AI検索でWebマーケティングはどう変わる?2026年9月の最新ニュースから見えてきたこと
ここ最近、Webマーケティング界隈のニュースを追っていると、少しずつ空気が変わってきたなと感じます。
AI検索が広がり、Google検索の使われ方も変わってきました。
ChatGPTやGeminiに直接質問して、商品を比較する人も増えています。
広告も「クリックしてLPを見る」だけではなく、AIと会話しながら商品を理解する形が出てきました。
一方で、AIを使えばコンテンツ制作が簡単になるかというと、必ずしも成果につながっているわけではありません。
むしろ今は、
「どれだけ多くの人に見られたか」より、「見た人がそのあと何をしたか」
まで考える必要が出てきています。
今回は、2026年9月に公開されたWebマーケティング関連のニュースをいくつか見ながら、これからのSEOやコンテンツ、広告がどう変わっていきそうなのかを整理してみます。
アクセスが減っても、成果まで落ちているとは限らない
まず気になったのが、Search Engine Journalが9月18日に紹介した検索マーケティングの調査です。
調査では、39%の回答者が
「トラフィックは減少、または横ばいだったものの、リードやコンバージョンは維持・改善した」
と回答しています。
一方で、トラフィックとコンバージョンの両方が落ちた人は15%でした。
これはかなり面白い結果です。
これまでSEOでは、
「アクセスが増えた」
「検索流入が増えた」
という数字が成果として見られやすかったですよね。
もちろんアクセス数は今でも大切です。
人に見てもらえなければ、何も始まりません。
ただ、AI OverviewやAI検索の利用が広がると、簡単な疑問は検索結果やAI回答だけで解決されるケースも増えてきます。
そうなると、わざわざWebサイトまで来る人は、
「もっと詳しく知りたい」
「サービスを比較したい」
「実際に依頼したい」
という、少し温度感の高い人になっていく可能性があります。
たとえば、
先月はブログ10,000PVで問い合わせ5件。
今月は7,000PVまで落ちたけれど、問い合わせは8件。
この状態なら、
「PVが30%減ったから失敗」
とは言い切れません。
むしろ、来ている人の質が変わっている可能性もあります。
僕なら今後、アクセス数だけを見ずに、
問い合わせ数や購入数まで一緒に確認します。
AI検索対策への関心は高い。でも、まだ測り方が固まっていない
同じ調査では、GEOについても興味深い結果が出ています。
GEOは、ChatGPTやGeminiなどの生成AI・回答エンジン上で、自社や自社コンテンツが見つけられやすくなることを意識した取り組みです。
調査では、GEOを現在の強い成果要因として挙げた人は14%でした。
ところが、今後1年間でGEOへ投資・優先すると答えた割合は43%。
今の成果よりも、これからへの期待の方がかなり大きいんです。
一方で、AI検索での可視性を
「非常に自信を持って測定できる」
と答えた人は9%にとどまっています。
つまり、
「AI検索は重要そう。でも、何をもって成功とするのかはまだ決まりきっていない」
という状態なんですよね。
ここは個人的にもかなり納得できます。
SEOなら、
検索順位
クリック数
流入数
コンバージョン
という指標がある程度定着しています。
AI検索になると、
引用されたのか
名前を出されたのか
候補として推薦されたのか
そこからサイトへ来たのか
見る場所が増えます。
だから今の段階では、
「SEOはもう終わり。これからはGEOだけ」
と極端に考えるより、
これまでのSEOを続けながら、AI上でどう見られているかも観察する
くらいが現実的だと思います。
実際、同じ調査でも81%が、今後1年間のSEO投資を維持または増加すると答えています。
検索キーワードが、少しずつ「会話」に近づいている
もう一つ興味深かったのが、Google広告の検索語データを使った分析です。
Search Engine Landが9月11日に紹介したデータでは、2025年1月から2026年8月にかけて、1〜2語の短い検索クエリが占めるインプレッション比率が42%から24%へ低下。
