「送料はいくらですか?」
「返品はできますか?」
「初めてでも利用できますか?」
一つひとつは短い質問です。
でも商品登録や発送作業の途中に何度も届くと、そのたびに手が止まります。
一件なら数分でも毎日続くとなかなか重い。
こうした定型の問い合わせを受け持ってくれるのがFAQチャットボットです。
サイト上でお客様が質問すると、用意した案内をもとに回答してくれます。
ただ「AIを入れればあとは任せられる」と考えてしまうと、導入後に困る場面が出てきます。
何を答えてもらうか。
どこから人が対応するか。
私はこの線引きを先に決めておくのがいいと思います。
■ FAQがあるのに問い合わせが来る理由
サイトに説明を載せていても、お客様がそこにたどり着けるとは限りません。
配送の案内は利用ガイド、返品条件は別ページ、商品ごとの注意点は商品説明の下の方。
運営側には分かりきった配置でも、初めて来た人には探しにくいことがあります。
お店にたとえると、売り場には案内札があるのに受付まで聞きに来ているような状態です。
そうなんですよね。情報があることと見つけられることは別なんです。
よくある質問へのリンクを商品ページの近くに置いたり、案内の見出しを変えたりするだけで改善する場合もあります。
そのうえで「質問を入力すれば必要な案内が見つかる窓口」を用意したいとき、チャットボットが役立ちます。
営業時間外でも公開済みの情報を確認してもらえます。
■ Difyのボットには何を渡すのか
DifyはAIを使うアプリを組み立てるためのツールです。
FAQやサービス案内を登録し、質問に関係する情報を探してから回答させる構成を作れます。
この「資料を検索してから回答を作る」仕組みをRAGと呼びます。
新しいスタッフに接客マニュアルを渡し、それを確認しながら案内してもらうイメージに近いと思います。
マニュアルに返品条件が書かれていなければ、そのスタッフも困りますよね。
ボットも同じで、回答の元になる情報を整える作業が先に必要です。
配送や返品、利用方法など、繰り返し届く定型の質問から集めてみてください。
過去の問い合わせを見返して個人情報を除き、質問だけを並べると作るべきFAQが見えてきます。
最初からすべての業務を任せようとしなくていいんです。
■ 「返品できます」だけでは足りない
FAQを作るときは回答の条件まで書いておきます。
対象商品、受付期限、連絡方法、送料の扱い。
このあたりが抜けていると、お客様もボットも判断に迷います。
たとえば架空の店舗なら「未使用品は到着後7日以内にご連絡ください。受注生産品は対象外です」といった書き方です。
実際には自店の規定に合わせて整理します。
もう一つ決めたいのが人へつなぐ質問です。
「返品の条件を教えて」ならFAQで案内できます。
でも「私の注文を返品したい」になると、注文内容や商品の状態を確認しないと話が進みません。
注文状況の確認や個別の返金判断、予約変更はFAQを登録しただけでは処理できません。
担当者の窓口を案内するか、業務システムと連携する設計が必要になります。
口調を整えることも大事ですが、誰に取り次ぐかまで決まっている方が現場では助かると思います。
■ 上手に答えられない質問も試しておく
公開前には実際のお客様が使いそうな言い方で試します。
「いつ届く?」という短い質問。
「返品と交換は?」のように内容が二つある質問。
資料にない商品や「例外で無料にして」という依頼も試してみます。
私が先に確認したいのはボットが上手に答える場面より、答えが見つからなかった場面です。
そこで適当な案内をすると結局あとから人が説明し直すことになる。
答えるべきことを答えられるか、分からないことを作ってしまわないか、人へつなげるかを見ます。
公開後も答えられなかった質問を見ながらFAQを直していきます。
お客様がどこで迷っているかも分かるので、サイトの案内を見直す材料にもなります。
■ FAQの整理から設置まで相談できます
私はECを21年間運営してきた経験をもとに、店舗やECサイト、小規模事業者向けのFAQチャットボット導入を支援しています。
「DifyでFAQチャットボットを導入します」では日本語FAQボット1体の構築を基本に、FAQ最大30問の範囲で回答の整理や回答範囲の設定、サイトへの設置を支援します。
基本料金は50,000円です。
DifyやAIサービスの利用料は別途お客様負担になります。
まずは「どんな質問への対応を減らしたいか」「どのサイトに設置したいか」をサービスページの見積り相談からお知らせください。
資料の分量と設置先を確認して対応範囲をすり合わせます。
※仕組みの確認にはDify公式のサイト埋め込み・ナレッジ活用に関する解説を参照しています。