ちゃんと寝たはずなのに、朝から疲れている……。漢方では、そんな人を2タイプに分けます。エネルギーが足りていないタイプと、エネルギーの巡りが悪くて心身がうまく働かないタイプです。それぞれのタイプの見分け方と、タイプ別におすすめな漢方薬を紹介します。
◆昼から午後にかけてさらに疲れる人におすすめ
朝以降さらに疲れる人は、体がガス欠です。エネルギーが足りていません。エネルギーを補う漢方薬がおすすめです。
・四君子湯(しくんしとう)
効能:やせて顔色が悪くて、食欲がなく、つかれやすいものの次の諸症:胃腸虚弱、慢性胃炎、胃のもたれ、嘔吐、下痢
高麗人参がたくさん入っていて、エネルギーを補充します。四君子湯は消化機能を高めて栄養をたくさん吸収させる漢方薬なので、胃が弱くたくさん食べられない人に向いています。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
効能:体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒こちらも高麗人参がたくさん入っています。補中益気湯も、消化機能を高め栄養を吸収させる漢方薬なので、胃が弱く食欲がない人向けです。また、エネルギーを上半身に送って脳をしゃっきりさせる生薬が入っているため、やる気が出ない人に向いています。
・帰脾湯(きひとう)
効能:虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症:. 貧血、不眠症
高麗人参と、血を補って心身を滋養する生薬がたくさん入っています。帰脾湯も消化機能を高め栄養を吸収させる漢方薬なので、胃が弱く食欲がない人向けです。血を補うので、貧血がある人におすすめ。
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
効能:病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
これも高麗人参と、血を補って心身を滋養する生薬がたくさん入っています。体を温める生薬も入っているので、冷え気味な人におすすめ。エネルギーを補充する生薬と血を補充する生薬を全部乗せした漢方薬なので、過労や病み上がりで全身衰えている時に向いています。
◆昼から午後にかけて疲れがマシになる人におすすめ
動いていると疲れがマシになる人は、エネルギーの巡りが悪いです。自律神経が乱れています。心身を動かすエネルギー自体はあるため、巡りを良くして自律神経を整える漢方薬がおすすめです。
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
効能:気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症
エネルギーの巡りをよくする漢方薬です。喉や胸に何かつかえた感じがする人に向いています。エネルギーの巡りが悪いと憂鬱や不安がでるため、半夏厚朴湯は憂鬱や不安がある人にも使います。
・香蘇散(こうそさん)
効能:胃腸虚弱で神経質の人の風邪の初期(ツムラの場合)感冒、頭痛、ジンマ疹、神経衰弱、婦人更年期神経症、神経性月経困難症(小太郎製薬株式会社の場合)
風邪薬ですが、エネルギーの巡りをよくする生薬がたくさん入っています。そのため、応用的に憂鬱や不安がある人に使います。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
効能:体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症(※)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のこと
エネルギーと血の巡りをよくして全身を整える漢方薬です。いつもいろいろな不調があり、けれど不調な場所が次々移り変わる人に向いています。体力がない人向けの漢方薬です。
・女神散(にょしんさん)
効能:のぼせとめまいのあるものの次の諸症:産前産後の神経症、月経不順、血の道症
こちらもエネルギーと血の巡りをよくして全身を整える漢方薬です。不調な場所がいつも決まっていて変わらない人に向いています。どちらかといえば、体力がある人向けの漢方薬です。女性に使う漢方薬のような名前ですが、もともとは刀傷を負った侍に使う漢方薬だったので、男性が飲んでも問題ありません。
◆漢方薬の服用にあたっては医師または薬剤師に相談を
漢方薬は副作用がある薬です。また、今飲んでいる薬と飲み合わせが悪い可能性もあります。漢方薬の服用にあたっては、医師または薬剤師に相談してください。