手塚治虫の漫画「ブッダ」の問題点とは

手塚治虫の漫画「ブッダ」の問題点とは

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コラム
「死の哲学入門」内藤理恵子著は古今東西の哲学者が死をどのように考えていたかを解説した名著だと思います。
 この本の中で手塚治虫の漫画「ブッダ」の死のシーンを分析している部分がありましたのでご紹介しましょう。
 ブッダが死を迎えようとしていた時、ブッダはブラフマン神と会話をします。
 「あなたはまだ死が怖いですか」とブラフマン神が問うとブッダはブラフマン神に「私が死んだら私の教えはどうなるのですか」と詰め寄ります。
 ブラフマン神は「あなたは大自然のどこかで自分の教えの行く末がどうなっていくかを見守っていくことでしょう」と語りかけます。
 迷いのない覚者としての最期は不安に苛まれる人間に描き変えられています。
 実際に経典に描かれているブッダにはこのような部分はなく死に際しても超然としており、この部分はあくまで手塚治虫の創作です。
 またブッダが説いた「涅槃」も「大自然のどこか」に変わってしまっています。
 著者は手塚治虫の漫画「ブッダ」は読者が多いだけに、日本人が仏教を誤解するのではないか、と危惧しています。
 では、なぜ手塚治虫はこのような改変を行ったのでしょうか。
 手塚治虫は講演で「煩悩の権化のような人間が私は大好きです。真面目くさった天使や神様なんかよりよっぽど好きなんです」と述べています。どうやらこの改変は手塚治虫の好みだったようです。
 実際に手塚治虫は漫画「ブッダ」の中であくまでこれは漫画ですから、と断りを入れているシーンがあるのです。
 このような理由から、この漫画はあくまでフィクションとして楽しまれる方がいいように思われます。
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