きっかけ---気持ちにある一つの性質（補足③）

気持ちにある一つの性質の補足説明の記事を２つ書き綴ってきました。

補足①で、気持ちの「より良く」は、本能で、気持ちを見失うことで「より良く」が分離し不安定になる。

補足②で、心と気持ちはコインの表裏のような関係で、心と気持ちがワンセットで「本来の自分」と言える。

今回は、さらに補足説明の③「不安定を嫌う気持ち」を書き綴ってみたいと思います。

気持ちを見失った時点で、気持ちは不安定になるのですが、その不安定な状態を詳しく観ると、気持ちの性質「より良く」が「より」と「良く」に分離するとお伝えしました。

「より良く」で在るからこそ、安定した気持ちなのですが、「より」と「良く」に分離してしまうと不安定な気持ちにならざるを得ません。

では、不安定な気持ちのままで過ごせるかと言いますと、とても居心地が悪いので過ごせません。

気持ちがざわついていたり、落ち着かない状態の時は、やはり落ち着かせたいと感じますよね。

気持ちは、不安定を嫌い、安定を好みます。

しかし、気持ちを見失っている状態では、分離した「より」と「良く」をワンセットにはなかなか戻せません。

（少し詳しく説明すれば、元々、「より良く」は気持ちをどんなに見失っても分離することはないので、元に戻すことは出来ません（必要はありません）。分離していないのですから当たり前ですね。笑　つまり、分離しているように見えるだけで分離はしておらず、「より」もしくは「良く」が見えなくなっているだけです。）

それでも、気持ちを見失っている状態でも本能は機能していますから、気持ちを安定させようとします。

気持ちを見失って、「より」と「良く」に分離した時に、どちらが見失われやすいかと言いますと、「良く」が見失われやすくなります。

例えば、勉強の成績が「悪い」時には、「良く」したいと思いますが、「良い」時に「良く」したいとはなかなか思えません。

「でも、良い成績をとっても、次にはもっと良い成績を取りたいと思います。」と言われる方もおられるとは思うのですが、よく観るとその最初に収めた「良い成績」は、他社との比較で「良い」と判断しているだけで、本音では「良くない」と思っているから「もっと良い成績」と思われている方がとても多いです。

「でも、気持ちを見失っていないから次は『より良い』成績をと思っているのではないですか？」と言われる方もおられるでしょうが、気持ち見失っていない時には、「より良い成績を」とは、一切思いません。

気持ちの性質としての「より良く」なので、自分の意識上に「より良く」は浮上してきません。

気持ちで生きる結果として、この瞬間が「より良く」なっていくのであって、結果から判断して「次はもっと良くしてやろう！」と思うことはありません。

気持ちを見失っているからこそ、「次は、もっと（より）良く」と思えるのです。

例え話は、ここまでにして、気持ちを見失うことで気持ちの性質「より良く」が分離し「より」と「良く」になりと同時に「良く」は見失われやすくなります。

「良く」が見失われれば、「より」だけが残る（無意識に意識される）のですが、「より」だけでは、気持ちが不安定なので不安定を解消するために「より」の相方を強烈に探し始めます。強烈にです。

そこで「より」の相方に選ばれやすい（認識しやすい、手っ取り早い）のが、「お金」など物質的なものです。物質的なもの以外では「地位」や「名誉」なども選ばれやすいです。

「より」は本能的なものなので、絶えずこの瞬間に生じます。

それによって、対象となる「お金」は、どんなに稼ごうとどんなに貯蓄しようと「もっと（より）お金」となりやすくなります。

そして、本来、「お金」は「より」の相棒ではないので、気持ちは不安定なままに変わりありません。

気持ちが不安定なまま、「よりお金」で過ごし続けるのですが、心地よい時間を過ごすことはそうそうありません。

ただ、楽しく過ごせる瞬間は、それなりにあるとは思います。

お金を得た瞬間、貯蓄が増えた瞬間、お金を使った瞬間など、楽しいと感じる瞬間はあるでしょうが、「楽しい」と「気持ちの安定」は全く別物です。

例えば、気持ちを見失っていない時に感じる「楽しい」と、気持ちを見失っている時に感じる「楽しい」では『後味』が違います。

見失っていない時の「楽しい」は、後味スッキリで何も残しません。まったく。（笑）

しかし、見失っている時の「楽しい」は、後味がとても残ります。「この楽しい時間がこのまま続けばよいのに…」なんて思ったことよくありませんか？私は以前よくありました。（笑）

後味がとても悪いでしょう？（苦笑）

話がまた少しそれましたが、気持ちは不安定を嫌います。とても。（笑）

続く。

かゎら