無職中年のまぁくんです。
昨日は、とある知人と電話していて、その方の職場の人間関係について話題が及びました。そのお話を聞いてて思ったことを書いてみます。
リーダーの強権
なんでも、リーダーの方が、仕事はできるけど、周囲のメンバーへの当たりがキツいようで、ついて行けずに辞める/転出する人が出てしまうようです。
私の知人は、そこのスーパーバイザーみたいな立場。仕事デキるリーダーのご機嫌は損ねたく無いけど、その職場に居られない人が続出する状況も放っておけない、とお悩みの様子。
「あー、そういうことアルアルよなぁ・・・」と知人に同情したのですが、知人は上司と相談し、「最悪、そのリーダーを配置替えするか」という話も上がってきているそうです。
きっとリーダーも、悪気は無い
確かに、職場の雰囲気をギスギスさせる、強権スパルタなリーダーが、フォロー・サポート下手で脱落者を頻繁に出しているなら、それは放置できない問題ですね。特に今はSNS時代。「あそこはオラオラな人が仕切ってて、気に入られないとハラスを受ける」的な評判が立って回ってしまうと、今後の人の採用にも影響しかねないでしょう。
一方で、聞けばそのリーダーは、確かに仕事はデキるそうです。ということは想像するに、仕事に対しては真摯で有能なのでしょう。そして、自分と同じ理想・考え方・行動様式を周囲にも当然のものとして求め、それが理解できない・ついて行けない人に容赦ない対応をしてるんだと思われます。
1つの職場に集うメンバーが、皆同じく、リーダーと同レベルの能力・思想・動機で集まっているなら成立余地もあるのかも知れませんが、おそらく現実の全ての職場はそうなっていない。経験も能力もまちまち、価値観や動機も様々。それを自分と同一にさせることは、恐らく完璧にできる人は誰もいないと思います。
だから、私は以下の点を推論し、知人にもお伝えしました。
・そのリーダーに悪気は無い。
・そのリーダーは、想像力と現実と折り合う「諦め」が不足しており、自分と同一の人間しか
認めないという頑なさを持ってしまっている。
問題の伝え方・改善の促し方
悪気がないからそのままでも良い、ということにはなりません。リーダーの素晴らしい仕事ぶりは継続してもらいつつも、メンバーが続々潰れる・抜けていく状況は変えなければならないでしょう。
変えるためには、やはりキーマンは、このリーダーになると思います。ただ、このリーダーは、そもそも問題があることに気づいてないか、問題の原因は自分にはないと思っている可能性が高い。まずは、問題の大きな要因の一つがリーダーにある、と本人に認識してもらわないといけないでしょう。
次に、今のまんまではダメだとして、じゃあ何をどう変えていく、というのを考えて試行していかねばなりません。これも、本人の努力は不可欠なので、本人に促さなければならないでしょう。
ただ、その2点を伝えることは、安易にやってしまうと悲惨なことになりかねません。伝えたい意図と別の誤ったメッセージに受け取られて、リーダーがヘソを曲げてますます強権を強めたり、ボイコットしたり、謀反を起こしたりもしかねません。なので、タイミングと伝え方を慎重に考え、相手の状況や受け取り方を注意深く観察しながら、焦らずに行わないといけないでしょう。
ここで伝えたいことは何なのか、スーパーバイザーの立場に立ったつもりで想定すると、以下3点かと思います。
・リーダーの仕事ぶりには大いに感謝しており、助かっている。
・ただ、副作用が出ていて、人の採用と定着に問題が出ている。
・人が定着し、成長していける職場にするために、改善に協力してほしい。
多分、上記は順番通りに伝わっていかないと、望んでない間違えた受け止め方になってしまうと思います。
苦言を受け止める側の見え方
この手の、苦言の伝達において、受け止める側がなってしまいがちなものを挙げてみます。
①「お前は害悪の根源でしかない」と言われているように感じる
②「原因は全てお前だ」と言われているように感じる
③「お前の問題だから、改善もお前が1人でしろ」と言われているように感じる
1つずつ、見ていきます。
①「お前は害悪の根源でしかない」と感じる
これは、伝える側が、いきなり問題点の指摘から入ることで起こることが多いでしょう。知人のケースで言えば、リーダーは仕事がデキて、日頃仕事が回ってるのは多分にリーダーの奮闘のおかげな訳です。その点を評価・感謝していることを伝えず、問題点から入ってしまうと、指摘された方は「プラス要素は0%でマイナス要素が100%」と言われているように感じてしまう訳です。
