客」だけではありません。

● 海外の旅行会社・ツアー企画会社
● リモートワーカー/ワーケーションを扱う事業者
● 企業の研修・合宿・インセンティブツアーを企画する担当者
● 海外在住のインフルエンサーやクリエイター

こういった「連れてくる側」との接点をつくることで、
一度に複数人が訪れる「流れ」を生み出せます。

この“連れてくる側”との接点づくりにおいて
・名刺交換や展示会だけに頼るのではなく
・オンライン上でも「探される」「信用される」状態を作る
ためのプラットフォームが、LinkedInです。

● 地方の魅力そのものを伝えるチャネル(SNS・動画・予約サイト)
● 連れてくる側とつながるチャネル(LinkedIn・B2Bネットワーク)

この2つを、意図的に両側から育てていくことが、
これからのインバウンド/グローバル戦略では重要になります。

■【2】訪日外国人の「行き先決定フロー」を分解する

「うちの地域に外国人が来ない」
この悩みをほどくには、
まず“相手側の動き方”を理解する必要があります。

ざっくりとしたフローは、次のようなものです。

【STEP A】インスピレーション(なんとなくの憧れ)
【STEP B】具体的候補のリストアップ
【STEP C】比較・検証(口コミ・安全性・コスパ)
【STEP D】予約・手配
【STEP E】滞在中の情報アップデート&シェア

これを、実際のチャネルと紐づけると…

● STEP A:インスピレーション
 - Instagram / TikTok / YouTube ショート
 - 友人のSNS投稿
 - 海外メディアの特集記事
 → 「日本に行きたい」「この景色の場所に行きたい」という“ざっくり欲求”

● STEP B:候補のリストアップ
 - Google 検索(”Japan hidden gems”, “best onsen town in Japan”など)
 - ブログ・旅行サイトのまとめ記事
- 地名+アクティビティでの検索
 → 有名どころ+少しマニアックな場所が混ざった「候補リスト」ができる

● STEP C:比較・検証
 - Google Maps のレビュー・写真
 - TripAdvisor / Booking.com / Airbnb の口コミ
 - 安全情報・アクセスのしやすさ・英語の通じやすさ
 → 「ここなら安心して行けそう」と判断されるかどうか

● STEP D:予約・手配
 - OTA(Online Travel Agency:Booking.com など)
 - 公式サイト・DM
 - パッケージツアー
 → 購入の“最後のひと押し”は、「手続きのしやすさ」と「安心感」

● STEP E:滞在中&その後
 - Google Maps で周辺を再検索
 - SNSでシェア(写真・ストーリーズ・動画)
 → 次の旅行者へのインスピレーションの“種”になる

ここで、地方がやりがちなミスは、

■ STEP D(予約)だけを整えようとしてしまうこと

です。

・宿の予約サイトは整えた
・英語ページも最低限作った
でも、そもそも A〜C の段階で「候補に入っていない」ため、
勝負する土俵に上がれていないことが多いのです。

地方がやるべきは、
・STEP A〜C で“存在”に気づいてもらう仕掛け
・D の予約まで自然に流れ着く導線
の両方です。

■【3】地方が押さえるべき3つの軸


 ──コンテンツ・チャネル・パートナー

ここからは、具体的な整理に入ります。

● ① コンテンツ(何を見せるか)

「うちは全部が魅力なんです」と言いたくなるのが人情ですが、
海外の人に向けては、一言で言える魅力が必要です。

・“仕事終わりに、温泉とローカル飯を楽しめるワーケーション拠点”
・“鉄道好きがニヤッとするローカル線と駅舎を楽しめる町”
・“発酵文化とローカルフードを深く味わえる滞在型の地域”

このように、
● 誰にとって
● どんな体験ができる場所なのか
を、できるだけ「短い言葉」にすることがポイントです。

● ② チャネル(どこで見せるか)

すべてに全力投球すると、続きません。
優先順位をつけることが大事です。

最低限、おすすめしたいのは次の3つ。

・Google Maps(+口コミサイト)
・SNS(Instagram or TikTok)
・予約導線(OTAまたは自社サイト)

それぞれの役割を明確にしましょう。

・Google Maps:
 → 「ここに実在する場所」「行っても大丈夫な場所」という信頼の証

・SNS(Instagram/TikTok):
 → 「行ってみたい」「ここで過ごす自分を想像できる」感情のスイッチ

・予約導線:
 → 「今すぐ手配できる」という行動のスイッチ

● ③ パートナー(誰と組むか)