その一方で、3〜4語の検索クエリは33%から48%へ上昇したとされています。
Google検索全体の公式統計ではありませんが、検索の仕方が少しずつ長く、具体的になっている傾向が見えます。
たとえば昔なら、
「ココナラ 集客」
で終わっていた検索が、
「ココナラに出品して3か月だけど閲覧はあるのに売れない」
のような形に近づいていく。
ChatGPTやGeminiを使うときって、僕たちはかなり普通の文章で質問しますよね。
その感覚が、通常の検索にも少しずつ入ってきているのかもしれません。
そう考えると、ブログ記事も変わります。
単純に
「Webマーケティングとは」
だけを書くのではなく、
「アクセスはあるのに問い合わせが来ないとき、何を見ればいい?」
のように、読者が実際に困っている状況へ深く答える記事の価値が上がっていきそうです。
Geminiは、1つの質問に対して複数回検索している
日本国内の調査でも、AI検索の動きが少し見えてきています。
9月21日に公開された調査では、18業界・1,800問をGoogle Geminiへ入力したところ、1,675回答、つまり93.1%でWeb検索が発生したと報告されています。
さらに、1つの質問に対して平均4.13件の検索クエリが生成され、平均12.74件の引用データが取得されたとのこと。
もちろん、これはLLMO支援企業による独自調査です。
すべてのAI検索が同じ動きをするとは限りません。
ただ、面白いのは
「引用されたサイト」と「実際に回答内で名前を出された企業」が一致しないことがある
という点です。
たとえば、自社の料金ページが情報源として使われても、自社名自体はおすすめ企業として出てこない。
反対に、比較サイトが引用され、その中に掲載されている企業が候補として紹介されることもある。
つまり、
「AIに引用された=自社が選ばれた」ではない
ということです。
これからAI検索対策を考えるなら、
引用されたかどうかだけでなく、
自社やサービス名がどんな文脈で紹介されているのか
まで見た方がよさそうです。
商品を買う前にAIへ相談する人も増えている
生成AIは、情報収集だけでなく購入前の比較にも使われ始めています。
国内500人を対象にした9月の企業調査では、生成AI利用者の66.3%が、商品やサービスを購入する前にAIで比較検討した経験があると回答しています。
さらに、そのうち65.2%が
「AIが意思決定に影響した」
と回答しました。
この数字を日本全体へそのまま当てはめることはできませんが、購買行動が変わり始めている材料にはなります。
以前なら、
Googleで検索
↓
比較サイトを見る
↓
公式サイトを確認する
という流れが中心でした。
今はそこに、
AIへ質問
↓
候補を教えてもらう
↓
公式サイトや口コミを確認する
という動きが入り始めています。
ただし、同じ調査では
「情報が古い・間違っているかもしれない」
という不安を持つ人も多くいました。
つまり、
AIで候補を知ったあと、結局は公式情報を確認する
という流れもまだかなり残っています。
ここを考えると、Webサイトやサービスページの役割がなくなるわけではありません。
むしろ、
AIで知った人が来たときに、信頼できる情報を用意しておく
ことが大切になりそうです。
広告も「クリックさせる」だけではなくなってきた
広告の変化も面白いです。
OpenAIは9月16日、ChatGPT Adsの新しい広告体験としてSponsored Agentsを発表しました。
広告を見たユーザーが、その企業のAIエージェントとそのまま会話できる仕組みです。
たとえば家具の広告を見て、
「このサイズは自分の部屋に入る?」
「何人座れる?」
「手入れはどうする?」
といった質問を、その場で確認できる。
従来の広告は、
広告を見る
↓
LPへ移動
↓
自分で説明を読む
という流れが基本でした。
今後は、
広告を見る
↓
その場で質問する
↓
疑問を解消する
↓
必要ならWebサイトへ進む
という形も増えてくるかもしれません。
まだ米国の一部広告主を対象とした限定的なテストですが、
