「サイトには来ているのに、問い合わせまで至らない人が大半」
アクセス解析を見ると、これはどの業種でも当たり前に起きています。初回訪問でその場で決める人は、ごく一部です。
そこで出てくるのが、一度サイトに来た人へもう一度広告を出す方法です。リマーケティング、リターゲティングと呼ばれます。
考え方はシンプルで、すでに興味を持っている相手に絞って予算を使うというものです。まったく知らない人に届けるより効率が良くなりやすく、予算の小さい事業者ほど相性が良い手法でもあります。
ただし、始める前に確認しておかないと空振りになる条件がいくつかあります。この記事では、始め方と、つまずきやすいところを順番に整理します。
始める前の前提:人数が溜まらないと配信できない
ここが最初の関門です。
リマーケティングは「サイトに来た人のリスト」に対して配信します。このリストには最低人数の条件があり、達しないと配信自体が始まりません。
必要人数は媒体や配信面によって異なり、変更されることもあります(要確認)。ただ、数十人では足りず、数百人以上の規模が必要になると考えておくのが安全です。
つまり、次のような場合は先にやることがあります。
・月間のサイト訪問が数十人しかいない
・広告を出し始めたばかりで、まだ訪問が溜まっていない
この状態でリマーケティングを設定しても、配信されないまま時間だけが過ぎます。 まずは通常の広告や自然流入で訪問者を増やすほうが先です。
先に「溜め始める」ことはできる
配信はできなくても、タグを先に設置しておくことには意味があります。
リストは、タグを設置した日以降の訪問者から溜まり始めます。過去にさかのぼって集めることはできません。
「いつか使うかもしれない」なら、今日タグだけ入れておくのが正解です。これは無料でできます。
どう始めるか
Meta広告(Instagram含む)の場合
1. Metaのタグ(ピクセル)をサイトに設置する
2. 設置後、管理画面で正しく反応しているかを確認する
3. 訪問者のリスト(カスタムオーディエンス)を作成する
4. そのリストを対象にした広告セットを作る
手順2を飛ばさないでください。 設置したつもりで動いていないケースが本当に多く、その場合は何日待ってもリストが増えません。
Google広告の場合
1. Googleのタグを設置する(GA4を使っている場合は、そちらのデータを利用する方法もあります)
2. リスト(オーディエンス)が溜まっているか管理画面で確認する
3. リストを対象にしたキャンペーンを作る、または既存の検索キャンペーンに付ける
Googleの場合、検索広告に「一度来た人だけ入札を強める」形で組み合わせる使い方もあります。バナーで追いかけるだけが方法ではありません。
名称や設定場所は変更されることがあります(要確認)。
つまずきやすいところ
1. 全訪問者をひとまとめにしている
最も多い失敗です。
トップページを3秒見て離脱した人と、料金ページを読んで問い合わせフォームまで進んだ人。この2人に同じ広告を出しても、噛み合いません。
分けるなら、まずはこの2つで十分です。
・ **全訪問者** … 幅広く思い出してもらう
・ **特定のページまで来た人**(料金、事例、フォーム手前など) … 検討が進んでいる
後者は人数こそ少ないですが、成果につながる確率は明確に高くなります。 予算が小さいなら、こちらを優先してください。
2. すでに買った人を除外していない
これは必ず設定してください。
問い合わせ済み・購入済みの人に広告を出し続けると、次のことが起きます。
・予算が無駄になる
・「もう申し込んだのに追いかけてくる」という印象になる
除外は、成果ページ(サンクスページ)に到達した人のリストを作り、配信対象から外すことで設定できます。最初に設定しておけば、あとは自動で効きます。
3. 同じ人に何度も出しすぎる
リマーケティングは対象が限られているため、放っておくと同じ人に何度も表示されます。
1日に何度も同じ広告を見せられると、興味を持っていた人でも印象が悪くなります。表示頻度に上限を設ける設定があるので、確認しておいてください(設定名は変更されることがあります。要確認)。
目安としては、1人あたり1日1〜2回を超えないあたりから注意が必要です。 ただし商材の検討期間によって適切な水準は変わるため、自分のアカウントで表示頻度の数値を見ながら調整してください。
4. 期間の設定を考えていない
「何日以内に訪問した人」を対象にするかを決められます。
・ **短め(7〜14日)** … 検討中の熱があるうちに。飲食、美容、予約系
・ **長め(30〜90日)** … 検討期間が長い商材。リフォーム、士業、高額サービス
自分の商材で、問い合わせまでにどのくらいかかるかを思い出してください。 3か月悩む商材で7日に設定していると、ほとんどの人が対象から外れます。
5. 広告の中身が初回と同じ
一度見た人に、初回とまったく同じ広告を出しても響きません。
すでに知っている前提で、次の一歩を促す内容に変えてください。
・ 初回:「〇〇でお困りではありませんか」
・ 再訪促し:「無料相談を受け付けています」「よくあるご質問はこちら」
迷って離脱した理由に応える内容(価格の不安、実績への不安、手続きの面倒さ)が向いています。
プライバシーまわりで知っておくこと
追跡の仕組みは、ブラウザやOSの制限によって年々狭くなっています。以前より対象人数が集まりにくくなっているのは事実として押さえておいてください。
また、サイトによってはCookieの同意取得が必要になる場合があります。該当するかどうかは事業の内容や対象地域によって変わるため、必要に応じて専門家に確認してください。 ここは広告運用の範囲を超える判断が含まれます。
確認チェックリスト
始める前
・ [ ] タグを設置し、正しく反応しているか確認した
・ [ ] リストの人数が配信可能な水準に達している
・ [ ] 達していない場合、まず訪問者を増やす施策を優先している
設定
・ [ ] 全訪問者と、検討が進んだ人のリストを分けた
・ [ ] 問い合わせ済み・購入済みの人を除外した
・ [ ] 対象期間を商材の検討期間に合わせた
・ [ ] 表示頻度の上限を設定した
中身
・ [ ] 初回と違う訴求になっている
・ [ ] 離脱理由に応える内容が入っている
よくある質問
Q. しつこいと思われませんか
除外設定と表示頻度の上限、この2つを設定していれば、過度に追いかける状態にはなりにくいです。逆に、この2つを設定していない状態が「しつこい広告」になります。
Q. 予算はどのくらい必要ですか
対象人数が限られるため、通常の広告ほどの予算は必要ありません。まずは全体予算の一部を割り当てて、成果を見ながら調整するのが現実的です。
Q. タグを入れるとサイトが重くなりませんか
複数のタグを無秩序に入れると影響が出ることはあります。タグマネージャーでまとめて管理すると、把握しやすくなります。
Q. 効果はいつ分かりますか
リストが溜まるまでに時間がかかるため、設定した翌日には判断できません。最低でも数週間は様子を見てください。
まとめ:今日できること
1. タグが設置されているか、動いているかを確認する(未設置なら、今日入れる)
2. 現在のリスト人数が配信可能な水準に達しているか見る
3. 問い合わせ済みの人を除外する設定を入れる
4. 対象期間を、自分の商材の検討期間に合わせる
リマーケティングは、新しい人を集める施策ではなく、取りこぼしを拾う施策です。すでに来ている人がいるなら、そこから手を付けるのが最も効率的です。
タグの設置や最初の設定でつまずいている、正しく動いているか自信がない、という場合は「インスタ・Meta広告の初期設定を支援します」で、画面を共有しながら一緒に設定を進めています。設定が反応しているかの確認までご案内します。