ここが、地方にとっては抜け落ちがちなポイントです。

・海外の旅行会社
・リモートワーク/ワーケーション関連の事業者
・海外在住の日本人コミュニティ
・インフルエンサー/動画クリエイター

こうした人たちは、
「自分の顧客に紹介できる“面白くて安全な場所”」を常に探しています。

そして、彼らが使っている B2B寄りの接点が、
メールと、LinkedIn です。

■ 地方のグローバル発信は
 ● コンテンツ(何を)
 ● チャネル(どこで)
 ● パートナー(誰と)
この3つの掛け算で考えると、戦略が整理しやすくなります。

■【4】LinkedInは「連れてくる側」と出会うためのハブ

LinkedIn は、個人観光客を直接集客するツールではありません。
むしろ、こんな役割を持っています。

● 1)「信頼して紹介できる地域・事業者」として見つけてもらう
● 2)「一緒に企画できそうな相手」として声をかけてもらう
● 3)海外のパートナーと長期的な関係性を築く土台になる

たとえば、こんな相手とつながることをイメージできます。

・ヨーロッパのワーケーション専門の旅行会社
・海外のコワーキングスペース運営者
・日本に興味を持つ海外の起業家・フリーランス
・企業の人事/研修担当者(チーム合宿やオフサイトの候補地を探している)

そのために、まず整えるべきは次の3つです。

● ① 担当者のプロフィール(個人アカウント)

・英語での肩書き
 例)“Regional Workation & Tourism Coordinator in ○○ Prefecture, Japan”
・「この地域で何をしている人なのか」が一言で伝わる要約
・どんなパートナーを探しているのか(Who I’d love to connect with)

● ② 組織/プロジェクトのページ(会社ページ)

・英語でのミッション・地域紹介
・写真(風景・施設・体験の様子)
・公式サイトやSNSへのリンク

● ③ 投稿内容

・地域のストーリー(なぜこの地域なのか)
・インバウンドやワーケーションに関するニュースへのコメント
・実際に受け入れたゲストの声(許可を得たうえで)
・「こういうパートナーを探しています」という開示

これらを「完璧に」やる必要はありません。
重要なのは、

■ 「ここに、こういう地域・こういう担当者がいる」
■ 「海外とつながる意志がある」

ことが、英語で最低限伝わる状態をつくることです。

■【5】実践ステップ:地方が今から始める5ステップ

ここからは、
「実際にどう進めるか」を5ステップで整理します。

● STEP1:ターゲットと目的を決める

まずは、紙1枚で構いません。
次のような問いに答えてみてください。

・どの国/地域の人に来てほしいか?
・どんな滞在スタイルを想定するか?(観光/ワーケーション/研修など)
・1人あたり、どのくらいの期間・単価をイメージしているか?

例)
「ヨーロッパのIT系リモートワーカーが、1〜2週間滞在して、
 自然と温泉とローカルフードを楽しめるワーケーション先」

ターゲットが具体的になるほど、
発信のメッセージもクリアになります。

● STEP2:外国人目線で強みを棚卸しする

次に、「外国人目線での魅力」を棚卸しします。
日本人の“当たり前”は、海外の人にとっての“特別”です。

・“仕事終わりに温泉に入れる”こと
・地域の人と距離が近い飲食店
・ローカルな祭りや行事
・静けさや、夜の暗さ(星がよく見える等)

紙に書き出してみて、

■ 「この地域らしさ」を一言で表すフレーズ
■ 写真1枚で伝わる「象徴的な景色やシーン」

を1〜2個に絞ってみましょう。

● STEP3:オンライン上の「基礎体力」を整える

ここは、AIも活用しながら、
コツコツ整えていく部分です。

■ Google Maps

・英語の説明文(What / Where / For who / Why unique)
・最新の営業時間・定休日・価格帯
・写真を数枚追加(昼・夜・人がいるシーンなど)
・可能なら、口コミへの英語での返信も少しずつ

■ SNS(Instagram or TikTok)

・ターゲット向けに英語キャプション+シンプルな日本語
・「位置情報」「ハッシュタグ」を意識して付ける
・AIショート動画や画像生成を使って、ビジュアルの質を底上げ

■ 予約導線(OTA or 自社サイト)

・英語でのプラン説明(長文でなくてもよい)
・「ワーケーション向け」「長期滞在向け」など、ニーズごとのプラン整理
・問い合わせ手段を明記(メール・フォームなど)

● STEP4:LinkedInの“受け皿”をつくる

・担当者個人の LinkedIn プロフィールを英語で整える
・可能であれば、プロジェクト/地域名義の会社ページを立ち上げる

その上で、次のようなアクションが考えられます。

・「Japan workation」「remote work in Japan」といったキーワードで検索
・ヨーロッパやアジアのコワーキング運営者や旅行会社をフォロー
・興味のある相手に、簡単な自己紹介メッセージ+リンクを送る

このとき、
「長文の営業メール」ではなく、
・地域の簡単な紹介
・どんなパートナーを探しているか
・オンラインで15〜20分話せませんか?

