広告の相談を受けていて、もったいないと感じることがあります。
60分の相談のうち、30分以上が状況の確認で終わってしまうケースです。
「予算はいくらですか」「コンバージョンは計測していますか」「何件くらい取れていますか」——こうした確認に時間を使うと、肝心の「で、何をすればいいのか」に入る頃には残り時間が少なくなっています。
逆に、事前に情報が整理されている方の相談は、最初の10分で状況把握が終わり、残りをすべて中身に使えます。同じ料金・同じ時間でも、持ち帰れるものがまったく違います。
この記事では、相談・診断を依頼する前に用意しておくと良いものを5つに絞ってお伝えします。全部そろわなくても構いません。 ある分だけで十分に効果があります。
準備1:困っていることを1つに絞る
これが一番大事です。
「全体的にうまくいっていない」という状態でも相談はできますが、時間内に扱えるテーマには限りがあります。
次のうち、今いちばん解決したいものを1つ決めてください。
・コンバージョンが計測できていない
・問い合わせは来るが数が足りない
・獲得単価が高すぎる
・広告が審査に通らない
・そもそも設定が合っているか分からない
・自分で続けるか外注するか決めたい
「全部です」と言いたくなる気持ちは分かります。 ただ、優先順位を付けるのは本来ご本人にしかできない判断です。ここが決まっていると、相談する側も逆算して話を組み立てられます。
準備2:数字を4つだけ控える
細かいレポートは要りません。管理画面から次の4つを見て、メモしておいてください。
1. 直近1か月の広告費
2. クリック数
3. コンバージョン数(計測していれば)
4. 実際の問い合わせ件数(メール・電話を数えた実数)
4つ目を入れているのには理由があります。
管理画面の数字と実際の件数がズレている場合、それ自体が最大の発見になることが多いからです。計測が壊れていることに、この突き合わせで初めて気づく方は少なくありません。
数えるのが難しければ「だいたい月◯件くらい」で構いません。正確さより、桁が合っていることのほうが大事です。
準備3:アカウントを見られる状態か確認する
相談の当日、画面を見られないと分かることが大きく減ります。
事前に確認しておいていただきたいのは次の3点です。
・自分がGoogle広告アカウントの管理者になっているか
・GA4やタグマネージャーを使っている場合、それも見られる状態か
・制作会社が管理している場合、当日その画面を開けるか
制作会社に作ってもらったアカウントで、自分では見られなかったというケースは実際にあります。この場合、当日になって「見られませんでした」となり、相談時間が無駄になります。
なお、アカウント共有にパスワードを渡す必要はありません。 メールアドレスへの権限付与で共有できます。パスワードの提供を求められた場合は、いったん立ち止まってください。
準備4:これまで試したことを書き出す
同じことを二度提案されるのを防ぐためです。
箇条書きで構いません。
・キーワードを◯個追加した(いつ)
・広告文を書き換えた(いつ)
・予算を◯円から◯円に変えた(いつ)
・以前、別の方に相談した(何を言われたか)
特に「いつ」が重要です。 先週変えたばかりなら、まだ結果を判断できる段階ではありません。この情報がないと、「まだ待つべき」なのか「効いていないから変えるべき」なのかを区別できません。
うまくいかなかったことも、遠慮なく書いてください。失敗した施策は、原因を絞り込むための情報になります。
準備5:「何を決めたいか」をはっきりさせる
相談のゴールを、次のどれかで考えてみてください。
・ **原因を知りたい**(なぜこうなっているのか)
・ **やり方を知りたい**(どう設定すればいいのか)
・ **判断したい**(続けるか、止めるか、外注するか)
この3つは、必要な話の進め方が違います。
「判断したい」なら、細かい設定の話より、費用と見込みの整理に時間を使うべきです。「やり方を知りたい」なら、画面を一緒に触りながら進めるほうが早い。
ここが伝わっていないと、聞きたかったことと違う話に時間を使ってしまいます。
準備できていなくても相談していい場合
念のため書いておきます。次の状態でも相談して問題ありません。
・まだ広告を始めていない(これから始める段階)
・数字の見方が分からず、どこを見ればいいのかも分からない
・アカウントを触るのが不安で、ほとんど設定していない
この場合は、「何が分からないかが分からない」という状態そのものを伝えてください。 そこから整理するのも相談の範囲です。
準備は、相談の質を上げるためのものであって、相談の条件ではありません。
相談のときに聞いておくとよいこと
こちらからも1つ提案です。時間の終わりに、次の2つを聞いてみてください。
1. 「次にやるべきことを、優先順に3つ挙げるとしたら何ですか」
2. 「自分でできることと、できないことの線引きはどこですか」
たくさんアドバイスをもらっても、全部はできません。 順番が分かっていれば、上から手を付けられます。
2つ目は、外注の判断に直結します。自分でできる範囲が分かれば、無理に依頼を広げずに済みます。
依頼する前に、自分で確認できること
相談を待たずに今日できることもあります。これだけで解決してしまうこともあります。
・ [ ] 自分のスマホで、広告をクリックしてフォーム送信まで通してみる
・ [ ] 実際の問い合わせ件数と、管理画面のコンバージョン数を比べる
・ [ ] 検索語句のレポートを開いて、意図しない語が混ざっていないか見る
・ [ ] 広告のリンク先が、正しいページになっているか確認する
4つ目は笑い話のようですが、実際にあります。 サイトを更新してURLが変わり、広告のリンク先が古いままになっているケースです。
準備チェックリスト
相談前に用意する
・ [ ] いちばん解決したいことを1つに絞った
・ [ ] 広告費・クリック数・CV数・実際の問い合わせ件数の4つを控えた
・ [ ] アカウントを当日見られる状態か確認した
・ [ ] これまで試したことと、その時期を書き出した
・ [ ] 「原因を知りたい/やり方を知りたい/判断したい」のどれか決めた
当日
・ [ ] 優先順位を3つ聞く
・ [ ] 自分でできる範囲の線引きを聞く
よくある質問
Q. 数字を見せるのに抵抗があります
見せられる範囲で構いません。ただ、広告費とコンバージョン数が分からないと、改善の判断はかなり難しくなります。 差し支えのない範囲を先に決めておいてください。
Q. 準備に時間がかかりそうです
4つの数字を控えるだけなら10分程度です。完璧を目指さず、分かる範囲でメモしてください。
Q. 何も分かっていない状態で相談したら、呆れられませんか
そういうことはありません。分からない状態から始める方のほうが多いです。 中途半端に触った状態より、素直に「分からない」から始めるほうが、結果的に早く進むこともあります。
まとめ:今日できること
1. いちばん解決したいことを1つに絞る
2. 広告費・クリック数・CV数・実際の問い合わせ件数をメモする
3. 自分がアカウントの管理者になっているか確認する
4. これまで試したことと時期を書き出す
相談の時間は、状況説明ではなく判断のために使ってください。 準備の有無で、同じ時間から持ち帰れるものは大きく変わります。
現状を整理してもらったうえで、次に何をすべきか優先順位を付けてほしい、という場合は「現役代理店がGoogle広告を改善診断します」で、アカウントの状況を一緒に確認しています。上記の準備がそろっていなくてもご相談いただけます。 何から整理すべきかからご案内します。