購入前の不安を「会話」で解消する広告
という方向性は、かなり印象的です。
これまで以上に、
「広告をクリックさせる」
だけではなく、
そのあと何を知りたいのか
まで考える必要が出てきそうです。
AIを使えば記事制作は速くなる。でも成果まで増えるとは限らない
コンテンツマーケティングでは、少し厳しい調査結果もありました。
Search Engine Landが9月10日に紹介したOrbit Mediaの調査では、AIを利用しているマーケターは92%を超えています。
ところが、
ブログから「強い成果が出ている」
と答えた割合は14%。
同調査の12年間で最低水準だったとされています。
ここだけを見ると
「AIで記事を書いたらダメなの?」
と思いますよね。
ただ、元記事はそんな単純な話をしていません。
むしろ、
独自調査
キーワード調査
人による編集
アクセス分析
インフルエンサーとの協業
有料プロモーション
など、以前から成果と関連していた施策を実施する割合が減っていることを指摘しています。
つまり、
AIで文章を作ること自体が問題というより、AIで作れる文章だけで終わっていること
の方が問題なのかもしれません。
これはブログを書く側として、かなり考えさせられます。
AIを使えば、
構成も作れる。
タイトルも出せる。
文章も速く書ける。
その分、
「この記事にしかないものは何?」
が今まで以上に重要になります。
自分の経験。
実際の数字。
お客様から聞かれた質問。
失敗した施策。
改善前後の変化。
こういう情報は、単純な要約記事とは違います。
AI時代だからこそ、
人が持っている一次情報の価値が上がる
とも考えられそうです。
いろいろなニュースを見て、僕が一番感じたこと
今回のニュースを並べてみると、
「SEOが終わった」
とか
「これからはAIだけやればいい」
という単純な話ではありませんでした。
むしろ、
お客様が商品を知ってから購入するまでの経路が増えている
と考えた方がしっくりきます。
Googleで検索する。
AI Overviewを見る。
ChatGPTに聞く。
SNSを見る。
比較サイトを読む。
口コミを確認する。
公式サイトへ来る。
いろいろな場所を行き来したあとに、購入する。
だからWebマーケティング側も、
「Googleから何人来た?」
だけでは足りなくなってきています。
アクセスが減ったとしても、問い合わせが増えているなら必ずしも悪くない。
AIに引用されても、企業名が候補に出ていなければ意味合いは違う。
ブログを大量に作っても、売上につながらなければ目的からズレている。
結局、見るべきなのは
「その人が次に何をしたか」
なんですよね。
◆これからWebマーケティングで意識したいこと
今回のニュースを踏まえると、僕なら今後は3つを意識します。
まず、PVだけで判断しない。
次に、広いテーマだけでなく、読者の具体的な質問へ答えるコンテンツを増やす。
そして、AIでもまとめられる一般論だけでなく、自分しか持っていない経験や事例を記事に入れる。
この3つです。
新しいAIツールが出るたびに、全部追いかける必要はないと思います。
それよりも、
誰に見てもらい
何を知ってもらい
最後に何をしてほしいのか
を決めておく。
そのうえで、AI検索や広告など新しい接点を追加していく。
この順番の方が、Webマーケティング初心者でも迷いにくいはずです。
◆最後に
2026年9月のニュースを見ていると、Webマーケティングは
「アクセスを集める競争」から、「必要な人に選ばれる競争」へ少しずつ移っている
ように感じます。
検索順位が下がった。
PVが減った。
インプレッションが落ちた。
もちろん気になる数字です。
ただ、その数字だけで
「集客が失敗した」
と決める前に、
問い合わせはどうだったか。
購入はどうだったか。
売上はどうだったか。
そこまで一度確認してみてください。
もしかすると、
人は減っているのに、成果は良くなっている
ということもあるかもしれません。
これからのWebマーケティングでは、
数字を大きくすること以上に
「どの数字を成果として見るのか」
を決めることが、かなり重要になってきそうです。