私と娘はそれぞれ別の留置所に入りました。
娘がどこの留置所に入るかは教えてもらいました。
何せすべてが初めての体験。
荷物や、身に着けていた物はもちろん取り上げられて
着ていた服を脱がされて全身調べられて(股の間まではありませんでした)
派手に猫にひっかかれた傷があちこちにあって
リストカットかなんかじゃないかと疑われました。
後で聞いたら娘もそうだったらしい 笑
悪いことをしてこうなったという自覚がほとんどなかったまま
こんな状態になったから
実際に中に連れて行かれていわゆる牢屋を見るまではあまり実感がなかったけど
頑丈な檻と、その中にいる人たちの好奇の目を見た瞬間に
「いやだ!!!!!絶対にいやだ!!!!帰りたいっ!!!!」
と強く思ったのは今でもはっきり覚えています。
だけど逃げるわけにもだだをこねるわけにもいかず
ふつう~のおばさんが頑丈な檻の中に放り込まれました。
いかにも世話好きそうなお姉さんがすぐに飛んできて、あれこれ教えてくれました。
牢屋は留置所の中で5つか6つかあって
同じ牢屋にいるのはせいぜい4~5人
他の部屋の人と会うのは週に一回のおやつみたいな特別食事の時と
週に二回の入浴時間だけでした。
同じ部屋にいたのは世話好きの太ったお姉さんと
中国人のブルーな感じのお姉さんと
インドネシア人のきれ~~~~いなお姉さんの3人。
みんな若かったけどとても優しくしてくれて
ドラマと違ってて良かった。
インドネシア人と中国人のお姉さんは不法滞在での逮捕。
(本当は逮捕された理由とかはしゃべっちゃいけません)
二人の境遇はとてもかわいそうで、こんな人たちも世の中にはたくさんいるんだと、とても勉強になったし、
何とかしてあげたいけど何もできず本当自分てバカみたいと思った。
特に中国のお姉さんは生まれた場所が悪かった、ただそれだけで
仕事もない、だからと言ってパスポートも作れない
だから連れ戻されても連れ戻されてもまた日本に来て働くしかない。
それしか選択肢がない。そんな人生を送っていました。
私が逮捕されたら家族が飢えるんだと。そればかり心配していました。
インドネシアのお姉さんには子供がいて
自分が母国に帰されたら子供はどうなるかわからない
会えなくなるかも知れないという不安とともに
そのせまい留置所の中になんともう3か月もいるとの事でした。
でもすごくキレイで強い人で、しょっちゅうストレッチとかヨガみたいな事をやっていました。
本当に絵に描いたような美人で、変な話ですが留置所の中はノーブラなので
男性警察官が見回りのフリをして、よく彼女の事を見に来てました。
ウザかった。
でも何度か私の前でこれからの不安を訴えながら号泣していました。
どうしてあげる事もできず、一緒に泣くだけだったけど。
世話好きの太ったお姉さんは、途中で気が付いたけどおそらくすごい虚言癖があって
妻○木君とやったことあるとか、優しいけどあそこは小さかったとか
家に火をつけて保険金詐欺でつかまったとか、なんかもうどれが本当でどれが嘘か
わからない感じだったし精神安定剤を飲むと何をやっても起きなくなる面白い子でした。
六本木かなんかのクラブで踊りまくっていた時の
頭とか腰をグルグルまわす、変なスパゲッティのセクシーダンスを見せてくれました。
出てからも会いたいからメールアドレスを教えろと言われて困りました。
っていうか彼女の言う犯罪歴が本当なら、かなり長い間出ては来られないだろうと思ったけど。
出たら必ず脂肪吸引するんだ~~!とどこまでも呑気な彼女だったけど元気かな。
結論として私は15日間そこの留置場に拘留されていました。
週に何回かは裁判所?までバスで行くんだけど
そこから見る光景は、当たり前だけどまるで普通の朝の光景で。
仕事に向かうんだろう、自転車を必死にこぐ人を見て
「あっちも地獄、こっちも地獄だなぁ」と思った。
朝、起きた時も、「あーー!ご飯作らなくていいんだ~!」とちょっと嬉しい自分にびっくりした。
ご飯もわりと美味しくて、上げ膳据え膳、仕事もしないで寝たり起きたり
喉が乾いたら「水くださ~い」って言えば持ってきてもらえて
定期的に健康診断まであって。
これって子供がいなかったら全然辛くないんじゃ?って思いました。
その頃はまだたばこを吸っていて、がまんするのだけが辛かったけど
それでも一日に2本だか3本は吸わせてもらえたし。
ただただ辛かったのは子供たちの事。
バスで行くのは通学時間よりちょっとだけ早かったから
小学生の姿は見ないですんだけど
ランドセルの子供たちがわーわー行くのを見たらきっと耐えられなかったと思う。
何度か私も留置所の中で大泣きしたけど、それはいつも朝の時間で
今頃どうやって学校に行く支度をしてるのか、いつもならこんなだなぁと思ったら
かわいそうでかわいそうで辛くて辛くて取り調べが始まってもなかなか泣き止めなかったのを覚えています。
結局は不起訴になって終わりましたが、なーにが不起訴だよ・・と思ったのが正直。
何度も何度も繰り返された取り調べではぜんぶ本当のことを話した。
調書は辞書より分厚くなったのに
そこにあったのは私が言った言葉とは違う言葉ばかり。
なんてウソつきなんだろうと驚いた。
聞かれて聞かれて、しゃべってしゃべって、
手が鉛かなんかなんですか?ってくらい遅いタイピングでワープロに入力するのを待ち
また聞かれてしゃべって。
その結果がこれかーい!?とずっこけそうになるくらい嘘ばっかりだった。
でも、その時は「とにかく帰れればいいや」と思うもんね。
「それは嘘です!」なんて言う勇気はない。
ただ、「帰ったら娘さんを彼氏と別れさせますか?」と聞かれてハイとは言えなかった。
「さぁ。それは娘たちの問題ですので」って言ったら
裁判官にめっちゃおっかない顔して見られました。
その後、娘はその彼と結婚しましたよ~~