これは子どもの勉強などにも言えるかと思います。算数の点数が低いから、算数をもう少し勉強しよう、という際にも、起こりがちな気がします。
お前は心が優しくて周りの人をよく助けている。
国語もよくデキるから人の言うことを理解したり自分の言いたいことを伝えるのも上手い。
ただ、算数が低いから、このままだと計算できずにお金を損したり、人に間違えた数字伝えて迷惑かけたりする可能性もある。
算数もデキるように頑張ろう
このように伝えることで、基本OK・基本スゴいけど、変えないと困る・変えたらもっといい点がある、と理解してもらい、じゃあどうするを考える流れが良いと思うのです。
②「原因は全てお前だ」と感じる
これは、伝える側が、大きな原因はあなたにあるとしても、決してあなただけのせいでもない、と踏まえた伝え方ができない時に、起こりがちです。
この点は、次の③と合わせて語った方が分かりやすいと思うので、③で述べます。
③「お前の問題だから、改善もお前が1人でしろ」と感じる
知人のケースも、主因はそのリーダーの言動かもしれません。しかし、リーダーにも言い分はあるはずです。
それは辛く当たるメンバーが覚えが悪くて間違ったことを繰り返すとか、メンバーの意識が低くていい加減だ、とかかもしれません。リーダーが、そのメンバーに対して「もっと言ったことをちゃんと受け止めて動いてほしい」「もっと意識を高めてしっかりやってほしい」と願うことは、悪いことではないし、なんなら当然です。
上記の推測が正しければ、実は問題点は、「リーダーのつらく当たる言動」というよりも「デキないメンバーの改善・成長を促進する手段が正しくない」という方が正確かもしれません。そうすると、改善すべき課題が2つに分解されます。
(1)リーダーが、メンバーに改善・成長を促す手段が不適切
(2)そのメンバーに、技術・心構えなどどこか不足がある
こう分解すると、リーダー本人の責任は上記(1)のみです。もう1つの原因である上記(2)については、メンバー本人も含めて組織的に対応すべき課題となります。
結局、想い・願い・意図は悪くないのでは?
上記の考え方でいくと、究極、パワハラ強権も、その奥底にあった想い・願い・意図は実は悪いものではない、ということが少なくありません。「指導のつもりが」というのも、おそらく初期は本当にそうだったんだものが、エスカレートして指導からかけ離れたイジメになるという構図ではないか、と思うのです。
じゃあ、何が悪いのかというと、私が考えるに、以下2点です。
A. 伝えたい相手に対する自分の要求が、自分でも明確になってない
B. 相手に対する要求の伝え方が下手くそ
で、これも私の感覚でしかありませんが、上記Bより、そもそも上記Aが問題であることがほとんどだ、と思っています。
「なんかムカつく」「なぜかイラつく」といった、不快に感じる感情をきちんと要因分解せず、ムカつく/イラつくベースで行動に移している人が、大概ハラスメントを起こしています。
本当は、その不快感情を要因分解して、自分起因(体調が悪い、たまたま別件で機嫌が悪い、期待過剰)と相手起因(分かっててほしいことを分かってない、しないで欲しいことをする)をより分けるべきだと思うのです。それができたら、次にすべきことは「怒鳴る」「無視する」といったことではない、と論理的な人は分かります。
したいことは、「伝わってない自分の気持ち・想い・知恵・行動方針を、相手に伝えて分かってほしい」なので、それを実現するのに、怒鳴ったりシカトしたりするのが近道にならないことは、冷静に理屈を突き詰めれば分かるはずです。
自分の感情を掘り下げて、要求事項に落とし込む
そう考えると、ハラスメントの発生を根絶するには、ハラスメント事例を懲罰だけしていても、モグラ叩きと恐怖政治にしかならない気がするのです。
それよりは、自分の感情を直情径行にリアクション(行動)に移すことなく、いったん見つめて要因分析し、具体的に何をどうしたいかの要求事項に落とし込む訓練を、家庭教育・学校教育などで施すべきではないか、と思うのです。
「あー、もうなんかイライラする」と負の感情を漂わせ、トゲトゲした言動を撒き散らす行為を、「スカンキング」などとも言うそうです。欧米では、採用の際に、応募者の態度・性質が「スカンキング」をするタイプかどうか見極めるところもあるそうです。思えば、圧迫面接なんてのは、不愉快な状況にどういう態度で臨むか見ようとする行為だったのかもしれません。
世の中から、感情に任せてスカンキングすることが減って、要求事項に落とし込んで調和的・効果的な手段で伝え合える機会が増えていくことを、切に願っている次第です。