くらいのライトな打診から始めるのがポイントです。

● STEP5:小さなテスト企画で、仮説を検証する

いきなり「年間○○人」などの目標を立てるのではなく、
まずは小さく試し、
・どんな層に刺さるか
・どのチャネルから反応があったか
を確かめます。

例)

・海外のコワーキングと連携した「1組限定ワーケーションプラン」
・海外クリエイター1人を招いて、代わりに動画を制作してもらう
・リモートチームのオフサイト合宿を、1社だけ受け入れてみる

ここで得たフィードバックや体験談を、
再び SNS と LinkedIn で発信していくことで、
次の企画につながる「ストーリー」と「証拠」が溜まっていきます。

■【6】よくある質問・不安(Q&A)

Q1. 英語が苦手ですが、それでも始められますか?

A. はい、大丈夫です。
AIツール(翻訳・ライティング補助)をうまく使えば、

・たたきの英語文案をAIで作成
・重要な部分だけ、外部パートナーにチェックを依頼

という形でも十分成立します。

重要なのは、「完璧な英語」ではなく
● 誤解が生まれない基本情報
● 相手へのリスペクトが伝わるコミュニケーション
です。

Q2. LinkedIn はアカウントだけ作って放置していました。今さらでも意味はありますか?

A. むしろ、今から整えれば「差別化のチャンス」です。
日本の地方・観光系で、
LinkedIn を戦略的に使っているプレーヤーはまだ多くありません。

・プロフィールを整える
・数本の投稿を書いておく
だけでも、「ちゃんと動いている人」として見てもらえます。

Q3. 小さな事業者/自治体レベルでも、世界とつながる意味はありますか?

A. あります。
むしろ、規模が小さいからこそ、

・柔軟な企画
・濃い体験
・顔が見える距離感

といった“ローカルならではの価値”を出しやすいです。

大事なのは
「何でもできます」ではなく
「こういう人に、こういう体験を届けたい」
と絞り込むことです。

Q4. 自分たちでやる範囲と、外部に頼む範囲はどう分ければいいですか?

A. ひとつの目安は、次の通りです。

● 自分たちでやるべきこと
 - 地域の強み・ストーリーの整理
 - ターゲットの設定
 - 受け入れ体制(実際の体験・サービス)の設計

● 外部と組んだ方がいいこと
 - 英語ライティングの最終チェック
- SNS/動画クリエイティブの設計
 - LinkedIn プロフィールと戦略の設計

「すべてを丸投げ」でも「すべて内製」でもなく、
ちょうどいい分担を探すのがおすすめです。

■【7】まとめ:待つ時代から、「見つけてもらい」「つながる」時代へ

最後に、要点を整理します。

● 訪日外国人の行動パターンは、
 “オンラインでの情報収集 → 比較 → 予約 → シェア”
 という流れにますます依存している。

● 多くの地方は、
 この流れの「入り口(インスピレーション)」と
 「比較の場(Google Mapsや口コミ)」で存在感が薄い。

● 地方がやるべきは、
 ① コンテンツ(誰に何を届ける地域なのか)
 ② チャネル(どこでどう見せるか)
 ③ パートナー(誰と一緒に広げるか)
 の3つを、意図的に設計すること。

● LinkedIn は、
 「連れてくる側」とつながり、
 地方の魅力を中長期的に発信していくためのハブになる。

そして、今日からできる具体的な一歩は、たとえば次の3つです。

1)「どの国のどんな人に来てほしいか」を1パターン書き出す
2)Google Maps の自施設・自地域の情報を、ターゲット目線で見直す
3)担当者の LinkedIn プロフィールを開き、「英語でひと言だけでも」自己紹介を追記する

これだけでも、
「待っているだけ」の状態から一歩抜け出すことができます。

■ ここから先を、一緒に整理したい方へ

もしあなたが、

・海外生活や移住、ノマド的な働き方に興味がある
・自社のグローバル展開や海外リーチを考え始めている
・AIやSNSを使って、海外向けの発信や採用を強化したい
・でも、何から手をつければいいか分からない

そんな状態なら、一度、現状を一緒に棚卸ししてみませんか。

■ LinkedIn × AI海外リーチ / マーケティング
・企画・戦略設計
・コンテンツ制作
・SNS運用
・グローバルリーチ(多言語設計)
・アポイント獲得、営業支援
「行動する」ことが第一歩なので、気になるタイミングで一度、状況を共有してもらえたら嬉しいです。
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